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nukumori n mahou
大学助教授と大学院生のどうしようもなく合わない2人。
そこに、助教授がネットで偶然知り合った正体不明の女性(と思い込んでいる)が加わります。
攻受の視点が頻繁に切り替わる形式なので、助教授・秋吉がメール交換を続けるユキと大学院生・氷坂が同一人物なのはすぐに明かされます。
作中、キャラクターは何も知らない・気付かないままですが、読み手にとってはもう最初から(形だけでも)『謎』ではありません。
ラブについてはとにかく可愛くて、まあヌルいとも言えますがなんとも初々しくてほのぼのって感じでしょうか。
Hもラストにようやく1回だけで、それもさらっと薄め。まあ、このキャラクターで濃いH描写は合わないと思うのでちょうどよかったかな。
正直言って、キャラクターは特に魅力的とは思いませんでした。別に苦手なタイプでもないんですが。
それに、無駄にすれ違ってぐるぐるを繰り返すところに、ストーリー展開のための『わざとらしさ』を感じてしまったんですよね。
あとは、氷坂が元指導教官の女性と付き合っていたというのは、(その事実はともかく)ここまで引き摺らせる必要あったのかなあ。
それこそ『付き合ってたけど別れた』だけでよかったんじゃないかと思ってしまいました。
それでも結構面白かったし悪くはないんです。
時期的なものもあるのか(これが10冊目の著作だそうです)まるで和泉さんじゃないみたいで、そこもよかったのかもしれません。
和泉さんは決してキライな作家さんじゃないんですが、基本的な作風(設定・キャラクター等)が私の好みと徹底的に相容れないんですよね。
その結果、私の好きな和泉さん作品は『(いろんな意味で)これが和泉さん?』とでもいうようなものが多いんです。
それにしても、ネット関係の描写に時の流れを感じました。『最先端』を扱うとこうなるんだよね~。
いちいち用語(『ブラウザ』『メーラー』程度)に補足が入ったり、ダイヤルアップ接続だったり。←名称は出て来ませんがテレホタイム(23時以降の深夜帯は電話代が安くなる『テレホーダイ』というのがあった)も・・・
でもこれ、ブロードバンド当たり前の今読むと、この作品が出た当時にはネット利用してた(当然ダイヤルアップです。時間との闘いです)私でさえ既に現実味が薄れてて『あ~、そういえばこんなんだっけ・・・』という感じでした。
あとはイラスト。
絵柄は特に苦手でも嫌いでもないんですが(好みでもないですが)、特に氷坂が本文で描写されてる『美貌・美人』というイメージではありませんでした。ちょっと残念です。