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春ちゃんシリーズ2作目のこの作品も切なかったです。
前作ほどの喪失感はないものの、春実の気持ちに変化の兆しが見えつつ、
かと言ってすんなり心移りすることも出来ず...
じれったい気持ちを抱えながらも、
こんな風にまとめるしかないのかなぁ~と納得してみたり...
春実にとって鏡沢教授以上の人は現れることはないのかも。
死んだ人間には永遠に勝てないのかな...
『Body Special』
今回の一人目のお相手は政治家秘書の鷺峰聰士。
とある理由から春実のもとを訪れた聰士は、一目見て春実の美しさに
惹かれ、自信満々な態度で春実を口説きにかかってくる。
一方、春実もそんな熱い聰士の誘いに乗って一夜を共にする。
この聰士という男、元来ノンケの男で人一倍自信過剰のうぬぼれ屋。
一歩間違えればキモイ男かウザイ男になるところですが、
彼の場合、それを裏付ける努力もしてるし結果も出ている。
だからこそ魅力的で、春実も別れ際にとまどいを隠せなかった...
基本的に一夜限りの関係しか持たない春実が、
ストーカーのようにつきまとう聰士ともう一度会ったのは、
どうしようもなく彼に惹かれ可愛く思っていたから。
プライドの高さも、高慢さも、強がりも、全てが可愛くて、
でも、聰士の将来の事を考えたら、この関係を続けていくわけには
いかないこともわかっている。
淡々と親友の裕介に語りながら、こうしていつも春実は彼らに対する
想いに区切りをつけていくんですね。
『最後の女神』
とてつもなく危険な男に気に入られ、誘拐されてしまった春実。
刑事でもある裕介から危険人物としてリストアップされて
いた桐生怜二が、今目の前にいるその人だと気付いてしまう。
母親を殺してきたと言う怜二は、自首する前の3日間だけ姫(春実)と
過ごしたいと言ってくるが、ナイフを肌身離さず持ち歩く怜二に
怯える春実...
でも、過去のトラウマのせいで一般の常識からずれてしまった
怜二の心まで春実は溶かしてゆきます。
その心と体で...
何やら前作より淫乱誘い受具合が上がってます。
でも、ドラッグも殺人も犯している男との真剣な恋って初めてかも。
ただ、恋と呼んでいいのかは微妙かな?
やっぱり、同情もしくはただの情だったのかもしれない。
それでも最後の別れは切なく、恐らく二度と会えないのかと思ったら
気持ちは移るもので、励まさずにはいられない春実。
親のトラウマに縛られ続けた怜二もやっぱりかわいそうな人だけど、
最後に春実に会えたことが彼の一番の幸せだったのかも...