砕け散る薔薇の宿命

kurakechiru bara no shukumei

砕け散る薔薇の宿命
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神25
  • 萌×228
  • 萌22
  • 中立4
  • しゅみじゃない9

--

レビュー数
13
得点
307
評価数
88
平均
3.6 / 5
神率
28.4%
著者
犬飼のの 

作家さんの新作発表
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イラスト
國沢智 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
シリーズ
砕け散る薔薇の宿命
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784812448816

あらすじ

赤い瞳、年をとらない身体――。
誰にも言えない秘密を抱えて生きてきた、調香師の香具山紲(かぐやませつ)は、都会を避け、軽井沢の別荘地でひっそりと暮らしていた。しかしそこへ、過去に最悪の別れ方をした元恋人のルイが姿を見せ驚愕する。
「次に私の前に現れれば殺す」
別れ際、酷い言葉を残したルイは、今も紲を憎んでいるはずだった。あれから百年近く経った今になってルイが現れたのは、裏切りにも似た過去の紲の決断を裁くためなのか、それとも……。
人間よりも麗しく、獣よりも狂おしい、人ならざる者たちの気高い愛の物語。

表題作砕け散る薔薇の宿命

貴族悪魔の吸血鬼
100歳,淫魔の血を引く調香師

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数13

貴族悪魔の子孫の残し方は托卵

SF要素を盛り込んだBLファンタジーが犬飼作品の特徴だと思うのですが、
この「砕け散る薔薇の宿命」の吸血鬼シリーズにも、ありそうでないような空想のSF要素が盛り込まれていました。

最近発刊の「少年竜を飼いならせ 暴君竜を飼いならせ9」の中に、どうしても気になる部分
・・「少年竜ミロ君がハワイ辺りで孵化して、自力でバイカル湖のツァーリの所へ泳いで行く」
父親の所へたどり着けたのは、どうしてなのか???・・疑問でした。
犬飼作品の初期ものからヒントを探してみたいと思い付き、読みました。
この設定の原型がひょっとしたらコレ?と思う所が「砕け散る薔薇の宿命」に有ったので、メモ。

---
貴族悪魔は、生まれた時は母似、育つに従い父親ソックリになる、という事をルイが語る部分。
「貴族悪魔は、教会の掟上あまり目立つことが出来ないために・・
攫ったりせずに密に子だねを仕込むことになっている」
吸血種族の場合は、主の元に・・つまり実の父親の力に引き寄せられるまま会いに来て、その後どうやって生きるか指示を仰ぐことになる。」
「カッコウの托卵みたいだ」
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この部分を「少年竜を飼いならせ 暴君竜を飼いならせ9」の少年竜の誕生部分に活用したのなら、10巻は平穏な完結になりそう?と、勝手に関連付けて読んだので、凄く楽しめました。

犬飼作品は、昔の作品ほどエロシーンがしつこくて長いので、物語としての筋書き部分が少ない、
最近の作品の方が読み物として楽しめる形になっているように思います。
この物語、紲が意地を張ってずっとルイを拒み続けます。
孤独なルイが、気の毒でした。
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ルイ・エミリアン・ド・スーラx香具山紲
砕け散る薔薇の宿命 2012年3月24日
乱れ咲く薔薇の宿命 2012年9月25日
焦れ舞う薔薇の宿命 2013年1月25日
咲き誇る薔薇の宿命 2013年5月25日

李蒼真xユーリ・ネッセルローデ
慈愛の翼 紫眼の豹と漆黒の鳥 2014年1月25日

雛木馨x鷹上理玖
蜜毒の罠 薔薇の王と危険な恋人 


2

モフモフに一番惹かれる

人外ファンタジーで面白かったです!
超絶イケメン吸血鬼のルイが、淫魔の紲に好かれたくてオロオロしているところが好きでした。
好きすぎるあまり、カーッとなって酷いこともしちゃうんだけどね。うーん。
でも、ここまで一途で健気だと憎めないのよね。
 
紲も紲でハッキリしないというか、ちょっと苛つくところもありました;
個人的には、蒼真が一番好きかも。
2mの豹をモフモフしたーい!!

全巻読める状態なのですが、続きを読むかどうか悩みます。
ラブラブなルイと紲を見たい気もするんだけどなぁ……

0

耽美ワールドの開幕

設定勝ちの耽美BL。長年あたためてきた設定なんだろうなぁ……ということが想像できるし、ここまで作り込んだからにはシリーズを続けなきゃ!となるのも納得の吸血鬼ものシリーズ第1作です。

文章が読みやすく端正なのと、「香り」を大きなテーマにしていることから耽美な世界をイメージしやすくて、血みどろなことが起きているのにあまり凄惨な雰囲気はなく夢の中のようなとろりとした質感でストーリーが進みます。

大筋をおおざっぱにまとめると、「盛大で壮大な痴話喧嘩じゃん!?」なんですけどね。この巻、よく考えるとたいしたことは起きていなくて、過去の回想と世界観の解説が大半なんですが、それを無理なく読ませてもらったように思います。

内容的には「序章」という感じなので、そのまま続編の「乱れ咲く〜」へ。シリーズの順番がわかりづらいので、ちるちるのページを参考に読むの、便利でいいですね。

0

攻めさん 頑張るなあ

前にスピンオフ?の「慈愛の翼」をなぜか読んで、いつかこれも読んでみるべと
思っていた本。
挿絵の先生があんまり得意なタイプではなく、とっても悩んだけど手に取ってみました。
攻めさんがあんまり健気なので、うーん、萌。

いつも読むときは受けさん応援派 なんですが
この本は、攻めさんに入れ込んでしまいました。

好きで好きでしょうがないのに、「やだ」と一蹴され65年。
がんばるわー、耐えるわー、一族が衰退しようがそんなん知ったこっちゃねー
といった感で、受けさん一筋。
なんでそんなに受けさんが好きになったのか が今一つ弱いんじゃね?と
思うのですが、なにしろ一筋、最後はこっちがほだされてしまう。
最後 傲慢貴族な攻めさんが えぐえぐ泣くところは、もう、可哀想すぎて
受けさんに「もうええやん、好きって言ったれよー」と一人突っ込んでました(笑)
これ1冊じゃ 「え」という終わり方なので、やっぱり続きを読もう・・・・

あと、挿絵の先生の人型は苦手なのですが、豹が秀逸!!!!!!
素晴らしい!
ただ もふ できる感じの豹ではなく
多分 寄っていったら一瞬で がぶ とされる まじな方です(笑)
キレイなんだよなあ。。。うーん 豹に一票 な気分です。

0

当て馬の方がお気に入り

犬飼さんのファンタジー系のシリーズ作品の一作目です。
視点は三人称で、章でハッキリ攻め受けにわかれています。
個人的には大歓迎なタイプです。

**********************
受けの紲は調香師で、実は100歳を迎える淫魔。
淫魔ゆえに精液摂取が必要不可欠なため、蒼馬の番として共に生活しています。
淫魔は貴族悪魔にとっては性奴隷として喜ばれ、人間には無闇矢鱈に劣情を誘ってしまう厄介な性質を持ちます。

攻めは貴族悪魔で300年以上生きる吸血鬼、ルイ。
過去には紲の恋人でしたが65年前に別れ、次に会った時は殺すと宣言した苛烈な面も持ち合わせています。
傲慢で選民意識の強い吸血種族でありながら、下級悪魔である紲を求めずにいられない恋する男。

もう一人、攻めではありませんがメインとして登場するのが、豹の姿を持つ貴族悪魔の蒼馬。
300年以上生きる豹族の長で、共存共栄のために紲と契約しているため恋愛感情のようなものは持たない、友人のような存在です。
**********************

紲にとって蒼馬なしで外出することはフェロモンをだだ漏れさせることに他ならず、誰彼構わず犯される可能性がある自分の首を絞める行為でしたが、ルイが日本を訪れると聞き海外へ単身逃げ出そうとしていました。
しかし空港で早々にルイに捕まり、強引に再び体を結ばされてしまいます。

過去はすっ飛ばして二人が決別した状態からお話がスタートするため、最初はなんだか良くわからないというのが正直なところです。
65年前にルイが紲を焦がれて番となりたいと申し出たことを拒否し、紲が蒼馬を番に選んだのもハテナ?な。
今回ルイが訪日したのも紲の寿命があと10年ほどだと知り、自分のヴァンピールとして生き永らえさせるためでした。
ルイ自体は紲を未だに変わらず愛していて、過去のことにそこまでこだわっていないのはわかるのですが…
ただ、中盤になってやっとその辺りが語られます。
紲とルイと蒼馬の出会いと別れが。
この作品はシリーズ物なので、まさかわからないまま進むのでは?と不安になっておりましたが、ホッとしました。
同時に、ルイも紲も不幸だよなと切なくなりましたが…

己が使役する者でもなく、ましてや貴族悪魔(貴族悪魔同士は共にはいられない)でもない。
紲は己が淫魔であったと知らずに生きてきたわけで、そのせいで悪魔間のことに疎いため、ルイに対して遠慮のない紲が彼はこの上なく愛しいわけです。
その愛ゆえの別れ際の暴挙だったわけですが、離れている間もルイは紲に操を立てていて、しかもそれがとにかく重くならないよう(別れ時に重たく鬱陶しいと言われた為)にしててという…いやあ、健気攻めでした(苦笑
紲は紲で、最も恐れ忌み嫌う行為をルイからされたことを65年間許すことが出来ないという気持ちと、共にいてもいつか捨てられるのではないかという恐れもあって、こちらはマイナス思考受け。
二人ともが自分の気持ちと信念に縛られ突き進むせいで、これってきちんとくっつくのかいなと思わずにはいられませんでした。
最後は丸く収まって良かったですが、これは完全にルイの方が折れた結果ですね。
共に生きたいと思うルイと、ルイのためなら死んでも良いと考えていた紲では決意のほどが違ったと言いますか(苦笑
読む前は完全に俺様系の攻めだとばかり思っていましたが、良い意味で裏切られました。

続きも気になるところですが、わたしは蒼馬にラブってしまいましたので、そちらのスピンオフを先に読んじゃおうかなあと思っております。

6

吸血鬼ですよ!

さて、また犬飼ワールドへ突入です。
シリーズ一作目。

今回のお話は悪魔!
吸血鬼×淫魔ですよ。
別れのシーンから始まるという、ビックリ展開。

吸血鬼であるルイに最も嫌う行為である陵辱をされ、愛していると囁かれた口からは殺すと告げられ、ルイの前から去った紲。

もう二度と会うこともないと思っていたのに、蒼真の計らいでやってきたルイと対面してしまう。
紲は自分にしたことを許さないと誓っていたのに、忘れることの出来なかったルイの香り─最上の薔薇、ローズ・ドゥ・メの前に墜ちてしまいそうになる。

あとで語られる形で、紲は自分が淫魔だと知らずに育った亜種だったこと、そのせいで苦しんだこと、そしてルイとの馴れ初めがあります。

読み終わってみれば、紲に対しても、ルイに対しても、『そんなことで』と思ってしまう。
だけど、二人にとってはそんなこと、にはならなかった。
そう納得してしまうのはきっと、犬飼ワールドだからだろう。

ルイの傲慢に見えて実は寂しがり屋でヘタレ(笑)なところが、物語をおいしくしている気がします。

5

もふもふ

犬飼先生の御本は初読みでしたがとても違和感なく読み進められました。
冒頭からの車内での濡れ場でこれはとてもエロ度が高めなのかと思いましたが、そこまで長く濃い描写というのはなく割と淡々とお話が進んでいきます。
セツとルイとソウマの馴れ初めや、再会して愛を確かめ合うまでのお話で、後は吸血鬼内での貴族システムや淫魔についてなどの説明があり、このいっさつでおわるというよりも次へ続くための巻という感じです。
ラスト近くでは3pのようなシーンがあるがあっさりとしている感じで、しかし淫魔として強請るセツはかなり色っぽく、このシーンはもっと濃いほうがよかったかなーと思いますがページの都合もあるのでしょう。たくさんエピソードが詰まっているので。
続きもぜひ読んでみたいと思います。

5

犬飼マジックにヤラれた!

ラヴァーズ文庫、ゴシックロマンに力を入れているらしい。
もともと、かなり実力派レーベルなので、そこそこに期待はしていたし、
「絶対恋奴」で、犬飼のの氏のウマさみたいなのは見えていた。

がっ。
予想以上でした。ハイ。

吸血鬼モノBLです。
しかし、ただ単に甘くない、しかもかなり現代的なヴァンパイア。
主人公の紲(せつ)は、淫魔と人間のハーフ。
この淫魔っていうのがなかなかクセものの設定で、
本人は淫魔であることに戸惑っている。つまり感情的にはかなり人間より。
さらに、わけあって、お友達感覚の豹人間、蒼真(ツァンヂェン)とパートナーになっているのだが、この蒼真の存在もかなり面白い。
しかし、最強にカッコいいのが真正ヴァンパイアのルイ。
貴族としての気品がハンパなくいい。

キャラクターの設定が魅力的かつディテールまでしっかりしているゆえに、
その設定だけで十分読めてしまうんですな。。。
読み終わってから冷静~に考えると、なんで紲がぐるんぐるん悩んでるのか
かったるい気もしなくはないんだが、
設定が巧妙ゆえに、理由なんかいらない悲恋モードに陥ってしまうのであります。
そう、「なんだかよくわかんないけど切ない」んですよ。
ここらへんが作者のスゴいところ。

ドラキュラものと言わず、一読の価値ありです。
ついでに、3Pシーンはありますが、それほどハデな3Pでもありませぬ。
便宜上、いたしかたなく、という感じか。

9

豹柄に囲まれて暮らす豹が… (≧▽≦)

新刊情報で あらすじを読んで興味を持ち、特典ペーパー付きということで購入しました。
通販で購入したのですが、最初に確認してみてカラーの広告が2枚入っていて、
特典ペーパーが見当たらず、特典不備かと冷や汗をかきましたが、
よくよく見てみると、特典ペーパーはカラーの広告に似ていて、
千地イチ先生の『キスは痛いくらいがちょうどいい』という作品の
番外編が表面にして封入されていたため、気が付きにくかったです。 f(^^;

まず、何よりも表紙に惹かれました。
攻めのルイのポーズ、顔の傾き具合、
手の差し伸べ具合が絶妙です。

最後のクライマックスは、
今までの話の流れやスピードに比べて、
急にスピードが加速して、急ぎすぎたような気がします。
蒼真が「獣人になっても…」と言っていましたが、
結局、受けの紲は本当に獣人になったのか
分からないままなのでスッキリしませんでした。

また、一番 最後に3Pで話が終わってしまうのには、
これまでの盛り上がりが一気に冷めたというか
引いてしまいました。
いくら生命の危機とはいえ、いくらキャラ設定を
十分に理解しているとはいえ、最後のシーンを
受け入れるのには時間がかかりそうです。

蜂の世界観を、貴族悪魔と使役悪魔という世界観で
綺麗に表現していて、虫は大嫌いで大の苦手な私でも
嫌悪感を抱かずスムーズに読むことが出来ました。

肝心の受けと攻めよりも、二人の理解者である
蒼真が一番のお気に入りです。
豹柄を好み、豹柄に囲まれて生活している豹…、
ぜひ友達になりたいと思いました(笑)。

もちろん、受けと攻めも良かったです。
ルイが放つ香りを追求し続ける紲には好感が持てて、
紲と少しでも繋がっていたいと陰で支えていた
ルイに好感が持てました。

今回の評価は、あまり迷うことなく「萌×2」です。
あとがきに「頭の中には続きがあります」
と書いてあったので、次回作が楽しみです。

7

血湧き肉躍るような物語。

恍惚とした吸血描写や漂う香りの動き、長い長い時間を生きる美しく妖しい生き物たち…う~ん…凄いです。どれか一つでも難しそうなのに、全ての要素が巧く絡められて非常に面白い物語になっています。かれらの纏う匂いと情動の発する熱がページから湧いてくるようです。かなり奇抜な設定ではありますが、骨組みがしっかり組まれているので作中の世界観にすんなり入っていけるのではと思われます。イメージとしては夜光花さんの薔薇シリーズのような印象を受けました(似ているとかではなく)。
蜂や豹の生態に則った描写が面白く、特に獣人である蒼真の行動は時に可愛いので、ほっこりしてしまいます。紲と大事な話をしていたさなか、場をはぐらかそうと紲が自分の尻尾をちょいちょいすると、本能なのか気になってそっちに気をとられちゃうとか、ああ、可愛い…。蜂の生態に基づいた貴族悪魔の設定の方は可愛いなどというものではないようですが。その辺の細かいところは続編でもまた出てきそうですね。
この作品で強く印象に残るのは個人的にはルイの焦れに焦れた心の叫びでしょうか…。「なぜ(紲を)愛しているというこの想いが通じない!?」という憤りにも似た嘆きが始終どこかしらから聞こえてきて、いっそのこと魂のない「虜」にしてでも紲を傍に置きたいとまで思い詰めてしまう気持ちの煮詰まりようが切なかったです。でも、ルイを愛しているけれどそれには応えられないと悩む紲の辛い気持ちもよく解るし…と、何と言うかお互いを想いすぎるあまり切なくももどかしい恋人たちでした。ひとまず良い結末となるのですが、重要事項が未解決のままなので、ぜひとも続編を読んでみたいです。

9

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