鍵盤上のマリアージュ

kenbanjou no mariage

鍵盤上のマリアージュ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌2
  • 中立3
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
14
評価数
6
平均
2.8 / 5
神率
16.7%
著者
松幸かほ 

作家さんの新作発表
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イラスト
有馬かつみ 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784775518205

あらすじ

ホテルのチャペルで結婚式の伴奏をしている夕貴は、フランス人の御曹司・リュカにピアノ留学を勧められるがーー。

(出版社より)

表題作鍵盤上のマリアージュ

フランス旧貴族で財閥の御曹司
音大卒1年目のホテルのピアノ伴奏者

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数2

心の蓋が開くとき・・・

アーティストの支援もしている財閥の御曹司とホテルの結婚式でピアノ伴奏や
子供向けのピアノ教室で指導をしてる受け様とのラブストーリーです。

受け様は音大を卒業して1年目で、ピアノ伴奏をしながら好きなピアノを弾いている
コンクールでの入賞経験もあるが、特別の才能がある訳でもないとピアニストの夢は
諦めて、両親にこれ以上の金銭的な負担を掛けないようにと言う配慮も有り
現状の生活で日々暮らしているのです。
そんなある日、ホテルのVIP客である攻め様からピアノを褒められ、その後も
何度か受け様のピアノを聞きに来てくれて、受け様のピアノの才能を認め
留学するように勧められる、そして全ての援助を攻め様がするという高待遇で
受け様は、もう1度ピアノに取り組もうとするのです。
攻め様からの至れり尽くせり状態で始めたレッスン、一流の先生に師事も叶うが
思った以上の成果が得られず、受け様は沈みがち。

受け様は過去の大会を途中棄権したことも拘りになっていて、自分のピアノの腕に
自信がないんです、でも攻め様はピュアな音色が好きだと・・・・
そんな中で攻め様の本宅に招かれ攻め様の家族がそれぞれパトロンを務める
芸術家があつまるパーティーで受け様は攻め様の兄に媚薬を使われ襲われそうに
攻め様に助け出されるが媚薬の影響で流されるように抱き合ってしまう。
そして簡単に恋人同士みたいになるのですが・・・・

でもピアノでの悩みがかなり行き詰って、受け様は完璧ネガティブ一直線
師事していた先生に見放され(誤解ですが)攻め様を狙っていそうなピアニストの
演奏を無理やり聞かされ蔑まれ受け様は精神的に追い詰められていくのです。
この受け様は、ほんとに蚤の心臓のような受け様で繊細過ぎるのです。
神経性の高熱を出してしまうタイプ、なのに不安で攻め様に話せない
あれこれ一人でグルグルしちゃう受け様はお気の毒の一言でした。
攻め様のピュアな音をだす君が好きだと言う言葉が受け様の不安を更に大きくする。

二人の恋愛話よりも受け様のピアノに対する変化とか受け様が殻を破って
一回りピアニストとして成長する様子の比重の方が高かった気がします。
何よりもピアノが好きみたいな心からの思いの叫びみたいな、
それを攻め様が受け止め、受け様の支えになるよなストーリーでした。

2

ラブについてはノープロブレム。←作中で。

夕貴(受)が、最初から最後までぐるぐる悩んではいるんですが、ラブじゃなくてピアノについてなんですね。

ラブ面ではほぼ障壁も葛藤もないに等しいくらい(↑レビュータイトルはそういう意味での『ノープロブレム』で、私の感想ではありませんので)。

リュカ(攻)はもう終始夕貴ラブ!で甘やかしっ放しだし。

正直『ラブストーリー』としては、多少夕貴が自虐的に『自分なんか立派なリュカには釣り合わないんじゃ・・・』的な、まあ『(一種の)身分違い』にはお約束の悩みはありますが、ホントにそれくらい。

とにかく、悩みも壁も全部ピアノなんですよ。なんか、ピアニストとしての成長物語にラブが彩りになってる、という感じさえ受けました。

それが即ダメだとは思っていません。夕貴のぐるぐるはよくわかるんです。別に荒唐無稽なわけでもない。
『ああ、(そういう立場になってみれば)そうなんだろうな』とストーリーの流れとしてすんなり納得できます。

ただ、意味ありげに投入された脇キャラクターが、ラスト影も形もないのが・・・

夕貴は、ピアノに関しては自分で壁を乗り越えられて一区切りついたのかもしれませんが(リュカとのラブも順調だし)、ピアノに関してこんな『自己完結(厳密には夕貴とリュカの2人の納得か)』で終わるんなら、途中のアレコレはなんだったの?
出すならそれなりに始末もつけて欲しかったです。でなきゃ最初から外野程度で、深く関わらせることなかったんじゃないのかな~と感じました。

でも、プリズム文庫の松幸さんの作品の中ではまだマシな方かな。

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