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天才的な遺物(レリック)発掘師・無量の事件が幕を開ける!
今年(2012年)の夏に読みました。しかし、あまり内容について覚えていない…。記憶に残っていることといえば、主人公の持つ「鬼の手」が某漫画の霊能力小学校教師とかぶるなぁということだけ…。
発掘人員派遣会社の社員・永倉萌絵は、天才発掘師・西原無量(21歳)と共に奈良県の上秦古墳へ向かいました。古墳の発掘調査中、無量は幼馴染みの相良忍と再会します。無量と忍(ちなみに忍の方が年上です)は小学生時代に別れたきりで、久方振りの再会となります。忍は文化庁のエリート職員となっていました。萌絵と無量、忍の三人で食事をした夜、発掘調査の主任教授が殺害され…。萌絵は偶然、忍が殺害現場を去るところを目撃していました。忍が犯人なのか?忍の無実を信じる無量は事件の調査を始めます。
犯人が思い出せません。実行犯は覚えているのですが、命じたのは誰なのか、そもそも動機は何だったのか、一切記憶にないです。
私は数多くの推理小説やミステリー要素のある本を読んできたのですが、こんなにも物語や事件の犯人が思い出せない本は、この本が初めてかもしれません。
理由は簡単。過剰設定で、いざこざや陰謀を一冊の本に詰め込みすぎなんです。
まず、日本の大企業。優秀な子供を集めて、その企業に服従する「龍の子供たち」というエリート集団を作っています。普通の企業がするレベルのことではないです。だからこそ日本一の大企業なのかもしれませんが、現実感がなさ過ぎて引いてしまいました。舞台が現代日本なのだから、現実に根ざした設定を…!
次に中国企業。唐突に登場した印象でした。上記で挙げた日本の大企業とレアメタルの利権を争い、陰謀を張り巡らします。日本企業の過剰設定で満腹になっていた私には、これも大げさすぎてちょっといただけませんでした。
更に、考古学者たちの争いも。学説を巡って、過去には殺人事件が起きていたことも発覚します。
利権、名誉欲、復讐…。とにかく定番な設定が、一つでも充分なのにこれでもかと投入されていきます。物語や事件が複雑になり、読んだ後は「結局何だったの?」と疑問が。また複雑な設定ゆえか、文章の書き込みが足りず、全体的に薄っぺらい印象だったのも記憶に残らなかった一因なのかもしれません。
主人公の無量も好きになれませんでした。受けの俺様キャラは好きなんですが、無量の性格は俺様というより傲慢だと思いました。そして、女性キャラにその傲慢なところを発散するところが嫌でした。本の世界の中だけでも女の子には優しく接してほしい。現実の男の嫌なところを思い出して、暗い気持ちになりました。
無量と忍の子供時代の思い出や、無量が一途に忍を信じ続けるところなど、BLっぽさはあったのですが…。