ジェラシーの囁き

ジェラシーの囁き
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×23
  • 萌7
  • 中立4
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
6
得点
37
評価数
15
平均
2.8 / 5
神率
0%
著者
バーバラ片桐 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784812490198

あらすじ

「幼かったお前と、弱かった俺。最初に間違えたのは、どっちだ――」
一流商社に勤めるサラリーマン、奥田孝幸は、出世も約束され、順風満帆の生活を送っていた。しかし、同じ部署に入ってきた新入社員の秋谷育士(あきたにいくと)を見た瞬間から、嫌な予感が湧き上がるのを感じる。
孝幸が今まで必死に隠してきた秘密を、唯一知っている男に、育士はとてもよく似ているのだ。
動揺を押し殺す孝幸だが、育士は何かを見透かしたかのように、ゆっくりと近づいてくる。羞恥、負い目、屈辱…。あらゆる手段で、孝幸は雁字搦めにされてゆき…。

(出版社より)

表題作ジェラシーの囁き

秋谷育士・会社員
奥田孝幸・会社員

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数6

バーバラさん×ラヴァーズ文庫

バーバラさんで、ラヴァーズ文庫ということで、
「らしい」1冊なように思います。
今までバーバラさんがラヴァーズ文庫で出していらっしゃる作品と
立場や環境は違えど、同じ匂いとでもいいますか。

ただ、今までもエロっぷりはすごかったですが、
今回エロに走りすぎて、ストーリーが?だったようにも
思います。

一流商社で働く孝幸のもとに、新人社員として育士が入社してきた。
この育士は、孝幸にとってつらい子供のころの過去を掘り起こす存在で・・・。

というものです。この孝幸の過去がヘビーでした。
孝幸は両親がおらず、施設から養父母に育てられていたのですが
ある日、養父に犯されそうになります。そんな孝幸を養父を刺してまでして
救ったのは、孝幸と同じように施設からこの養父母に引き取られた
育士だったんです。
この事件をきっかけに、2人は引き離されるのですが、
育士は、自分を守ってくれていた孝幸がいつか迎えに来てくれると
信じていたのに、迎えにくれなかった絶望感、
屈折した思いかた孝幸に執着をしていくようになります。

結構ドロドロしていたのですが、ラストが存外爽やかなんです。
2人の未来も拓けたように感じます。

3

愛し方も愛され方も知らない二人

過去を封印して今を生きる事に徹している受け様と受け様が忘れ去った過去からの
亡霊のように現れた攻め様との悲しくて切ない不器用すぎる恋のお話でした。
受け様は施設育ちで5歳の時に養父母に引き取られ、これから幸せな未来が待ってると
幼心に期待していたが、現実は残酷で自分が来る前に施設から引き取られた年上の
お兄さんと二人、養父母に虐げられこき使われる日々が始まる。
それでも先に養子になっていたお兄さんは優しくて辛い中でも二人で頑張っていたが
しばらくするとそのお兄さんが夜に義父に呼び出されるようになり、次第に憔悴していく
お兄さんが気になり後を付けて見た光景は裸で義父に苛められるお兄さんの姿。
そんなお兄さんがいきなりいなくなり、自分一人になった受け様。
しかし、再び施設から5歳年下の男の子がやって来て、自分も優しくされていた通り
その男の子の面倒見るが、その子は他人に心を開かない喜怒哀楽が乏しい子だった。
それでも、受け様だけには懐くようになるが、ある日消えてしまったお兄さんと同じく
義父に呼び出され、今度は受け様が地獄のような日々を・・・それを拒否すればまだ
幼い攻め様を代わりにすると義父に脅され、自分が守らなければと言う思いで・・・

しかし受け様が思う以上に激しい性格をしていた攻め様は、受け様を助ける為に
義父に立ち向かい、義父を刺してしまう。
その光景を見た受け様はそのまま気を失い、病院で目覚めてからも悪夢に苛まされる。
受け様が壊れそうな精神を守る為に、過去を忘れ去ることで、心にカギを・・・
そして大人になり、受け様の努力の成果で、有名企業に就職し、年齢的にも早い出世を
歩いていた受け様の前に現れたのが、過去に捨ててしまった受け様を守る為に義父を
刺した攻め様だったのです。
新入社員として目の前に現れた攻め様に初めは気が付かなかった受け様ですが、
心になにか引っ掛かりを感じ、それがやはり攻め様だとわかるが、その途端に攻め様は
学歴を詐称していた後始末や、無理に受け様の住まいに同居したりと、過去の出来事を
引き合いにだされ、脅されるように犯され、それでも攻め様に探していたと言われ・・・

この攻め様は、受け様を本当に慕っていて、それが過去の出来事で離ればなれになり
それでも受け様が逢いに来てくれると信じて、でもその願いが叶わず、次第に受け様を
憎むようになっていく、それでも受け様に対する執着は強くてヤンデレ状態。
受け様も過去の出来事で、攻め様に対する罪悪感とも焦燥とも言える感情を抱いていて、
攻め様に絆されながらも受け入れる事も出来ない。
二人とも人を愛することも愛される事も誰にも教えられずに育ったからギリギリまで
思いがすれ違う切なくて苦しい展開になっています。
過去に無くした二人の時間を取り戻すように、未来を二人で生きていけるようになるまでを描いたお話です。

2

自らに責のない過去から解放されますように。

あまりにも不幸な過去と因縁を持つ二人が再会して、求めあっているのに傷つけ合うギリギリするほどつらい物語でした。

途中、本を閉じ(電子書籍版でしたので語弊はありますが)てしまうほどつらい箇所も何度かありましたが、展開はスリリングで飽きさせませんでした。ただ他のレビュワー様も書いていらっしゃるように、エロティックなシーンが多すぎて、なし崩しにされ気味な感じが多少。(そこが売りの本なのでしょうけど)

そしていちばん惜しいと思ったのは、結末部があまりにも駆け足だったこと。あれよあれよと言う間に解決…というか解決の糸口が見えてラスト……という展開にちょっと拍子抜けしてしまいました。もう少しそこに至るまでの経緯や、そこに至るまでの登場人物たちの心の移り変わりが丁寧に描写されていたらなぁ……と思わずにはいられませんでした。

全体としては、ダークな描写が多い割にはするっと読みやすい一冊でした。

1

過去に囚われた2人

【先に裏切ったのはどっちだ】
と、帯に書かれています。

奈良さんの表紙は一捻りが効いてて素敵です。
向かって左側の受けは目を逸らし、
右側に居る攻めは受けを観察するような目線。
足元の水溜りの中に幼子の姿が…。
積み本中も表紙だけは何度も長く眺めてました。

内容は表紙イラストが匂わせているように
幼い頃の過去に囚われた攻めと受けに苦しさを感じるお話でした。

自分が先に裏切ってしまった贖罪と
進行形で裏切られてる絶望と
乱される体と思考がグッチャグチャになる受けが悲痛で
前半は読み進めるのが苦しく何度か本を閉じました。
長々と続くエッチシーンがこんなに読むのが辛いとは…(T ^ T)

ちょっとしたボタンのかけ違いで互いを苦しめあってる関係が息苦しいです。

身も心もボロボロで頑なだった受けにようやく攻めの本心を探る余裕が出てきて
得体の知れない怖さがあった攻めの執着心が次第に子供っぽさを帯びてきて
後半になってようやく硬く拗れた誤解が少しずつ解れていくのに萌えました。

攻めも受けも不幸な生い立ちゆえに愛情というものが分からず
自分でも理解できない感情に「好き」という言葉をあてはめ
手探りで愛情の形を作っていく不器用さに
幼く無垢だった過去の回想が合わさると涙腺が緩みます。

重くのしかかる過去に囚われてた2人ですが
同じ時間を共有してたからこそ分かり合える関係で
少しずつ幸せへの1歩を踏み出すラストが良かったです。

0

年下攻めが受けを「あなた」と呼ぶのに萌える

凌辱ものなんだけど、受けと攻めの因縁や背景がきちんと描かれていてうっかり攻めに感情移入してしまい、どうにもこうにも切なくなってしまった。

というのも、攻めがこうなったのは突き詰めると
「待っていたのに、(受けが)来てくれなかった」
この一点に集約してしまうのがなあ…。
受けの事情を鑑みれば仕方ないと思えるが、やっぱりこれは性格や性癖が歪んでも仕方ないんじゃないかな。
まあ、だからって無理矢理はダメだけど。

お互いに好きという気持ちがわからないのは、生い立ちのせいであって、自分たちのせいじゃないし。
それでも受けのために料理を作って冷蔵庫に詰めておいたり、海外出張でお土産をいっぱい買ってきたりした気持ちを考えるとやるせなくなる。
だからって、無理矢理はダメなんだけどねー。

プレイ的なものはと言えば、いつものバーバラ先生の感じで、乳首クリップ、バイブや尿道責め、縛りなど。
バーバラ先生の受けはハードなことをされても案外タフなので、いつもこういう話はサクッと読めるのだけど、今回は過去が辛くて少し時間がかかった。受けも会社で倒れたりしてるし、心理的にも参っているのが感じられて、痛々しかったかな。

好きという感情を認め合った後のふたりは、すんごく甘かった。
あんなひどい始まりだったのに、なんとなくほのぼのとしたカップルになりそうな気がするのが、どこか不思議な感じのする読後だった。

0

ちょっと厳し目ですが

多分エロシーンを抜いたら、本は半分くらいの厚みになります。
ちょっと評価が厳し目なのは、エロエロ展開なのはいいのですが、結末としては甘いのはいいのですが、何げに回収にもやもやしたものが残ってしまったため。
この主人公達の抱えた過去とか、人間関係、気持ちなどなど、とっても設定はいいと思うのです。
引き込まれるものがあるのです。
それが、軽くなってしまったことが実にもったいなかも?と思ったからです。
エロシーンをちょっと削って、もう少し気持ちの葛藤や、やり取りを見せてくれたら、もっと自分的に面白いと思う話ではあったからです。

大手の商社で若いのに主任として活躍している主人公・孝幸。
彼の元に新人の育士が配属されます。
名前に過去に絡む覚えがあるものの、すでに15年近く会っていないので別人ではないかと思いながらも不穏な気持ちを抱きますが、実は育人は自分が孝幸に思い当たりのある育士本人だと告白されるのです。
それから孝幸の部屋に無理やり入り込み、犯し、学歴詐称の片棒を担がせ、孝幸は疲弊していきます。
それには、昔一緒の養父母の元で育った2年間の、拭えない消し去って生きてきた過去があるからです。

育士のどうして自分を助けてくれなかったのかという孝幸への復讐劇でした。
そして、自分自身も心に傷を負ってしまったため、子供だったため何もできなかった負い目が孝幸にあります。
そういった過去を共に抱えたストックホルムめいた関係が進行するのかもしれません。
育士にとって孝幸は忘れらない、唯一の自分のよりどころであり、それを求めていたという結果です。

孝幸に、親友の帆足という同期が登場して、彼に恋心を抱く存在として登場しますが、割といい人で最後があっさり引いてしまったのが・・・

執着愛と、見失っていた相手への信頼と依存が歪んだ関係でもあるような気がします。
商社というバリバリ働く職場が舞台だっただけに、シリアスも倍増しで彼等は精神的にダメージを受けながらも本当、よく働いてました。
これだけシリアス要素があって、悲惨な過去を持つものなのに、後半の急展開が本当にあと十数ページでドドドドーと展開していってしまう、そしてお約束展開が実にもったいなく思えたのでした。
えちを減らして、この後半展開をもう少し厚みのあるものにしてくれたらな~評価上がったのに、、と思う次第でした。

9

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