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香水JAZZと今回は後半にJAZZの本場ニューオリンズへバカンスへ行く二人の話。
とても幸せな展開に思えるけど、この二人が幸せに包まれることなどないのです。
でも全巻通じて(ラストは除く)一番幸せだったのはこのアメリカでの生活だったらしい。後日成沢がそう語っていた(笑)
でも実際は快適になるまでには修羅場があって、人間の気持ちなど全然理解しようとしない成沢がやっとその気になり、直樹にクリスマスプレゼントを買いに行った。
人にものをあげたことなどない成沢が迷いに迷って選んだのは「香水」
直樹が成沢のために香水「JAZZ」を選んでくれたように成沢も……しかし香水売り場でいろんな匂いを付けて帰った成沢を浮気したと勘違いした直樹からいきなり暴行を受けて酷い目に……
直樹、言い訳くらい聞こうよ~
しかも直樹は自分の失態に自分で傷つきドツボにはまる。
ここら辺りから二人の精神的立場が逆転してきたように思う。
最初はストーカー直樹というか、強姦、脅迫、と犯罪まがいに成沢を手に入れた直樹だったけど、成沢のブラックホールのような心に刺激を与えちゃったみたいで。
成沢の心は真っ暗で何もないけれど、それが当たり前で何も感じてなかったのに、そこへ無理矢理直樹が踏み込んできたものだから、成沢は嫌がっていたのにだんだん欲が出て今度は直樹をそこへ引きずり込むことに。
それではいけないと理性と感情の狭間で成沢の精神が限界に。
直樹の方は成沢が自分に興味がないと思っているから必死。
その影で、ある意味直樹より鬼畜になっていく成沢。
どちらも家族の歪んだ愛情で少々精神がおかしくなっていて、まっすぐに人を愛せない。
大人になった二人に子供の二人が重なってとても切なくなります。
何度読んでもタオルを持ったまま読む嵌めに……3巻へ話はつづく―――
アメリカに渡り、いろんな場所でイチャイチャする二巻です。
なんか、二巻にしてすっかり「出来上がったカップルがイチャイチャする話」になってるのが私の趣味からはズレてました。
障害といえば相手の気持ちを疑ってる勘違いだけで、あとは互いの気持ちを信じ合うことができればハピエン、という。
この勘違いというのが厄介で、受けのほうが攻めの愛情を「錯覚」だと思い込んでるから、攻めがどれだけ愛情表現しようが信じない。トラウマのせいでそうなったということらしいんだけど、ぶっちゃけウゼーと思ってしまう…。うざいというか失礼というか。恋愛において心変わりしたとしても、それはただの心変わりなだけで、今現在の愛情が錯覚というわけじゃないよ。てか恋心なんてそんなもんでしょ。移る気持ちなら錯覚に過ぎないというなら、世間の恋はすべて錯覚だ。
攻めのほうはやたら甘いです。勘違いしてひどいレイプする場面があるんだけど、すさまじく後悔して、極端なほどの反省の態度を取るしね。
全体的に文章に酔いが見られるのも残念だな。このリズムにノれれば楽しいんだとは思いますが、私は受けの堂々巡りなぐるぐる(攻めの愛情は錯覚で、こっちが本気になってもいずれ不幸になる、みたいなことをしつこいほど考えている)にウンザリだったので、どうにもノりきれませんでした。