10メートルの楽園

10meter no rakuen

10メートルの楽園
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×23
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
18
評価数
5
平均
3.6 / 5
神率
0%
著者
深山ひより 

作家さんの新作発表
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イラスト
二宮悦巳 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784829625224

あらすじ

生花店店長の明宏は、本社所属の無口なフラワーアーティスト・楓が気になって仕方がない。彼の創る綺麗だけれど儚いデザインがその孤独を表しているようで、切なくなるのだ。少しずつ距離を縮めて楓の無防備な表情を垣間見るようになると、明宏は自分の恋情に気づく。叶うはずのない想いを告げる気はなかったが、社内の人間関係に落ち込む楓の頼りない仕草に、思わず……。

表題作10メートルの楽園

TOKYO緑花園の雇われ店長,29才
TOKYO緑花園のフラワーデザイナー,26才

その他の収録作品

  • 花の咲く場所
  • あとがき

レビュー投稿数3

可愛らしい2人です

ノンケ×ノンケ。
モール内の生花店で店長をする明宏。
アーケード内にある通路の端。10メートル程のスペースをアレンジする、フラワーアーティストの楓。
楓は、人付き合いが苦手で社内の人間関係に悩み、アーケード内のスペースをアレンジすることが心の拠り所だった。そんな楓に興味を持ち、話を聞くようになった明宏は、楓を好きになっていった。

楓は、学生時代に友だちだと思っていた相手に、襲われそうになり酷いことを言われた経験があり、明宏にもその話をするのです。
2人ともノンケなんで、そんなあっさりいくとは思わなかったのですが、この会話から明宏の耐える日々が始まります。どんなに楓が可愛くても、我慢!
深山先生もあとがきでおっしゃっていますが、この明宏のヘタレ感も可愛い!
楓は、言いたいことを言う子なので、疑問に思えば聞く。でもその姿は、明宏にとって耐えられなくなるくらい、可愛く見えてしまう。いきなり部屋に行きたいとか、もう爆弾投下ですよ(笑)
あれ?明宏ってもうちょっと包容力がある大人な男じゃなったけ?と感じるくらい、中盤からヘタレまっしぐら。
楓は、自分の居場所、進むべき道が見え強くなっていくのですが、それでも明宏にだけは甘える。楓の甘え方が私はツボでした。

ノンケ×ノンケは、2人供が手探りだからか、ピュアな感じでふわふわした気持ちになり、癒されました。

2

ほのぼのラブストーリー

生花店店長×フラワーアーティストの社会人CPですが、まるで思春期の中学生CPのような初々しさがあります。
人付き合いは苦手だが、攻めさんには心を開く受けさんと、そんな受けさんが気になる自身の恋心をはっきり認められない攻めさん。
でも「仁科さんといると安心できる」なんて心身共に懐いてくる受けさんに「あれは反則だろ」なんて悩む攻めさんの姿は、ヘタレというより純情に見えます。
同僚からの陰口に悩む受けさんへの「そんな不器用な白戸さんが好き」との言葉も、カッコいい口説き文句ではなくドギマギしながらの励ましだし。
攻めさんに懐く受けさんも、あざとい姿には見えません。嫌がらせに傷つき、自己嫌悪に陥っていても、攻めさんの顔を見るとほっとする。そして癒しを求めて寄り添う。
自分の純粋な気持ちには素直に行動する受けさんの姿は、二話目の『花の咲く場所』でも描かれています。
台詞、描写、二宮悦巳先生のイラスト。全部がほのぼのと癒される、素敵なラブストーリーでした。

2

不器用で不愛想で純粋でネガティブな受け様

人と付き合うのが不器用なほど苦手ででもピュアな受け様と
そんな受け様を興味深く見つめ次第に愛しいと思ってしまった
攻め様との優しい時間の中で育んでいくようなピュアラブでした。

受け様はデザイナーとしてはかなり優秀なんですが人との関わりが
かなり不器用で寡黙な為に誤解されたり陰口を言われたりと
人間不信気味、そんな時に心の拠り所にしているのが攻め様の
テンポがあるアーケード街の10メートルのスペースに受け様の
好きなようにアレンジが許されている楽園。
そこは受け様のストレスを癒してくれる場所なんです。
そしてそんな受け様を見守っているのが生花店の店長の攻め様。
何度話しかけても仕事の内容以外は返事が返ってこないけど
受け様が創り出す10メートルのスペースに興味と感銘を感じる
そしてちょっとした攻め様の行動で受け様の作品を壊してしまう。
無口でいつも不愛想な受け様に叱られると思っていたら・・・
直せばいいと・・・以外に気さくな返答で。
その事を切っ掛けに二人は話すようになります。
職場の人間関係で悩む受け様の話を聞きながら次第に自分が守って
やりたいと思うように、そして攻め様はゲイでもないのに受け様を
好きになってる事に気が付くが、その思いは拒絶されてしまう。
受け様は学生時代につまらない自分と唯一仲良くしてくれた男に騙され
つまらない奴だけど身体が目当てだったからと傷つけられていたんです。
その事もあり、攻め様は好きな気持ちを告げるつもりがなかったのに
泣きそうな受け様を見て抱きしめたと思ってしまったんですよね。
しばらくして攻め様が謝って一応の仲直りをするのですが攻め様にとって
かなり忍耐を必要な付き合いでお気の毒なんです。
ピュアな悪魔みたいな受け様の懐き方には勘違いしちゃいますよね。
でも、本人も無自覚で攻め様を好きになってるんですが恋愛も無知状態
攻め様は受け様が作り上げる作風が自分を樹に例えてから変わったことに
気が付き、うぬぼれかもしれないと思いながらも受け様が創り出す楽園に
受け様をイメージした花を樹に付けたりしてアピールします。
流石鈍くても花に関してはプロなので意味は伝わっているんです。
そこから攻め様の押してダメなら引いて見な的な作戦を実行したりと
受け様が自分の気持ちに気が付いてくれるのを待つのです。
じれったいけど、ふんわり暖かくなるようなピュアなお話でした。



5

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