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platnic dance
『プライド・ベール』
絹一は通訳をメインとした外国人向けの日本での業務サポート全般をしている。
短い間に友好的な関係を築くためには身体を差し出すことも厭わない。
相手が男であれ女であれ。
あるクライアントに連れられて行ったパーティで絹一はクライアントの友人の付き添いとして来ていた鷲尾と出会うが…。
2人の出会い編です。
お互いにクライアント同伴で。
目を惹かれるものはあるものの、それ以上の感情があるわけでもなく。
けれど、絹一の態度はどこか挑発的でもあって。
結局、その挑発にのるような形で鷲尾は絹一と一夜を過ごすことに。
鷲尾のホスト業とはベッド込みのフリーのホストで。
クライアントとの嫌な時間を消したい絹一は鷲尾に抱かれるのだけれど。
言葉の足りない絹一はどうして欲しいかをうまく言えなくて。
けれど、鷲尾はそれまでも汲み取ってくれて。
『MOLE』
沖麻実也さんの3ページマンガ。
絵が古いなーと思ってみたら1993年て書いてあった。
どうりで!
リアルタイムで読んでたことを考えると自分がどれだけ長い間BLに浸かっているか遠い目になってしまいます…。
『ヘルプ・ライン』
一度きりだろうと思っていた絹一との関係。
呼び出しに応じた鷲尾はそれがギルバートを遠ざけるためのものだと知る。
恋人と偽った2人は鷲尾の部屋へ。
けれど、絹一はその部屋にあることを感じて…。
2人の関係はビジネスであって。
それ以上のことを望みはしないのだけれど、絹一は鷲尾の部屋に女の影を感じて気持ちが落ち着かない。
嫉妬とかそういうのではなくて、ただ申し訳なくて。
けれど、そんなふうにして買っておいて拒むことは鷲尾のプライドを傷付けるものでもあって。
『トップカラー・フローレンス』
独立した絹一は現在、ギルの仕事に関わっていた。
そんな中、以前のクライアントからクレームがあり直々に謝罪しに行くことに。
それは、それまでの彼の罪を受け止めるような時間で…。
自分のやり方が間違っていたと気付きた絹一が変わり始める。
手始めに独立し、ある誓いを立てるのだが以前のツケが回ってきて。
それでもそれを自分が悪かったのだと受けとめようとする姿が印象的でした。
『デザート・ローズ』
それまでホテルマンションで暮らしていた絹一がちゃんとマンションに住むことに。
鷲尾の住むマンションで友人とはいかないまでも知り合いとして過ごし始めるのだが…。
それまでの絹一の過去がそうさせるのか。
とにかく、彼は無器用というか子供な部分があって。
どこか乾いてるというか…。
鷲尾が絹一を「砂漠」に喩えているのだけれど、その「砂漠」にオアシスが見つけられるかが今後気になるところ。
泣かせてみたいシリーズが大好きなのでこちらも読みたくなって、買って本棚の肥やしにしてたシリーズです。
キャラ文庫は安心感がありますね。商業レベルにはない作品が量産されてたいわゆるBLバブル期にも、一定のクオリティの作品しか出版していない。その実績は大きいんじゃないかと。
主役二人のキャラ設定は、最近のBLにはめったに無いですね~。
攻めはホストで女性客とばんばんエッチしてるし、受けはクライアントと寝まくってるし。
会ってすぐ恋するわけでも、その予感を感じるわけでもない。
客とホストという関係ではじまって肉体関係を結び、偶然や必然を繰り返して何度か寝るうち、少しずつ相手を知っていく。
非常に新鮮でした。
まあ、どっちも仕事人としてどうなのよと思わされる描写が多かったんですが、まさにそこがこの小説のテーマとなる部分なんですよね。この二人(とくに受け)がこの先どんなことに気づくのか、何を決断していくのか、非常に興味をそそられます。
難点は文体です。
三人称で、視点の定まらない文体なんです。
視点が改行ごとにぐらぐらするような文体はもともと好きじゃないんですよね。
あと絵が古いです。
ストーリーは非常に面白いので、二巻も楽しみです。
後半がよかったので萌えか迷ったのですが、中立で。
前からすごく読みたかったシリーズの1作目ですが、ちょっと自分には合わなかったです。続きを読むかどうかは微妙です^^;
2000年と結構昔の本ですが、もっと古い印象をうけました。そういえば昔はこういうのが流行ってたかも・・・みたいなBL作品です。
昔はこういう受けキャラ(攻めもですが)多くいた気がするのですが、最近は滅多にいないかも。この2人の姿勢を美徳ととれるかどうかで評価が別れそう…。
というのも、受けも攻めも迷いなく誰とでも寝るタイプだからです。
主人公の絹一のお仕事は海外から来たセレブリティをビジネスでもプライベートでももてなす、サポート兼通役者。
美人で要領もよく愛想もよくセレブ達から愛される彼は、プライベートでは彼(彼女)らのベッドの相手もします。
淫乱というわけではないんだけど、仕事で親しくなるには寝る事も厭わない、みたいなスタイルをとっています。
絹一はパーティで知り合ったホストの鷲尾が気になり、初めて時間を買われる立場から買う立場となります。
2日で100万くらい出して鷲尾との時間を買ってのには流石に驚きますが。
鷲尾もフリーのホストというお仕事をしていますが、基本はお金を頂ければ時間内はどんな相手もしてあげるという感じです。
鷲尾は、絹一の「仕事が出来る美人」という印象から、次第に彼の意地っ張りで放っておけない可愛さを知っていき、憎からず思うようになるのですが、あくまでお金をもらってでしか彼を抱きません。
絹一の片思いから始まるお話で、中身は二人の関係を切り取った短編集のような形式をとっています。
その2人がセレブな世界ですれ違いを繰り返しながら次第に距離を縮めていくお話です。
2人ともお相手するのは社交界の上流者で、生活面では成功しておりお金も美貌もあってセレブ界を駆け回ってるようなきらびやかな設定なのですが、
絹一も鷲尾も身体を使うことがお仕事に含まれている時点でそれは日本にあるお仕事の中でカテゴリーはなんなのか?と思ってしまいました。
仕事のためには誰とでも寝るのが含まれて成功してるお仕事って何なんだろう、と思うともやもやし・・・兎にも角にもこの設定が受け入れられなかったです。
主人公の絹一は「愛されるための美貌」を持っていると賞賛されており、優しくしてくれた人は味方だと思い込む、無意識に媚びるような目や声や仕種をしている、子供がそのまま大人になった、と形容されています。確かに見ていて守ってあげたくなるような危なっかしいキャラクターではあるけどもやはり打算で身体を仕事に使っていながら子供のような純粋さはないだろう・・・と思います。
自分に合わないと思ったのは、この主人公の仕事の内容や生き方がちょっと受け入れにくいと思ったからです。
古きよき時代の少女漫画に出てきそうな、無垢で無意識に人を虜にする愛想を振り撒き、周りのセレブリティな男性から囲われ、身体ゆるすけど基本は無垢という少女みたいです。
絹一の、親から愛されず愛を知らないという設定も、最初の相手は強姦だったという設定も、仕事の相手に次々抱かれ、時には取引相手に慰み者として差し出され陵辱されるシーンも、受けに与える設定ではこれでもかという位のお約束感がしてすこ~し古い感じがしました・・・すみません;
「昔の耽美JUNEをつめこんだような話」という感じでした。
最後、ホテル暮らしだった絹一が鷲尾の隣に引越し、生活用品を買い足しながら自分が寂しいと気がつくシーンがあります。大分最後のほうなのですが、その辺りから絹一がとても人間らしく、可愛く思えて好感度が上がりました。
鷲尾も、あまり構わないようにと自分をセーブしてきたつもりでもやはり放っておけないと結論つけて1巻は終わります。
友人以上恋人未満といった感じですね。
誰とでも寝るのに、本命とは恋に発展しないまま終わるなんて、そのへんはバランスがよいのかもしれません。
「恋人とはまた違う、あなたのようになりたいからあなたの傍にいたい」という絹一の最後の告白は真摯で素敵でした。