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power hakui no aiyoku
『Dr』シリーズ13作目です。
今回のテーマは『パワーハラスメント』です。
なんかもうこの時点で読む気ほとんど起きませんでした。
シリーズの中心舞台である『ホモ病院』で新たに(シリーズメインCPの攻である)黒河の指導を受けることになった当麻(攻)と、今は別の病院に勤務する織原(受)という医学部同級生の2人。
この織原が、指導医にモラル&パワーハラスメントを受けていて・・・
もともと、所謂『お仕事もの』(の中でもとりわけ『医療もの』)がものすごく苦手なんです。
このシリーズ自体は結構好きではあるんですが、基本的に医療色・仕事色の強い作品は好みじゃない。
こちらは、当麻のキャラクターはよかったんです。
こういう根が朴訥というか素朴なタイプ(決してそれだけじゃないけど、それもまたいい)は、攻キャラクターとしてはすごく好き。
ただ織原は、苦手なタイプというわけではないんですが、とにかくハッキリしなくて鬱陶しかったな~。なんかもう読みながらイライライライラ・・・
特に、終盤に一気に脱力してしまいました。
人がよ過ぎるのか性善説なのか知らんが、コイツはアホか!?と。
織原よ、それでいいのか、解決なのか。いくらなんでも簡単過ぎやしませんか?
結局こんなあっさり片付けるんなら、途中のモラハラ・パワハラや織原の苦悩の詳細な描写なんかいりませんよ。アンバランスなだけです。それならもう表面的にサラ~っとでいい。
ストレス障害はどうなった?共感して滅入りながら読んだこっちは疲れ損かよ!
イヤもう、なんとも無理矢理感溢れる白々しい(仕事面での)大団円に、完全に置き去りにされちゃってどうしようって感じでしたよ。
そのあたりは唯一、脇キャラクターの清水谷(1作目『Dr.ストップ-白衣の拘束- 』の受)と浅香(3作目『PURE SOUL -白衣の慟哭- 』の受)の強烈コンビの活躍(?)だけは面白かったです。
ラブ面は、仕事(パワハラ)に埋もれて薄かったとしてもよかったんですけどね。
まあ、燃え上がるような恋ではまったくなく、成り行きというかなし崩しというかなんですが、なんかこの2人ならこの先はのんびり仲良くやって行くんだろうな~と。
比率が低いわりにラブはよかったと思うので、なんとも微妙で残念です。
評価は・・・正直なところ『中立』で十分とも思うんですが、シリーズ中でもこちらのように『ラブがいい』と感じることがあまりないのと、脇キャラクターで楽しめたので加点して『萌』で。
シリーズもかなり長くなってきて、でもわりと単発で読めるお話でもありますが
シリーズを通して読むと作品に登場するキャラ達の成長してる姿が見える作品。
しっかり着実に時間が経過している成長する登場人物たちですね。
今回の舞台はいつもの東都では無い病院が舞台で、指導医にパワハラされてストレスから
病気になってしまう受け様と、お馴染み東都で黒河先生の指導を受ける研修医との話。
でも、今回のお話は恋愛面だけで見るとかなりあっさりしている内容です。
東都大学医学部を首席で卒業した大学のマドンナ的存在の受け様が東都付属病院の
副医院長である和泉の強い推薦を受けて、医院長が東都出身の天王寺病院へいく事に。
大いなる期待を受けての研修だったのに、何故か指導医から日々罵倒され実務を
させてもらえない日々が続くのです。
そんな時に、同期で万年次席ながら東都で黒河先生の指導を受ける事になった
攻め様をネタに同窓会が開かれる事になり、二人は久々に再会するのです。
お互いに切磋琢磨出来る親友として頑張っているが、攻め様は密かに受け様に対する
思いを抱いていて、受け様が弱っているのを知りながらも告白し身体の関係を・・・
この時点では攻め様の一方的な片思い、受け様は攻め様といる事で弱った心を少し
慰めてもらったような感じで、はっきりした恋愛感情が育っていないのです。
この二人の恋愛と受け様のパワハラ問題がメインで進められるのですが
主役の一人である攻め様はやっぱり黒河先生や他の協力キャラの影響で地味目に
なってしまうのです。黒河先生強力ですね(笑)
今回は、東都に何度も落ちてしまった医者がその東都出身で首席だった受け様に
嫉妬し、劣等感もあって指導をしないで苛めをするような話で、
この先生のコンプレックスが全ての原因で、いい年してファザコンの気もありました。
苛められて精神的に追い詰められてパニックになり倒れる・・・
このような展開はこのシリーズで、似たような展開が結構あるような気がします。
そして本人たちよりも周りが陰から手助けして、復讐までしてくれる。
東都の団結力が感じられる1冊でした。
個人的にはいじめをしていた先生に誰か宛がって欲しいなんて思います。
最終的には全て元鞘な終わりになるストーリーで、今回も医師のあり方みたいな話です。