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不遜な二人の男の意地の張り合いが延々と続くお話です。大まかには四部ぐらいに分かれる感じですが、明確な部分けはなく、代わりに章だか節だか微妙な分量で番号が振られていてその間隔の時間の流れもまちまちなので、何だからダラダラと続いている印象を受けてしまい…正直疲れました。
架空の日本の明治~大正時代のような世界観と、ストイックさが溢れる序盤(おおよそ第一部)はドキドキしながら読んだのですが、桐谷が古閑家に家令見習いとして再登場したあたりから「なんか違うなぁ」と感じ始め…。言ってしまえば似た者同士の二人がパワーゲームに勝とうと躍起になるお話なので、セックス以外でお互いのどこにそんなに惹かれたのか、文字を追うのに必死になるうちに分からなくなっちゃいました。
石竜はなんだか勿体なかったなー。他にも、重要そうでそうでもないキャラクターが沢山いて、全体的にもっとスリムダウンできるように思いました。このクドさも、読み終えてから和泉桂さんの作品だと気づいて腑に落ちましたが笑
梨とりこさんのイラストがとってもとっても素敵なので★プラス1です。
和泉センセイはどうも苦手なんだが、3P・複数ってことで購入。
うーむ。たしかにそれっぽいシーンはあるけど、厳密には3Pではない。
かつての九龍城@香港を彷彿とさせる魔窟、「バロック」1番の詐欺師vs
お堅い貴族のおぼっちゃま、ということになるんだが、
二人とも面倒くさすぎる。
なんで、恋愛やセックスをするのに、いちいち征服だの屈服だの
考える必要があるのかわからない…。
ま、和泉作品にはこのテの素直じゃない、面倒くさい、
その結果手遅れになる人がよくいらっしゃるので、
それは作者のカラーだろうし、
それが和泉作品のカタルシスなんだろう、たぶん…。
声でイく、っていうテーマはわかるんだが、
なぜ、桐谷の声でイくのか、そこらへんの謎解きが甘いゆえに
ちょろっと説得力に欠ける。自分的にはこういうところをぐちゅぐちゅねちねち
追いかけてほしいんですが。
憎んでいるといいながらも、桐谷も侑生も相手をつぶす手段がいちいち生ぬるいのもなぁ。
あの作家さんとかこの作家さんだったらこうなるよなぁ、としばし妄想。
時代を大正から昭和初期っぽくしてあるあたりからも、
江戸川乱歩の「黒蜥蜴」を意識してるのか?とも思うが…。
ついでに、装飾的な和泉節で二段組みはちとキツイです。
待ちに待ってたノベルスです。
…のわりに読むのが遅くてすみません(滝汗)
以前出た雑誌にもノベルスにも脇役として出ていたCP。
その後、雑誌でメインで連載もされていたものがノベルスになってかえってきました。
侑生がバロックに行く前のお話ということで、バロックシリーズとは切り離して今回は単体として登場。
パロックシリーズを読んでこの2人のことが気になった方は読んでみると馴れ初めが知れていいのかも。
かくいう私も脇役時代から彼らのことが気になって仕方なかったクチなんですが。
古閑家の御曹司・侑生はある詐欺師の企みを見抜き阻むことに成功した。
しかし、そのことがその詐欺師・桐谷に火をつけ、桐谷は侑生を崩そうとすることに。
温厚な苦学生然として現れた詐欺師に似た男は徐々に侑生を絡め取っていき、籠絡したところで正体を明かすのだが…。
とにかく最初から桐谷の執着はすごいです。
最初は負かされたことへの復讐にも見えないことはないんですが、それとは別にどこか魅入られているような部分もあって。
自分の手で侑生を造り変えたい、あるいは暴きたいというような衝動があって。
時間を掛けて画策していくのですが。
侑生も簡単に動じるような人物ではなくて。
一度はその腕に縋るような部分を見せたものの、再会した後は凛として見せて。
動揺を表に出さない術は心得ているようで。
それがまた桐谷には意外だったのか執着を募らせていくようにもなって。
簡単に落ちないからこそ、どうしても手に入れたくなる。
ゲームのような。
それでいて、どこまでも想いは深く真剣でもあって。
桐谷に対する感情は憎しみでしかなく憎悪以外のものではないと言いながらも、最初から桐谷に対する形容は魅力的な人物であるようにも書かれていて。
内面と外見は別と言ってしまえばそれまでだけれど、侑生もまたどうしても魅入られてしまう部分があるのは確か。
その激しい感情の意味を「憎悪」とだけ名付けている侑生。
周りに指摘されるまでそれ以外の見方をしていなくて。
あるいは、その昔に感じた甘い感じとはまるで違った感情だから同じものだと捉えられなかったのかもしれないけれども。
桐谷の方は侑生に告げないまでも「愛している」と明確に気持ちを表してたりするんですけどね。
互いに強く惹き合うものがあって、唯一無二で。
だからこそ、対峙しつつも離れられないような関係が続いていくのでしょう。
最後まで落ち切らない侑生が印象的でした。
「解ける吐息」
続編にあたるわけですが。
わけですが。
なんだ、このかわいさは!!
2人が2人ともかわいくて正直驚きました。
関係性は表面上はそれほど変わっていないんだけれども。
もっと張りつめた関係がずっと続くのかと思ってたんです。
なのに。
旅先から知人の安否を気にして早々に帰宅する侑生に嫉妬するような桐谷だったり。
桐谷が怪我をしたと聞いて慌てふためいて薬を掻き集めて駆けつける侑生だったり。
本人を目の前にすると冷静なフリをしたりする2人だけれども、どれだけ相手のことを想ってるのか伝わって来て。
その知人・石竜に会いに行く時にしても船で桐谷は待ってたりするわけで。
そういうのもなんかかわいく見えました。
その後、コトに及ぶわけですが事後もおとなしく桐谷の腕におさまってる侑生もかわいいし(このイラストすごく好きです)
全体的にえち面ではわりとえろです。
一種の支配関係に似た感じになるので。
そして、ここで萌えるのが桐谷が敬語責めなところですよ。
常に「侑生様」と呼びますからね。
それでいて無体な命令をしたりして。
そこが非常に萌えます。
桐谷の幼馴染み・棗が加わってのシーンもちょっと倒錯的な部分もあったりですし。
あとは今回は当て馬というかそんな感じになってしまった石竜が本当に男前で。
容姿も中身も桐谷より全然出来た男です(笑)
それでも、私は桐谷の方が好きなんですが。
この石竜のスピンオフとかあったら読んでみたいかな。
棗も気になるところ。
でも、またこの桐谷×侑生CPのお話も読んでみたいです。
侑生がバロックに住むことになる頃のお話とか。
現在のバロックでの2人でもいいし。
前作のバロックで主人公達の手助けをした、非常にきになる詐欺師と貴族の御曹司弁護士カプのお話。
実は前作主人公よりこちらが気になっていておりましたので待望の、、ということになるのでしょうか。
前作の以前、出会いからの話になるみたいですね。
二段組みの分厚い本に、諸事情で一気読み出来なかった為に、行きつ戻りつして読み終わるのに大変時間がかかってしまいました。
実はそれが、この作品の評価に大変影響してしまいました。
おおざっぱにかいつまむと、
天才詐欺師・桐谷のまとまりかけた詐欺を際で阻止した男。
それが侑生だったのですが、彼のそのたたずまいと綺麗さに目を奪われる詐欺師の桐谷。
彼に仕事を阻止された恨みと彼をモノにしたいという欲求が混じり、実に年月をかけて彼に接近し、落とし、突き放し、ゆさぶりを掛け、そしてまた突き放し、まるで手招きするように、侑生を虜にしていくのです。
しかし、侑生も自らの本質というものに苦しみ悩み、桐谷を欲しながらも素直になれず、それでも自分の本質を解放しながら確実に変化を見せる。
確かに侑生は桐谷のモノにはなったが、100%桐谷に堕ちてしまったわけではなく、対等に近い関係として、割と緊張の線上にある恋人(?)関係となるお話であったと思います。
多分に和泉さんの作品はドラマをドラマティックに(若干ロマンティック)雰囲気で押していく部分があるので(実はこれが苦手)一気読みできたらよかったのですが、今回二段組みでしかも頻繁に両者目線が時間軸を重ねて登場します。
それが、これでもか、これでも感のダメ押しを感じさせてしまって、しかも丁寧すぎるために一種の矛盾を自分の中で生むのです。
先ず、侑生が恩師の娘をいいなとおもっているのですが、彼女が他の男と歩いているところを見てとりみだして、桐谷の元を訪れ、彼に堕ちる最初の場面。
その嫉妬は女性への嫉妬ではなくて桐谷への嫉妬だった?
その直後、桐谷は侑生の前から姿を消すのですが、そこでいきなり侑生が桐谷に失恋したという表現を使っています。
それ以前の描写に恋愛的感情は全くないのに、桐谷の接近作戦によって心が動いていて、その性交がとどめだったのか?
描写が詳しくて頻繁の割に、そこんとこが親切でなくて、どれもこれも感情の動きが推測に頼ってしまうんです。
あと、侑生が実は恐れていて優等生を演じる原因になっている自分の母親の淫蕩な血。
桐谷がそれを見抜いているとか、他の男達も侑生を狙っているとか、その当然のような設定に何だか、、これがひょっとして自分の一番のこだわる負的要素かもしれないのですが・・・
多分に着実に侑生は桐谷によって変えられているはずなのですが、桐谷には変わらないように見える。
例えば家令として来た時、侑生は激しい動揺を隠せない描写ですが、桐谷には昔のままのキラキラした姿に見える。
それは、互いの互いへの想いがゆえのある種のすれ違いの描写であると思われますが、侑生が本当にそうしていたかどうかは?
丁寧すぎて、ちょっと疲れてしまいました。
ざっと大筋的には主人公達もすごく面白い性格のキャラであり、物語ではあるのですが、どうにも文章や展開の相性が悪いのか?
今回も侑生の癒しとなりながらも、体は恋人になれなかった石竜という、桐谷の幼馴染の棗という、大変に魅力的なキャラが登場します。
彼等が主人公になってしまったら、また??になってしまうのかな?
伯爵家の妾腹の子ながら長子の受け様と悪人と言われる徒党が
集まるバロックでも有名な詐欺師の攻め様との駆け引きめいた
愛憎劇的なストーリーでした。
一般的な恋や愛とは一味違う今作品の二人、甘いだけが恋愛じゃ
ないみたいな設定で読み応え抜群の厚さでしたねぇ~
出会いは詐欺師として仕事をしている最中に受け様が
詐欺行為を暴く形で出会うのです。
それがまさにこれから続く恒久的な互いへの執着的な駆け引き。
攻め様は仕事中にも係らず受け様に一目ぼれしてしまう
でもそれは受け様の美しさだけに惹かれているだけじゃなくて
受け様の深く隠れているような本質を見たような感じでした。
無自覚に本能で同じものを嗅ぎ分けたような攻め様なんです。
詐欺の失敗から余計受け様に執着めいた思いを・・・・
そして攻め様の長い、受け様を己のモノにする為の準備が始まる。
2度目の出会いは法科の研究を続けている大学で出会う事に
院生と聴講生の関係なんですが1年に渡る下調べと準備で
受け様の前に現れた攻め様、その目的は受け様自身なんです。
そして受け様は攻め様を1年前の詐欺師だと思い当たるのですが
証拠も無く、教授の信頼を受けている攻め様なので己の身を考え
誰にも詐欺師なのではないかとの疑いを言えないままで・・・
受け様もこの時点ではまだまだ可愛い感じなんですよね
受け様は自分の母親が芸鼓上がりで淫乱だと周りも本人も
思っている為に、恋愛面においてはかなり消極的というか潔癖
なんですよね、同じ血が流れている、腹違いの兄妹や家族とは
どこか異質な自分を幼い時から感じている受け様のコンプレックス
攻め様は、そこまで受け様を把握していて自分の所まで落とそうと
目論んでいるんです、詐欺行為の相方として身も心も攻め様の
モノにしようとする執着や罠はヤンデレ系だと思いますね。
そしてちょっと面白いのが攻め様の声の魔力的な設定です。
どこか少しでも弱いタイプには攻め様が命じるだけで従いたく
なる声の持ち主設定なんですよね。
声だけで相手をイカせる事が出来るんです!!恐ろしいですねぇ~
そして2度目の出会いで受け様は攻め様の罠にかかってしまう。
偽の愛の告白に身体を与えてしまう、そして攻め様以外では
快感を得られない身体になってしまうんです・・・呪いだそうです。
いや、暗示みたいなものでしょうね。
その時点で受け様は攻め様を好きになっているのですが
初心だった為に己の気持ちすら分かってないんですよ。
そして攻め様はそんな受け様をわざと捨てて行くんですよね。
その身体を持て余し攻め様を求めずにはいられないように・・・
そして受け様が熟すのを待つのですが・・・ちょっと攻め様の
予定とは違うようになってしまうんです。
受け様は確かに攻め様の事を忘れられなくなっていて・・・
好きとか愛してるなんて既に超えちゃって増悪の対象として
攻め様に執着するように、自分の手で攻め様を犯罪者として
捕まえてやろうと、こちらも会わない間に色々画策してる。
簡単に言えば好きと嫌いは紙一重的な内容です。
この二人は最後まで互いに気を抜けないような関係になります。
愛の形も色々あるんだと思える作品でした。
鬼畜眼鏡な天才詐欺師の桐谷と、プライドの高い御曹司の侑生の駆け引きです。
2段組で読み応えがあり、一気に読み終えました。
桐谷は自分の仕事を正義感の強い侑生に邪魔されたことで彼に興味を持ち、いつか仲間に引き入れようとします。
そのために侑生に近づき、あの手この手で画策するのですが、侑生もただのお坊ちゃんではないので、次第に反撃するようになります。
この二人の駆け引きと力関係が面白かったです。
攻と受の両方の心理描写があるので、二人が恋愛の深みにはまって身動きできなくなるのがよくわかりました。
本編は甘さ控えめでしたが、おまけの書き下ろしがかなり甘くて満足しました。
桐谷は侑生を落とすために最初は身体を使うので、エロも濃厚でかなり雰囲気がありました。
特に、第三者を交えた疑似3Pがエロくて萌えました。3Pではないけど精神的には3Pです(笑)
当て馬がすごく魅力的で、当て馬にしちゃうのはもったいなかったです。
和泉さんお得意の世界観とキャラ設定で、安心して読めました。面白かったです。挿絵もすごく綺麗で、特に口絵の雰囲気が好きです。
久しぶりにツボに入って感想を書きたい本だったのと、挿絵がとてもよかったのでこの評価になりました。