追いかけようか?

oikakeyouka

追いかけようか?
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神11
  • 萌×229
  • 萌21
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
14
得点
236
評価数
64
平均
3.7 / 5
神率
17.2%
著者
渡海奈穂 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
元ハルヒラ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784829625286

あらすじ

無愛想なカフェ店員・立花に告白された西条。驚いたものの、その後も態度を変えず淡々と接してくる立花が逆に気になり始めて……。

(出版社より)

表題作追いかけようか?

27歳,カフェの常連
23歳,カフェ店員

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数14

綺麗にすれ違う2人の話

無愛想カフェ店員の尚太が、好きだった常連客のサラリーマン西条に思わず告白してから始まる2人の恋物語。

自分の気持ちを終わらせるつもりで告白した尚太と、そんなことは露知らず告白されて前向きに関係を進めようとする西条。そもそものスタート地点が違うので、綺麗にすれ違う2人です。

両視点あるので、ノンケの西条(攻め)がどうやって尚太(受け)を意識したり好きに傾いていったのかがよく分かるけれど、対人スキルの低い尚太はその西条からの歩み寄りを正しく捉えられず勘違いしたまま…。正直もどかしい。

尚太は自分に自信ないし西条と中々目も合わせられない、だけど割と意志はハッキリしていて気が弱いわけではない。むしろ頑固。
私個人的にはこの子にあまり惹かれなかったけど、西条がその一挙一動を「かわいい」と思っていて飽きなさそうだったので安心です。

西条は受け視点だと「かっこいい」補正がだいぶ掛かっていて面白かった。
ぱっと見かっこよいけど、そこそこ意地悪く、でも要領よく生きていく感じで、変にキラキラしてないちょっとそこらに居そうなタイプなのがむしろ良かったです。
あと、意外に西条は恋愛脳で、後半色々と見れて楽しかった!

お話は悪くないし、キャラクターはそれぞれ頑張っていたとは思うけど、自分のことしか考えられていなかった尚太に若干イラッとしてしまいました。あまり好きなタイプじゃなかったかな。

また、表紙絵は良かったのに、中の挿絵はその絵から伝わってくるものが少ないやら、物語を盛り上げることもないやらで、あまり挿絵としての魅力が感じられずちょっと残念に思いました。

0

尚太、不憫な子。でも健気でいとおしい

カフェの常連客のサラリーマン西条と店員の立花尚太のお話。

尚太はもうすぐ店での研修が終わり本社勤務になるので、最後に西条に告白します。予定より早まったけど人生で初の告白。

西条は今まで通り店に通ってくれて声をかけたり食事に誘ってくれたりします。

どうして?西条の考えがまるでわからない尚太。

人間関係が苦手で空気が読めなく人の普通がわからない尚太が西条の言動に一喜一憂したり残酷だと傷ついたりするのが不憫でした。

交互に二人の目線で話は進むので読み手には西条の気持ちはわかるのですが、対人スキルの低い尚太には自分を面白がって付き合ってくれてるとしか思えません。
ずっとその状態が続き切ないです。

子供の頃から両親の不仲や、人の輪に入れない、空気が読めなく浮いてしまうのは私も同じなので読んでいて尚太が可哀想で辛かったです。
せめてもう少し頑張って笑ってみたらいいんだよ。
西条の言動を深読みするのに尚太の経験から悪い方に考えてしまうのがもどかしく切なかった。
西条さんは尚太の移動の話を知らないので自分のペースで恋を育んでいこうとしてたんでしょうが。

やっと尚太が両思いを知るのは最後の方。どうしても西条に会いたくてせめて姿だけでも見たくて飲み会の帰りにカフェの前で待ち伏せします。

やっとだよ!西条が自分の気持ちをきちんと順序たてて伝えます。
その日のうちにいきなりエッチ。

良かったね。ベアだけでは埋まらない寂しさも西条が愛情で溢れさせてくれるよきっと。

ほとんど主人公のふたりのやり取りと気持ちの動きが書かれていて特に何か事件も衝突もなく淡々としてます。

結ばれて良かったけど尚太をもっとはやく幸せにして欲しかったよ!尚太はこれからいっぱい幸せになって思ったことは喋って気兼ねなく甘えて欲しいです。

2

とーっても可愛い

カフェの若手店員さんと、常連のお客さんという一見なんの変哲もない組み合わせ、ですが、知り合いになる冒頭部分から、深みにはまっていくまでの展開がとても丁寧です。
作風はかわいらしくて暖かい、ほっこりする感じでした。

ツンデレというわけではないけど、頑固で無愛想な立花が、その無愛想の下に隠した一途な恋心が可愛いと思います。
クマのぬいぐるみに色んな出来事を報告したりとちょっと乙女なところもあるのですが、それもなんだか普段の無愛想をひっくり返して可愛いんです。報われないとわかっていながら無理に押しまくるわけではなく、どちらかというとかなり消極的。
そのせいですれ違いものになっていますが、とても苦しいような展開はないのでこのくらいがちょうど良いかな、という感じでした。
立花と西条の視点が交互なのも良かったと思います。

西条も最初は仕事人間すぎてクール過ぎるように感じるのですが、次第に立花に向ける目線が暖かいものになっていくのにとてもキュンとなりました。
肝心のストーリーは…というと、説明するような起伏の大きな内容ではないのです。顔見知りになったカフェの店員さんとお客さんから、距離をつめていく、というだけの内容なのに、唐突過ぎず、とても丁寧。
ノンケの男性が男性相手に恋心を抱いていくという王道ですが無理なく共感できるお話でした。

0

出発点の違い

1冊丸ごと表題作です。

西条(攻め)と立花(受け)、両者の目線から語られます。そのくせ、場面をなぞるうっとうしさを感じず、片方の目から語られなくても相手が何故そのような言動をしたのかが読者には分かるという見事な書き方だと思いました。

二人の出発点の違いから起こる、擦れ違いモノです。
恋に決着をつけるつもりで告白した立花(受け)と、告白から相手を知ることをスタートした西条(攻め)。お互いどんどん好意を抱いていくのに、立花は良い思い出にしようとし、西条はこれからの二人の歴史の一つだと考えます。結果、立花は西条の前から姿を消してしまうのですが…。

立花が健気で可愛らしく、片思いだと決めてかかった自己完結を、ワガママだと感じてイラつくことがなかったです。
西条の、無自覚な立花に振り回されるというわけでなく、知れば知るほど可愛らしくて惹かれていくといった有り様も微笑ましかったです。
読んでいて応援したくなるカップルでした。

年上攻め×年下受けの可愛らしい社会人カップルがお好きな方にお勧めです。カラーイラストの立花の困惑顔が可愛らしかったので、元ハルヒラ先生のファンの方にもぜひお勧めします。

1

ベアが取り持つ縁?!

とても可愛らしいお話。
ベアダックカフェの社員立花は研修で店舗で店員として就業していた。カフェによく訪れる会社員の西条に恋心を寄せているが、研修が終われば本社へ戻り会えなってしまうので思い切って声をかける…

切羽詰まって思い余って告白してしまうのが初々しくて、あわあわし過ぎなのはちょっと幼い感じもありますが、可愛らしいです。
カフェのベアをこよなく愛していてクマと呼ばれるのを嫌がってベアですといちいち言い直すのがやっぱり可愛らしいとともにウザいw

そんな立花ですが、告白後西条は気があるのかないのか相手が男だからと引くわけでもなしかと言って応えるわけでもなしかなり曖昧な、それでいて出かけようと誘ったり、立花とっては逆に辛い展開です。
ちょっとそれはかわいそうだよ、もうちょっとわかってあげてよと思いましたヨ。

研修が終わって会えなくなってしまってお互いやっぱり気持ちが募ってという流れですが、西条がちゃんと言葉で伝えていなかったことと立花も鈍感すぎて最後の最後までもどかしいふたりでした。

が、かなりのほのぼの度でほっこりさせられます。

0

グッズ販売されたら買うのに。

…か…可愛いー(*´Д`*)
何これ、めちゃくちゃドツボった。
最初は淡々と読んでいたんですよ。
でもね、じわじわーっとくるんですよ!!!

西条が「割と酷い人」設定で書かれていたらしいですが、攻め・受け視点が交互で書かれていた影響かそこまで酷い男には感じませんでした。
立花くんから見たら酷いのかもしれませんが…後半で振り回されまくっている西条さんは楽しいです←
懐くまで長期戦でいくか~と考え始めた途端の逃亡とかねwww

もう立花くんがマジで可愛すぎるー!!!
地味可愛いε=(///ω///)=33
あれだなー、普段ローテンションで余り表情に出ない子なので余計に可愛く思えるんでしょうねー。
何かこうね、西条の前だといっぱいいっぱいな感じがねw

再会した時、嬉しそうな笑顔を浮かべたと思えば「(西城の顔が)こ、怖い!」と本気で逃げ出しちゃって追いかけっこ状態になったり、Hの際に抱き付く相手が西城じゃなくてベアだったりね!!!
そいで、やんわり取り上げられそうになって「クマじゃなくて、俺にしておいて(困り顔)」のやりとりとかマジで好きです。

西条は西条でベアの前に正座で「尚太を俺にください」とかいいつつ、ぬいぐるみ相手に嫉妬してチョップ繰り出したりwww

もう本当に可愛かったー!!!

ってか元ハルヒラさんデザインでベアダックのグッズが欲しいO(◦♥///Δ///♥◦)O
と終始思いながら読み終わって、あとがきでベアダックカフェという店名とベアのデザインは鈴倉温さんだと知りました。
もともとは漫画用の原作として書かれたもので没になってしまった作品だったのですねー。
「小説として書きませんか?」と声をかけた編集さんGood JobΣd(´∀`*)

2

両視点が良かったです

わたしの大好きな日常系です。
しかも、攻めと受けの両視点。

攻めの西條は仕事の出来るノンケリーマン。
受けの職場であるカフェの常連さんです。
年齢設定が27歳ですがあまりそうは見えない…全然女子社員にガツガツしてないし、30くらいでもアリかな。

受けの立花は存在感の薄い地味男くんで、勤めるカフェのマスコットキャラが大好き。
絶賛西條へ片想い中。
マスコットキャラが引き起こした勘違いのために、自分でも予定外に西條へ告白してしまいウオサオしてしまいます。

西條が始めの頃、嫌味な感じを醸し出していたので、なんでこんな男に惚れるかなぁと思っていました。
ノンケで自信溢れる西條が、本当に立花を好きになったりするんだろうかと半信半疑でしたが、両視点のため西條が急に好きになった感がなくて「うまいなー」と。
ノンケが振り向くという作品は、読者置いてけぼり感がある物も多いので。
追いかけっこも可愛かったです。

この作品を機に渡海さんの作品を読み始めましたが、今のところわたしはこれが一番かな。

2

渡海先生らしい作品ですね

ゆっくりとストーリーが進んで行くので、全体的に見てもせかせかしておらず、読者が取り残されることもなかったです。ゆっくりしたストーリーは大好きなので凄く好みでした。

すれ違いものなのですが、読んでいてイライラすることもなく、がんばれーと応援したくなる2人でした。
攻めもこの程度なら全然嫌なやつとは思いません。
あーこういうタイプいるなーって感じで自然と感情移入できました。
受けはネガティブだけど嫌なネガティブではなく、がんばれ!もうちょっとがんばれ!と応援したくなる可愛いタイプ。

ただちょっとラブ度は低めかな…?
もう少しくっついてから甘いシーンが多ければ嬉しかった〜

2

逃げれば追うのは

人の性。

逃げることばっかり考えて全然相手のことは考えない身勝手なネガティブな子に片思いされちゃっていた西條。
日々の仕事に追われて、すっかり自分でも忘れていたけれど、実は大の恋愛体質で、
逃げる者ほど追いたくなるのは、もうこれは本能的なモノとしか、、、

この二人、実はけっこう年が近いのですが、立花の恋愛スキルがあまりにも低いので、その恋愛スキルの差が、実際の設定年齢以上の差になって、立花は実年齢よりコドモっぽく
、西條はむしろオッさんくさい。
いきなり大人の本気のエロをぶちかまされちゃう立花が、エロ可愛かったよ。

2

イライラしないすれ違い。

すごく渡海さんらしい作品だと思います。もう作者名伏せられて読んでもわかるくらいに。特にキャラクターですね。渡海さんのキャラクターって、コメディでも明るいいい人ってあまりいないのに、たとえ陰気なキャラクターの地味な日常でも(・・・あんまりな括り方ですが)、イヤな気分にならないんですよ、私は。
あ、でもキャラクターそのものがキライな場合は別です(陰気とか地味とか関係なく)。

あとがきでも書かれてましたが、この西条(攻)は別にひどくないと思いましたね。『イイヒト』かどうかはともかくとして、私は結構好感持てました。この程度ならまったくOKです。

立花(受)は、これ以上ないくらいネガティブですが、それも別にマイナス感情はなかったですね。自虐的なのも後ろ向きなのも(そもそも苦手要素ですらないんですが)、とても自然に受け止められました。

とにかく2人の意思の疎通がまったくないから、お互いが相手を理解できてないんですよ。だから、たとえば立花から見た西条は無神経でひどいヤツかもしれませんが、作中では両視点が切り替わって2人の心情がわかるので、読み手からすれば西条は立花が見てる(感じてる)のとは全く違うのが読み取れるんです。

もう見事な気持ちのすれ違いなんですが、そのじれったさも楽しめました。事件も何もなく、すごく『普通』なんですが、私は渡海さんのこういう感じ、すごく好きです。すれ違いぶりも、近付いて行く心の動きも、とても丁寧に描写されていて、この上もなく地味なストーリーなのに逸らせないんですよね。

それにしても、西条ってものすごい『恋愛体質』でしたね。そこが作中いちばん意外だったかもしれません。ますますひどくなんかないよ、可愛いくらいだ。
これ、もう少し西条の年齢が高くてもよかったんじゃないかなあ。27歳なんですが、中身はもっとオヤジだな~と感じたんですよ。

ラスト、立花の部屋を訪れた西条の、ベアへの台詞とその後のチョップが最高でした。

1

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