お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
借金返済のためウリをしてる受とそのお客との恋愛物語。
BLにはよくありがちな設定で王道中の王道なんだけど・・・
とにかくウマい!おもしろかった!
すっかり気に入って、同人誌も読破ちゃいましたv
(どちらかと言うと、同人誌の方が攻が翻弄されてる様子が読めるので私好み♪)
発行から10年も経ってるので、入手が難しいかもだけど、機会があれば、ぜひ。
香山圭吾(本郷隆司)/秘書(会員制クラブ会員)・極度の女嫌い
×
佐野祐里(カリヤ)/クレーム処理課→秘書(男娼)
カリヤという源氏名で会員制クラブの男娼として働く祐里。
すべては亡き父親の借金返済と病弱な母のため。
叔父が借金を肩代わりしてくれたものの、月々の返済は厳しくて。
大学生だった裕里はまとまったお金がどうしても必要な時に綾さんにスカウトされて、契約金50万をつい使っちゃうんですね。
それで、仕方なくずるずると。
バイトで足りない分を補うために・・・っていうのが、裕里らしい。
就職してからもそのスタンスは変わらず。手っ取り早くガンガン稼いだ方がいいのに、良しとしない。
生真面目なんだよね。
手を抜くこともなく一生懸命だから「抱かれ上手」で人気なのもうなずける。
まぁ初めての客に調教されたことも一因だろうけど、素直で健気なところが男心をくすぐるんだろうな。
逆境に負けない芯のある強さも好ましい。
新しく上司となった香山は、カリヤの客・本郷様ってことでびっくりする裕里だけど、クラブのことは口外禁止なのであくまでも同僚として振る舞うしかなくて。そして、本郷は元々無口で何を考えてるかわからないし、香山としても必要最低限の言葉しか交わさない。同僚となった後もカリヤを指名し続けるから、裕里が戸惑うのも無理はないって感じ。
ホント、この男何を考えてるんだろう?
私がこの作品で一番気に入ってるのが、綾クラブの指名方式。
料金はクラブとホストで折半で拘束時間は8時間なんだけど、指名が重なると入札方式になるんですね。一番高額を提示した会員が落札するので、誰がお相手なのか制限時間まで分からない。
カリヤは人気なので、常に入札方式。
で、本郷様は1回につき60万も支払ってカリヤを落札し続けてるんだけど、それが毎回ウマくいくとは限らないワケで。
本郷様が続いてたから、別の人に落札されて、つい「本郷様は?」って聞いちゃうカリヤ。 で、相手がH目的ではないご隠居さんってことで、ほっとするんですよ。
単純にお金が絡むだけじゃなくて、感情を揺さぶる要因として、いい具合に利用してるんです。ものすごくイイ設定で、たまんないな~って思いました。飛天先生すごいです!
そんな中、会社で脅迫事件が起こり・・・すべての責任を裕里に押し付ける叔父。
この叔父が本当に嫌なヤツで、「能無し」呼ばわりで相手を委縮させて支配するタイプ。そんなに裕里が目ざわりなら構わなきゃいいのにっムカツク!
裕里も借金があるから言いなりになるしかなくて・・・でも、香山は何で逆らわない?って責めるんですよ。
確かに不甲斐ないかもだけど、もう少し優しくしてもいいんじゃない?ちょっと厳しすぎるよ;;
「二度と僕を買ったりしないで下さい!」
「そうですね。誰でも同じです」
と香山と言い争いになるシーンはホント、切なかったな。
結局2人ともすれ違ったまま、事件解明に手を尽くすんだけど。
ここで、この脅迫者がカリヤの初客っていうのも、話を盛り上げる上で、いい役割りを果たして。
嫉妬から香山がムリヤリ裕里をヤっちゃうんですね。
それで、ようやくお互いの本音をブチまけて、気持ちが通じ合う。
その時見せる、香山の笑顔が裕里ともどもグっときた。
その後の怒濤の展開もさらにヨくて、おもしろかった~!
恋愛と仕事をいい感じで絡めてるし、登場人物の人間描写がリアルだし、香山やご隠居さんとの関係とかも深いし。
難を言えば、イラストがあまり好みではなかったことくらい^^;
大満足の一冊でした!