あらすじ
売れっ子官能小説家の真樹は苛立っていた。真樹の暮らすマンションの真正面にはご立派な総合病院が建っていて、救急車がけたたましいサイレンを鳴らしながら昼夜問わず出入りする。おまけに隣人の岩城という男が夜な夜な大暴れする騒音で、近頃思うように筆がのらないのだ。その夜、ついに我慢の限界を超えた真樹はバット片手に岩城の部屋へ侵入する。しかし、室内の異様な雰囲気に身の危険を感じて引き返そうとした矢先、男に襲われ強引に事に及ばれてしまう。悔しくて仕方がないと言うのに、真樹の意思に反して、なぜか下半身は反応してしまい……そんな最中、真樹は今まさに自分を犯している男が、涙を流していることに気がついたのであった──。