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「鬼」という存在を茶化したり、軽めのなんちゃってで表現していない部分、かなり作者さんの”好き”という気持ちが込められた作品になっていると思われました。
高岡作品って、現代もののイメージが強いのでこうした幻想モノ風がお好きだったなんて意外な部分もり、知りませんでした!
互いの互いへの執着が強くある部分はとてもよくわかったのですが、これが性愛を含むラブになるには難しいのかも・・・何と言っても鬼の朱霞が・・・彼次第でしたので、ちょっとラストまでハラハラw
多少スプラッタ的な内臓的グロ表現があるので、血の苦手な方はご用心を。
主人公・佑人は父を亡くした母子家庭。
父の死因は母親が明かしたがらずよくわからないが、何やらあったのはうっすらと感じている。
近頃、佑人のバイト先の近所の公園で猟奇殺人事件が起き、また多発しており、母親が異常に心配をしている。
過干渉だと適当にごまかしていた佑人だが、バイト仲間の宮本が伝説やオカルトに興味があり、その殺人事件についても何やら情報を仕入れては披露するので、興味をひかれた佑人は事件のあった公園に足を踏み入れる。
そこで、不気味な人でないなにものかに襲われるが、ある男に助けられる。
その男は、満月の頃になると毎晩見てうなされる夢に出てくる男だったのです。
その後も、何度か人でないものに襲われかかる度に助けてくれる男。
そして、一緒に現れた公安の渡部という男に、その男・朱霞は自分の手下なのだと言うのです。
常に佑人の傍にいて、彼を守っているという朱霞に、
夢におぼろげながら垣間見る彼の悲しみの過去に、佑人は惹かれていくのです。
色々と血の因縁がある世界観が、よくあると言ってしまえばそうだが、そのありきたり設定ながら、イラストの禾田さんの幻想的な雰囲気もあいまって、相乗効果をかもしていました。
また渡部の存在が独特で、彼もまた人でない人であるようで、傲慢で高飛車なそのもの言いとか、思わず「寒い」www
特によかったと想われるのは鬼の描写でした。
佑人はどうなるのかな?朱霞は人に戻ることはもうできないのかな?
そんな未来をおもわないでもないですが、こうした幻想ものの良さを味わいました。
呪術師の血族で何故か鬼に狙われる受け様と、鬼で有りながら受け様を
長年見守ってきた攻め様との異種カップルの過去の因果が輪廻のように
絡まりながらも全てはこの二人の出会いの為だったのではと思うような
切ないながらも何処か甘いファンタジーラブでした。
受け様の近辺で最近多発する不可解な殺人事件、全ての遺体の内臓が取られ
空洞になった遺体が発見されるんです。
そして、受け様も得体の知れない黒い影に襲われそうになって危機一髪で
見知らぬ男性に助けられるのです。
でも、逃げろと言われ、逃げた受け様は何故かその男性を
知っているような、もう1度逢いたいと思うようになるのです。
そしてある日、自宅で受け様は再び人間に擬態したモノに襲われ・・・
再び助けに来てくれたのは攻め様で・・・
何が起こっているのかわからない受け様にそして攻め様の上司から
攻め様の正体と人間の内臓を食らう鬼について知らされることになるのです。
受け様は人間ではない、鬼だと言う攻め様を怖いと思う事がない自身に気が付く。
そして受け様は、夢で攻め様を前から見ていたんです。
受け様は攻め様が人間だった頃の近しい間柄の人間の生まれ変わりのような
存在で、先祖返りをした人間なんです。
受け様は昔人間だった頃に攻め様が愛した人の息子の生まれ変わりみたいでした。
でも、このお話では攻め様の上司はその愛した人の面影を受け様が持っているから
攻め様は受け様に対して、必要以上に守ろうとすると告げる。
でも、実は攻め様にとって受け様は過去の出来事だけで守る存在ではないのです。
受け様は攻め様の過去を夢で断片的に見るようになり、攻め様の苦しみを
理解していくようになります。
そして、何故か攻め様といつも一緒にいたいと思うようになるのですが
攻め様は、自分が傍にいると受け様の体調が崩れることや、人間ではない自分に
近づく事を拒むのです。
鬼と人間の恋は、かなりハードルが高いのですよ~
それに呪術師の血族と言っても受け様にはそんな力が無いんですよね。
でも、後半で愛の力で受け様は奇跡を起こすことになるんです。
それは、攻め様の鬼になってしまった自虐的な思いも吹き飛ばすものに・・・
ラストは、異種族ラブなんですが、これからも長く幸せになるような雰囲気の
穏やかで甘い雰囲気があるハッピーラブ展開でした。
攻め様の上司である渡部もなかなか辛辣でオヤジギャグをかましてくれるキャラで
この人で1作読めたらなかなか面白いかもなんて思う強烈キャラでしたね。
設定的には陰陽師系なんでしょうねぇ~
この系統のファンタジーが好きな人には面白い作品でした。