あらすじ
国立大三年生の安永智哉は、親友・菱川光輝が自分を愛してくれていることを知っていた。
だが、そんな光輝の気持ちに気づかないふりを続けるしかなかった。
義妹が光輝に恋心を抱いていることに気づいていたからだ。
再婚し誠実な夫と可愛い娘を得、今が『完全に幸せだ』という母が描く、光輝の存在も含まれた幸福な未来図―。
それを壊すことはできない…。
そう思いながらも、智哉はその未来図の一員としてふるまうことが苦痛になっていた。
光輝が智哉を想うのと同じくらい、智哉もまた、光輝を愛していたからだった…。