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rival wa 32nin
泣いちゃうようないいシーンもあったんですが、全体的に見て、私の地雷でした。
小学校の先生が主役です。
初めて担任したクラスでの一年間のお話なんですが、その先生を、「こういう考えかたをする先生こそがいい先生だ」みたいなストーリーになっていて、そこがかなりキツかった。
たとえば「生徒を疑わない」とか。(疑ってないふりするのは大事だけど、基本的には疑っておかなきゃダメでしょう)
「宿題はなくていい、通知簿はみんな◎でいい」とか。(ダメダメだったゆとり教育を彷彿とさせる…)
ラブ面は良かったんですけどね。
良かったんだけど、小学生の子供に「父親と担任が恋人であること」を嘘偽りなく打ちあけてしまうっていうのも、なんだかなァ…と。
「嘘をつかない」っていうのは論理としては正しいんだけど、思春期の子供っていうのは、そういう理屈をうけいれられない場合があるのにな、と。
こういうカミングアウトも、背徳感を全面に押し出した小説や、ユーモアたっぷりに描かれた小説ならアリだと思えるんですが、「感動」とか「善」とかを全面に押し出してる(気がする)ストーリーのなかでそういう価値観を出されると、モニョモニョしてしまいます。
行間に仄見える作者さんの蒼い考えかたにどうしても共感できず、モヤモヤした読後感になってしまいました。