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fukai mori no naka de
どこか暴力的で反発し合うような関係。それがやがて切ないぐらいの愛情に変化し、最後は慈愛に満ち溢れている。
恋愛に軸を置きながらも、自分の殻から抜け出し、親子の絆に気づき始める。
とある青年の成長を描いたお話でもあるように思いました。
とっても素晴らしい一冊です。
人と接触することをも外出することも、可能な限り避けて暮らしているいわゆる『ひきこもり』の稔明。
そんな稔明の前に、父親の差し金で晃二という話し相手兼、世話係がバイトとしてやってきてしまうのでした。誰とも関わりを持ちたくないと切に願う稔明にとっては最悪の出来事なのです。
自分のテリトリーに踏み込まれたくなくて追い出したい一心で『雇い主の息子』という立場を利用し、晃二に悪態をつく稔明。それが仇となり優位だったはずの立場から、劣位に立たされて主従関係が逆転するんです。
稔明の性格はすこぶる悪いです。
卑屈だし、我が儘だし…(´д`)
そうなってしまったのには大きな原因があるのですが。
晃二に強姦されて始まった肉体関係。
はじめの方は嫌々抱かれていたのに次第に快楽に溺れ始め、晃二が自分の元から去っていくのを恐れるようになるんです。その恐れから稔明は屈服するようなり、晃二の命令ならどんな恥ずかしい行為さえも従うように。プライドも何もかも捨てて、晃二にひたすらすがりつく稔明が痛々しく、切なくて泣きそうになりました。
追い出そうと必死だったのに、今となっては「置いていかないで!」と必死にすがりつくんですもん。
『ふかい森の中で』というタイトルがしっくりとくる読後感でした。
ふかい森に、木漏れ日が眩しいぐらい降り注ぐような心地よい感覚。
深い森は孤独な受け様が住む部屋なのです、ひきこもりで対人恐怖症、
母親に捨てられてから、心無い同級生に苛められ、誰にも愛されていない、
まわりは敵ばかりで外の世界へ出る事が出来ない受け様。
そんな受け様の住む深い森に招かざる客が入り込んだことから受け様の森に
変化が表れ始める。
内容は自虐的でシリアス、そして暗い内容、この作家さんの特異パターンでした。
過去の出来事が受け様の内向的な性格に拍車をかけて、ひきこもりになっている。
家族はバラバラだけど、父親の事業が成功している為にお金に困る事は無い。
父親に対しても不信感を抱いているので、自分の住むマンションも生活費も全て
父親の世話になる事は当たり前だと思ってる我儘息子。
過去の出来事も父親のせいだと思っているから余計なんですよね。
でも父親にも内緒で表向きはニートだけど、実はウェブデザインを在宅でしてる
ちょっぴりだけただの引きこもりではないところが救いなんです。
でもそれも本人は暇つぶしなのです。
そんな時に父親から同性代の話し相手兼世話係を付けられることになるんです。
勝手な父親の行動に怒り心頭ですが、やって来た相手は1度不良に絡まれた時に
助けてくれた男で、でも高飛車な態度でお礼も言わずにいた相手。
追い返そうとしても、高額バイトを受けたからと無理やり上り込んでしまう。
3歳年下の相手に説教され、辛辣な言葉で罵倒しながら言いたい放題の受け様。
そしてそんな受け様相手に起こった攻め様は人には言いつけられない方法で
受け様にお仕置きしてしまう。
しかし、そのお仕置きで快感を得てしまった受け様はのめり込んでしまう。
攻め様も受け様の深い森に捕らわれてしまったように関係を持つように・・・・
全てをネガティブに捉えて自虐的な受け様は、いつしか攻め様に捕らわれる。
そして攻め様も傲慢でわががままで、性格の悪い受け様を放っておけない。
受け様視点で描かれているのですが、ホントに最悪の性格なんです。
でも母親に捨てられた事が1番の要因になっていて、愛されたかったんだと思える話。
攻め様が無理やり森から連れ出していくまで、1番安全な場所だと思っていた森が
実は檻の中だったなんて事が納得出来るような展開でした。
暗めの作品ですが外へ一歩踏み出し、再生を感じさせるラストでもあり
後味も悪くなかったと思います。
元々内向的な性格の上、外に女を作る父、外に男を作り子供を捨てて家を出た母、しかも父親の企業はブラック企業に上がるほどのあまり評判が宜しくない会社。
そんな事が重なって、苛めにあい、より内向的性格に卑屈と諦めが加わり、ほとんどひきこもりのようになってしまった対人スキルのない主人公。
そんな彼の元に、父親が寄越した話相手という年下の大学生の男。
単純に、彼によって主人公が目を開いて外へ出るという話ではなく、
主人公と男との関係を通して、彼が対人スキルを少しだけ身に付け、光を見つけるお話でした。
題名は、主人公が好きな絵本の話の場所であり、その森は彼が引きこもっている世界。
その比喩が的確でした。
主人公の性格が割りと痛めではありますが、心が痛くなるほどの痛さでもなく、
男との関係もスムーズに入ってくる。
淡々とした作りになっているので、とても読みやすかったのです。
この主人公・稔明がたちが悪いな~と思ったのは、自分の自己分析ができてること。
自分のどこが悪いのかちゃんとわかっている。
だけど、過去の事もあり、まるで棘をまとわないとそれから自分を守れないかのような相手への激しい言葉で返してしまうという反応を身につけてしまったので、
わかっているくせに、過去のトラウマが深すぎて自分が変われないでいるし、変わりたいとも願っていない、諦めてしまっているのです。
そこへ一石を投じることになったのが、話相手としてバイトでやってきた年下の晃二。
彼はバイクを買うために、自分の目的のために金が必要であったのですが、稔明のいうように、ズルをすればよかったのですが、性格なんでしょうね~律儀な人だったのですよ。
だけど、あまりの稔明の傲慢さにとうとう堪忍袋の緒が切れて彼を襲ってしまう。
行為としては、いわゆる苛めの延長線上にある嫌がらせなのだと思うのですが、彼等がもう大人であることと、それによって欲情が伴ってしまったことが子供の苛めと違うところ。
きっと嗜虐を掻き立てられたのだと思われます。
そして、稔明はそれに依存を。
でもそれがきっかけで、少しだけ二人が近づく。
溺れきらなかったのは、父親の脱税事件が発覚したこと。
それによって、互の必要性が再認識されるという展開は、納得いくものでした。
稔明の傲慢はきっとそのうち、ツンデレになっていくといいな~と未来に期待を持たせるものでした。
やはりこのお話もキャラクターなどに萌えはないのですが、いいお話だった
という部類のものでした。
金持ちの息子で引きこもり男、稔明(としあき)と、
稔明の話相手として雇われた三歳年下の晃二(こうじ)のお話です。
モヤモヤしたことが沢山ありました。
主に、2人の進展に全くついていけなかったことと、攻めの晃二がどうしても好きになれませんでした。(辛口です)
稔明は、両親から十分な愛をもらえず、小学生の頃からいじめにあっていました。
大学の在学中に引きこもりになります。(現在23歳)
自分は全てから嫌われていると思いこみ、周りは敵で常に臨戦態勢です。
そんな中、稔明の話相手として、稔明の父に雇われた晃二と出会います。
稔明は家に上がり込む晃二を追い出したくて徹底的に冷たく当たり、嫌がらせをします。
晃二は、お金がどうしても欲しいので耐えますが、とうとう我慢の限界が。
稔明を殴ってしまったら解雇される口実を与えてしまうので、簡単に告げ口ができないような手段(=強姦)に出ます。
いくら稔明が救いようのない性格の悪さでも、劣情を刺激されたのだとしてもやっちゃいかんだろうと。
相手が男だからいいっていう発想も最低だと思いました。
しかも彼女がいるっていう…余計そんな手段に出られないはずですよね。
晃二が”そういう人間”というのなら分かるのですが、どうやら彼は正義感が強く面倒見が良いらしいんです。
私の中で”相手を傷つけるための強姦”が強く尾を引いていて、
晃二が何を言ってももう正論をぶつける口だけの偽善者にしか見えませんでした。
稔明は、晃二からの性的暴力に快感を見出してハマってしまいます。
沢山の傷を抱えている繊細な心なのに、強姦からのセックスにハマってしまう心境が理解できません。
絶望的な寂しさゆえなのでしょうか。
稔明も晃二も若さからくる青さなのかもしれませんが、気持ちを理解する前に嫌悪感がありました。
水原作品は、登場人物の背景や状況が説得力を持って書かれていることが多くて好きなのですが、今回は理解できなかったです。
”趣味じゃない”よりの中立です。
深い森=心の檻から引きずり出された主人公
ふかい森とは、主人公が引きこもる部屋。
心を守る城壁でもあるけど、外部遮断をする心を閉じ込める檻でもある。
陰湿ないじめを学校で受けていた主人公、
苛めに誰も気づいてくれない、助けてくれない。
家に帰っても両親は不和、
母親はある日突然恋人と出ていって、
浮気と仕事で忙しい父親は、金は出すけど子供に時間と手間を割くことが無い
誰も、主人公の気持ちを聞き取ろうとしない。
アルバイターは父親から聞いた話だけで、今までどうしたのか、と聞き取らず、土足で主人公の心に踏み込んでくる。
母親似の綺麗な女顔で華奢な主人公は、性的な虐待を同級生からずっと長い間、受けて居た。
誰にも相談できず、対人恐怖症となり、不登校となり、大学へ入って休学。人と関わることを諦めた。
でも在宅でできる仕事をきちんとコッソリしている。
それを知らない父親は、通いの引きこもり対策のアルバイトを雇用する
そのアルバイターから強姦されて、深い森でアルバイターの性奴隷と化していく
・・という流れで、主人公がこもる部屋=「深い森」から引きずりだそうとする父が雇用したアルバイターからレイプされてしまう主人公。
こんな方法でひきこもりが改善することは、あり得ない、自殺においこんで最悪な事態になるのじゃないの?
それでもこの物語では、主人公が、凌辱するアルバイターと友情を構築する展開に。
不仲だった父親の保釈後に会いに行った。帰宅後、友人となった晃二と抱擁。
実際にあり得ない異常な展開の結末は、著者が都合よく仕立てたファンタジーだから。
(表紙絵に惹かれて、よく内容を確認せず私は電子書籍を購入していたみたいです。)