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rurikoku seiden
瑠璃国正伝の3作目となる完結篇、海子の八潮と不吉な目を持つとされる弟の緋波。
二人のそれぞれの運命めいたストーリーのラストはやっぱりハッピーエンドでした。
前作で緋波が高熱にうなされて・・・なんて展開で終わったのですが、
八潮の背中に海子の印が現れない事で、もしやなんて思っていたら緋波に出てましたね。
海子の長子に現れる印、兄弟だけれど双子だったからどちらが長子かわからない。
目の事もあり、塔に閉じ込められるように暮らしていた事も、目の色とは別の意味が
あったんですよね。
そして渡海さんですよね、謎の人物で何を考え思っているのか解らない人物。
でも、海子の八潮にはそれなりに執着しているように感じるんですよね。
そして渡海が海子の事を詳しかった訳も明らかになるのですが・・・
う~ん、今一肩透かしされた感があったのですよ~、その設定が悪いとは言わないけど
え~!そんな理由だったのかぁ、なんか子供ジャン!なんて感想を持ちました(笑)
それなりに幼い時に苦労はしていると思うのですが、もう少し捻りが欲しいなんて
贅沢を言いたくなったわけなのです。
それでも、八潮と緋波が双子だった事は、海子の印がある無い別にして結局二人は
離れられない運命だと言う事でした。二人で一人なんです。
八潮は渡海の不器用な優しさや思いやりに次第に気が付いて、初めの戸惑いから
徐々に心を寄せるようになるのですが、ちょっとした擦れ違いから八潮は混乱の
極みに突入してしまうのですよ。
そして、全てが上手くいくと思われた時に渡海の方に因果応報みたいなトラブル発生!
でも、それが更に二人を結びつける固い絆になるのです。
そして緋波ですが、八潮を助ける為にせっかく平穏に六陽と暮らしていたけれど、
背中に現れた印で、何かが起こるのではないかと言う不安から国へ戻る。
八潮の元へ駆け付けた緋波ですが、六陽との事を考えればこちらは切ないですね。
六陽の身分を考えて、緋波の背負った海子の印が二人の間に立ちふさがる壁となる。
六陽が国へ帰る夜に緋波の堪えていた思いがあふれ出てしまう。そして別れ・・・
それでもやっぱりハッピーな展開には違いないのです。
今作で全ての謎が解けているのですっきり感は最高でした!
ファンタジー『瑠璃国正伝』最終巻です。
とにかく最後までメインCP(渡海×八潮)に興味が持てませんでしたね。
前巻まで、Hはあるけどラブは・・・?って感じだったのが、この巻でいきなり(ホント唐突に)ラブになって来たのかな~と思ったらあっさり纏まって終わってしまいました。
『こういう設定のキャラクターなら○○』という型通りの感じで、これも王道の一種なのかな。
イヤもう、メインキャラクターの2人にあまりにも魅力が感じられないんです。
心情の変化も上辺だけというのか『なんでそうなるのか』『いつそうなったのか』の経緯がまったく見えませんでした。
これ、雑誌連載をリアルタイムで読んでた方はこのあっさり過ぎるラストで納得できたんだろうかと余計なことを考えてしまった(しかも、本編もこれでも加筆してるらしいし)。
私がもしリアルタイム読者だったら、確実に途中で(しかもかなり早い段階で)落伍してたでしょうね。←実際、本編より書き下ろしの力でなんとか3巻一気に読めたと思ってます。
全巻通して言えることですが、本編よりサブメイン(しかも1巻なんて、ラブのカケラもない単なる脇役の生い立ち話なのに!)の番外編の方が遥かに面白かったですからね。
1冊読み終える毎にさあ次読もうかという気になったのは、ストーリー展開よりもサブCPのキャラクターが魅力的で好みだったからなんですよね。この六陽×緋波はよかったな~。
ホント、サブCP効果で悩んだけど評価は『萌』にしました。
いっそ、各巻同時収録の番外編としてではなく、別建てで(こちらが正伝なら外伝とかさ。安易だけど)サブCPメインできちんと書いて欲しかったと思ってしまいました。
まあ、こちらの3巻はさすがに最終巻ということもあって本編もストーリーの先が気になって読み進めましたが。
ただ、アレコレ文句つけつつも(メインCPのラブはともかく)悪くはなかったんです。
確かにものすごいドキドキハラハラ波乱万丈の展開というのではないかもしれませんが、もともとそういうものを求めて読んでなかったので別に構わないし。
あえて言うなら、ラブに興味持てないのにHだけは濃い~のがかえって邪魔なくらいでしたけどね。その分もっと他に読みたいことあったんだけど。
ハッキリ言えば、ファンタジーとしてはまあいいとこ普通かもしれません。ただ、個人的に谷崎作品だと思えばホントにいい方(もちろん相対的な問題)。
この作家なのに『無理矢理から』でも『お仕事もの』でもなかっただけでもよかったと思えました。←谷崎泉の日常もの(ファンタジー以外)は、基本的にものすごく苦手なんです。しかも人気作ほど合わない。根本的に相性悪いんでしょう。