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jazz
作家さんの新作発表
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全4巻の最初。
二人の出会いと進展。
ラストは舞台がアメリカへ。
これでハッピーエンドになったわけではなく、この先最後まで波乱の展開になりますが。
年下攻めは出会いの時、高校生。
しかもマザコン気味の喘息持ち。
その主治医をなんと嵌めて強姦、とてもその高校生がやることではありませんが、その異様な展開からひたすら執着攻めに。
先生の方もいろいろバックボーンがあり、こちらも壊れ気味なのですが、出だしは攻めの方がぶっ飛んでいるのでこの先生の壊れぶりがまだそれほど表面化していません。
途中、つれない先生に贈り物をしたくて大学生になった直樹が贈り物をするのですが、
それが香水。その名も「JAZZ」
この香水が印象的で、まるで話を読みながらずっと香ってきそうな感じです。
10年ほど前の作品で当時これを読んだ後、さっそく探しに行きました。
わりと簡単に見つかり、しかもその控えめな香りがすごく気に入って、以来私もずっと愛用しています。
追いかけて追いかけてたどり着いたアメリカで直樹はやっと先生に受け入れられたように見えるのですが。
この巻のラストはアメリカで生活を共にするところで終わります。
全4巻の1巻目ですからね。
これからの展開の複雑さがわかるようです。
出だし、色々な意味で病んでいる風だった直樹なんですが、話が進むと病んでいるのは先生の方だと思えてきます(精神的に……ですね)
こういうのは、流されて、消極的に見えて、じつは傲慢で……究極のツンデレなんでしょうね。
音楽のJAZZが好きな先生とそれに引っかけて香水のJAZZがキーワードの話は全編いい香りを感じながら読むことが出来ます。
ヤンデレ攻めとヤンデレ受けで、クラクラするようなお話でした。
視点が受けから攻めへ、そして攻めから受けへと順番に移り変わっていくので、攻め視点のときに分からなかった受けの気持ちや、受け視点のときに分からなかった攻めの気持ちがよくわかります。お互いに相手を誤解しまくってるなァと。もどかしいけど、それがすごく面白い。
どっちも精神に病んだ部分があり、そんな自分のことはよく見えてるんですが、相手の心はまったく見えてないんですよね。やたら相手を過大評価してるし、同時に過小評価もしている。
レイプからはじまった関係で、濡れ場の描写も多いです。
年下の男が一回りも年上の男に執着して、ストーカーじみた執念でもって付きまとい、すがりつき、犯して無理やり関係を強要する。
年上の男のほうは、嫌がりつつも彼の執念にとらわれて、だんだん絡めとられていき、ついには自らのトラウマを吐き出すことになる。トラウマの中身には若干モニョモニョしましたが、まあそれは重要な部分ではないので。
描かれる世界観に時代を感じるのもいいですね。若干バブルな感じ。でも古くさくはない。いや、古くさいのが懐かしくて楽しいというべきかな。