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hana wa kiss de sakihokoru
主人公の菜央は東北の田舎から上京してきた16歳。お相手の幸人は東京で働く冷徹な雰囲気の実業家でかなりのセレブ。
歳の差、身分差ものの組み合わせだと王道なタイプでした。
菜央は自分の生まれ育った村がなくなることになり、そこを開発しようとしている会社の社長に直談判するため一人東京にやって来たのですが、行き倒れていたところを幸人に拾われます。
幸人は冷たいタイプなんですが、菜央がお目当ての社長に会えるように手助けをしてくれます。しかしその中には菜央を都会に慣れさせるという名目で礼儀作法もあれば、ベッドでの慣れも含まれています。
冒頭からかなりえろえろな展開でした。私が今まで読んだ 雪代さんの作品の中で一番えろかったので少々驚き…。
最初は、行き倒れの子供にそこまで面倒を見る幸人の理由がわからなくてちょっと違和感がありました。田舎から出てきた見ず知らずの初な子供にセックスを教え込むって・・・やり手の実業家なのになんでこんなことを?という感じでした。
結構中盤までは延々と幸人のレッスンが続きますので、正直に言うと途中まではちょっと退屈だなあと思っていました。
でも中盤からはかなり面白かった。
幸人がこんな子供に手を貸した理由も後半には明かされて納得できますが、割と予想がついてしまうものなのでそこは残念かも。
菜央の方言がめちゃくちゃかわいいです。創作の方言だそうですが、悲しい時も、怒った時も、ついでる方言というのが哀愁があって良かった。
個人的には都会にきても花がどこかにないかな?とか、星が見えないとか言っていた菜央は根っから田舎のほうが似合うと思っていたので、結局最後、恋が成就した後は東京に引っ越すというのはそれでいいのかなぁという気もします。
しかし、最後の書き下ろしがとても良かったです。この書き下ろしあっての作品ではないかと思いました。
都会にやって来て都会で暮らして菜央のアイデンティティは大丈夫なのかな…と思っていたのですが、書下ろしで23歳になった菜央は想像以上に精神的にも成長していて、田舎で育ったのに東京に出て、そして世界にいって…それを怖がる菜央を、お前は絶対に幸せになれる、16歳の時に一人で着の身着のまま上京してきたころの、あの頃の自分に負けるな、と後押しする幸人も、本編よりずっと柔らかくなっていて感動しました。
この変化もきっと、菜央がもたらしたものなんだろうなあと思います。
そしていつか二人は引退して田舎で寄り添って暮らすんだろうという作者さんの言葉を信じると、素敵なカップルの生涯をありがとうと思える作品でした。
読み終わった感想は、書き下ろしがおそろしく良かった!( ゚д゚)
書き下ろしについては後々語るとし、本編は、田舎出身の子供が、都会で出会った大人の男性の手により変わっていく…ざっくり言えばサクセスストーリー。
私が読んだ「花はキスで咲き誇る」は文庫化されたもので2012年刊。
元であるノベルス版は2004年刊。
現代日本を舞台にし、攻め28歳に対し、受けの年齢が16歳で、エロ描写は少なくない。
最近の作品ではあまり見かけないんじゃないかな。
受けが子供っぽかったり、実際子供と言っても遜色ない年齢に対しては、私も大人である期間が長くなるにつれ色々思う事はあるのですが……
時代時代のそれぞれの良さを楽しみ、作品を懐かしく思ったり、愛しく思う気持ちは大切にしたいものであると私個人は思います。
細かいことは良いんだよ、萌えを詰め込んだからまぁ見ていってよ!と言わんばかりの、一種の力技を感じる作品でした。
こちらの受け攻め、年齢差も立場の差も、ましてや同性である事なんてさておいて、お互いに離れていられないと愛してやまない思いを抱くまでに要した時間、なんと1週間。
なかなかの短期間。
受けに関しては、攻めに結構な無体はたらかれたよね!?本当に攻めで良いの!?と確認したくなりました。
また、ストーリーの根幹とも言える受けの「村を守りたい」という気持ち。
気持ちは分かるけど、まず自分を大切にして欲しいよーと思わず老婆心が。
ストーリーを通しては、マイフェアレディ感や若干の攻めざまぁ展開を楽しめると思います。
ちょっと辛口なんですが、先ほど書いた力技に感じてしまった部分や、レッスンと称して続く性描写があまり愛のあるものと思えず好みではなく、本編への個人的評価はそう高くありません。
設定はすごく好きなんです。年上攻めに囲われるが如く過ごし、身も心も成長していく可愛らしい受け、という。
傲慢な攻めが受けの健気さや可愛さで変わっていく、というのも。
でも、その設定が描写されてみると、これ!という刺さるものが私にはなかったー。
しかし、しかし。書き下ろしがほんっとに良かったのです!!本編から7年後のお話なんですが、
攻めの愛の深さ、半端ないです。
ちょっと、涙出ました。
のちに私がこの作品を思い返した時一番に思い浮かべるのは、書き下ろしの攻めがとにかく格好良かった事だと思います。
この格好良さをなぜ本編で発揮してくれなかったのかっ。笑
04年の同名小説の文庫化再販書籍になります。
マイフェアレディー風のショタの匂いのお話です。
仕事は冷徹にこなし、一切の情の欠片も見せないような攻め様
そしてプライベートでは何事にも真剣にならない鬼畜傲慢な
攻めさまと、健気で純朴で自分の生まれ育った田舎を愛する
受け様がホテルの開発プロジェクトで自分の田舎が無くなって
しまうと知り、無謀にもその大会社の社長へ取りやめる様
お願いする為に一人田舎から上京して、道端で倒れた受け様を
偶然攻め様に助けられ、事情を聞いた攻め様は自分は社長の
知り合いだから会わせてやると、それは攻めさまが気まぐれで
始めた遊びだったんですが、愛人としてなら紹介してやると
言われ、田舎を守りたい一心で攻め様に従う受け様。
ホント鬼畜なんですよねぇ~、中学を出たばかりの受け様を
大企業の社長の愛人として紹介してやるとエロ調教する攻め様
でもその社長が1週間後に父親の後を継ぐ攻め様なんですから
健気で純朴な受け様を暇つぶしの相手に騙して抱くなんて
鬼畜なんてもんじゃないのです。
でも、一緒にいる事で何に対しても真剣さのない攻め様ですが
いつの間にか受け様の事が可愛くなってるんですよね。
そして同時に今まで思った事もない罪悪感にも苛まれるように。
受け様にホントの事を話して分かってもらおうとした矢先に
最悪の形で受け様に知られてしまう。
騙され遊ばれていたと知った受け様は飛び出すように田舎へ・・・
攻め様は全てに立ち向かう覚悟で受け様の元へ・・・
攻め様の予定とはかけ離れてしまってるけれど、結局受け様は
攻め様を誑かして田舎を守った事になるのか!って?
傷ついた受け様に心から許しを請う攻め様は既に受け様に
メロメロ状態なんですよね。
小猿に心を奪われた傲慢キチクな攻め様が真実の愛情に目覚める
ストーリーでした。
書下ろしは院生になった受け様と忙しく仕事をしている攻め様の
日常と大人になった受け様の成長した姿&更に跳躍する未来です。
7年後の話であの小猿だった受け様が優秀な若手の研究者に!
でも攻め様への思いは7年前よりも強くなっていて・・・
ちょっぴり切なくてでも強くなった受け様の姿がステキ
そしておじさまになってしまった攻め様も萌えでした。