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無職の男が出会った、不器用な小説家と育む恋の奇跡。
hana no yoru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
職も住居も失って自棄になってゴミ捨て場に落ちていた男を拾った官能小説家。
こんな出会いに、あ、、こんな始まりの話どっかにあったよな~と思いつつ、また既視感のある物語だったらと危惧したものの、それはあっという間に覆されて、
登場人物の性格上とつとつと進む物語ですが、そのすれ違い具合がいい味を出していて、思わずひきこまれていきました。
なかなかに、キャラクターの設定がよかったんでないでしょうか?
主人公ですが、親には恵まれない生い立ちでしたがその反動というか、割と世話焼きなタイプのようで、今まで付き合ってきた女性もはいメンテナンスという表現を使っていますが、世話の焼けるタイプが多かったようです。
そして、拾った官能小説家は生活に無頓着の感情が薄い人。
浴衣を着ているのも人が来たときにパジャマだと着替えるのが面倒くさいと、祖父の残した浴衣を着ているし、パンツに至っては読者から送られた女モノの下着。
料理とか洗濯とかもどうも・・・もちろん万年床で庭も荒れ放題?
この組み合わせですから、割れ鍋に綴じ蓋ごとく、そして主人公は無職ですから、置いてやるから雑務をしろというのは渡りに船だったりするわけです。
この小説家・山野が実はとってもやっかいな人だったりするんです。
実体験しか書けないということで、実は出ている作品は自分の過去の経験を下敷きに、そうでなければ見に行ったり、人からの体験を聴いたりしたものを作品にしていた。
だから柏木を雑務に使いながら、彼に緊縛とかSMとか体験させたりもして、柏木は結構散々だったりするのです。
そんな描写は、淡々としているものの、少し面白い感じも感じさせるのですが。
だけど、新しいレーベルの恋愛を織り込んだ小説を書くという段になったときに、柏木に自分を女として抱いてくれというのです。(なにせ体験しないと書けないというのですからw)
山野の過去のトラウマを知り、彼の無頓着さや不器用さが可愛く思えてそれが好きという感情に移行してきていた柏木だけに、それは辛い事となってしまうのですよ。
そこがヤマ場となりラストのシーンに入るまで、柏木の行動とかちょっと恥ずかしいけど、それさえも忘れるほどに彼の感情が伝わるシーンとして結構グっときちゃいます!
挿絵にもあるけれど、ちょとどころかかなり恥ずかしいですよ!!(読んでくださいね♪)
山野の感情の歪んだ部分、病的なところとか、そこに共感できたらきっとこの話は受け入れられるでしょう。
ただ、彼の編集担当も言っていますが、どうして柏木が山野にとって最初から特別だったのか、そのあたりは本当のところどうだったのか?それは不明なんですが、その後の経緯は彼に入れ込めたのでよしとしますかw
作中に、作家の気持ちが綴られています・・・なにげに作者さんの気持ちの代弁ではないかと勘ぐったのは余計なお世話?
しかしながら、なかなかに良い組み合わせの良いお話でした。
コミカルな中に、恋する切なさと戸惑いを描いた保護欲から始まるラブストーリー。
学歴も無く、既に両親は亡くなっていて勤務していた会社が倒産して彼女の家に
居候をしていた攻め様は、仕事が見つからず、彼女に家まで追い出され、
泥酔した挙句、見覚えもないような場所にあるゴミ置き場でゴミ塗れで目覚める。
何もかもが嫌になり、お金も行く当てもなく、自暴自棄と諦めみたいな思いを抱いて
いたところ、見知らぬ青年と知り合う。
そして次に目覚めた時はその青年の自宅で・・・・
目覚めた途端、臭いと言われ挙句風呂掃除まで言いつけられ、止めのように
食事の支度までするように言われ、傲慢な言い草にむかつくが家事が得意なので
さらっとやってしまう攻め様なんです。
気分はダメな子供の面倒を見るお母さんそのものの雰囲気なんです。
攻め様は昔からダメな女ばかり好きになって、尽くした挙句に別れるの繰り返しで
出来るキャリアウーマンが相手なら専業主夫で活躍しそうなタイプなんです。
官能小説家だと言う受け様に無理やり雇われる形でモデル兼雑用として暮らす事に
でも、そのモデルが、とんでもない内容で、ノーマルで普通の嗜好の攻め様には
かなりハードな体験をさせられる(笑)、SMで身体を縛られたりその手の集まりで
尿道プレイをさせられたり、資料に使うアナバイブを買いに行かされたりとハード。
攻め様はこのままではホントに身の危険を感じると1か月分の給料をもらった時に
そのまま逃げ出そうとするのですが、受け様が野良猫相手に寂しそうに話してる姿に
絆され、庇護欲を掻き立てられ、そのまま受け様の面倒を見る事になってしまう。
身体は大人でも情緒面が一切育っていないような受け様、それはネグレクト的な
育った環境に起因しているみたいな感じで、でも攻め様には素直だったりする。
それも天然な感じで、ダメな子程可愛いなんて感じで攻め様はハマり込むのです。
受け様は自分が経験した事しか書けないタイプの小説家で、その為に自分を抱いてなんて
言われ、攻め様はいつしか受け様を好きになっていて、愛の無い行為をする事に
抵抗がありながらも受け様の為に抱くことを承知する。
でも、好きなのに相手がそんな感情とは無縁の相手だと分かっていても切なくて
攻め様は耐えられないと受け様の前から姿を消すのです。
始めは召使か奴隷扱いで、次第に家政婦からお母さんになって、次のステップまでが
恋する苦悩と、初めて抱く感情で戸惑う受け様とすれ違う攻め様。
この一見すると合いそうで合わない二人がなかなか最後はしっくりする恋人になる。
とても楽しめるお話でした。