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僕は、きみが好きだ なのに・・・うまくできなくてごめん
コミックの原作から橘さんの本が最近気になってまして今回初めて読んでみましたぁ
ちょっと心配だったんですよね、あらすじを読んでみると再会ものだとはわかったんですがそれ以外がつかめなかったもので…(^_^;)初めての作家さんなので慎重になってました笑
結果……正解でした!!
もう雰囲気がとてもよかったです!独特な雰囲気を醸し出していてビックリしました。
まったりとふわふわと水の中にいるような膜のようなものがまとわりついてきましたね。
受けの穂積視点で進むんですが穂積視点の世界だからこんな雰囲気になったんですねぇ~
初めはこの穂積を掴むのに戸惑ったんですが読むうちに攻めとの時間で変わっていく受けがわかるように
最後には穂積の不思議な感覚?違和感がわかるんです。あっそっか…って
自分に気持ちの余裕と時間があるときにゆっくり読むと一番この本の良さがわかるのかもしれないですね♪
でも、先生が不憫だったなぁ~笑 めっちゃいい人なのにね♥
目下、ゆるやかに橘紅緒祭り継続中。
最初に名前を知ったのは『セブンデイズ』の原作だったが、
かの作品が好みではなくそのまま読まずにいたのだが、
小説を一作読んで嵌まった。
なんていうのか、ストーリーが、キャラクターが、という以前に
透明で浮遊感があってスタイリッシュな雰囲気が、好み。
好きな音楽を聴くように、読んでしまう感じ?
逆に言うと、このすかした感じが肌に合わない方には
読みにくくてどうでもいい話になるのかもしれない。
今作もタイトルの通り、雨のイメージが根底に流れていて、
それは橘作品にすごくよく合っているのだが、
そのうっとうしさやキイの低さが、焦れったくてイヤな人にはイヤだろうな。
『R134』のスピンオフ…とも言えない、ものすごく薄くリンクしている作品。
最初の方に、R134の脇役がちょいと出てくるだけなので、
あちらを読んでいなくても、全く問題なく読めるが、
読んでいると雰囲気がより重層的にはなるかも。
:
プロローグに続いて、話は大学も出て字幕翻訳家になるべく勉強中の穂積が
師匠とも言える翻訳家のお供でカリフォルニアに出かけ、
帰国するあたりから始まる。
彼が忘れていて、忘れていなければいられないほど深く意識している結。
時間は遡り、二人が同じ学園で学んでいた頃に話は戻る……
高校生と中学生だった頃、大学生の家庭教師と高校生の生徒だった頃……
主人公遊佐穂積の視点で物語は進むのだが、
当初、彼の意識や思考があちこちに飛んだり途切れたりするし、
時間軸も過去と現在を行き来するので、
上手くつかめないままもどかしさを抱えたまま、読み進めることとなった。
こういう感覚は多かれ少なかれ橘作品にはあるのだが、今回は穂積の特長でもあり
その感覚に強く支配されたたまま、話が進む。
最後に、穂積が何故そういう状態になっていたか?が明かされ
霧が晴れたようになる。
結が何をやっているか?に関しては、割に早く推測がついたけれど、
そのことと穂積の状態との関係は、
父親の記憶が関連あるとは思ったけれど結びついておらず、
え?そうだったんだ!という感じだった。
(蛇足ながら、穂積くん、と遊佐くん、両方での呼びかけにも最初??
両方名字だと思っていたので、途中まで名字が変わる経緯があるのか?と
余計な推測をしてしまった。)
結のふわふわした赤毛や「い〜よ〜?」といったゆる~い言葉遣いが
けだるい感じにニュアンスを与えていて好き。
前作『R134』と同じく高星さんのキラキラした挿絵が、よくお似合いでした。
Snowblackさま
コメントありがとうございました。
こちらにお返しさせて頂きます。
橘紅緒さん、初読みでした。
そうなのですね!
あのエンディングとか作家さまの持ち味でもあるのですねー!
レビューはちるちるさんではないところのレビューだったので、あまり詳細ではなかったのですが、混乱ぶりを書かれたレビュー拝見してすごく読んでみたくなったのです。
何も知らずに読むと本当にぐるぐるして面白かったですです。
あのプロローグは全て読んでこそ、意味が出てくる感じですね(´;ω;`)ブワッ
ほかの本も読んでみたくなりました。
最近、新作出されてないのですか?
ぜひ、新作も読んでみたいものです。
ネタバレなしで書きたいと思います。
前作の『R134』の登場人物がサラッと出てきますが、未読でもまったく問題ありません。
わたしもこちらを先に読みました。
受けの穂積は字幕翻訳家。
師匠について、カリフォルニアへ行っていました。
攻めの結は、過去に先輩後輩の間柄であったり、穂積に家庭教師をしてもらっていたり関わりのある青年。
攻め受けの説明があまり書けないのは、穂積目線で進むためです。(読まれると理由がわかります)
見事な演出で、読者も穂積の混乱を経験しているような感覚になります。
序盤が特にそれが顕著で、きっと「わからん!」と放った方もいらっしゃるのでは?
わたしも何回もページを戻ってみたり、読み返したりしながら進めました。
橘さんの作品はいちように、すべて説明せず行間を読む感じになっているのですが、それとはまた違う混乱がこの作品にはありました。
穂積にはいわゆる幼少期のトラウマ的なものがあるため、彼が混乱するたびよく場面が飛ぶからです。
それに慣れるまでは読みづらい部分もありましたが、それを払拭させる魅力がありました!
穂積と結は何度も出会いと別れを繰り返しているようなものですから「結、良くがんばったね!」と言ってやりたくなりました。(穂積は良いの、とある理由で)
あー、最後まで読んで良かったです。
万人受けはしませんが、ジリジリ感がお好きな方にはぜひ!
そして、何より結が可愛い。
かなりカッコ良いのに「ねー」とかフニャフニャした言葉遣いをするんですね。
そのたびに、ニヤニヤさせられました(笑
カッコ良くて癒し系でありながらキチンとオスでもある、なかなか素敵な攻めでしたよ。
ラストの尻切れトンボ感が拭えないので、神にしたいけど、萌×2に。
あとがきで、作家さまもここでエピローグはいりそうとおっしゃってますが。
なんでいれてくれなかったし!
と、なりました。
まあ、それはさて置き。
この本はネタバレ一切なく読んだ方が面白いと思います。
しかし、読んでるうちにこちらまで混乱しそうになって、それに耐えれないと苦しいかもしれません。
穂積の記憶が曖昧で、現在と過去の話があちこちするものだから、穂積の過去なのか夢の中の話なのかこちらまで曖昧になってきました。
もう、全部穂積の夢か妄想かと思ってしまいました。
そして、結の事なのか別人の事なのか、それも穂積が混乱すると同時にこちらも惑わされてしまいました。
それには原因があるんですけども、最後まではっきりとわからないので、大丈夫かな、大丈夫かなとビクビクしながら読みました。
穂積視点で書かれているため、この混乱に一緒に巻き込まれるのが好きそうな方にはおすすめです。
わたしもあらすじ読まずにレビュー拝見して巻き込まれたひとりです。
なので、攻めは最初、結とは思ってなくて、宇佐見だと思ってたくらいで…。
これは結視点からだと結にもなかなか辛い恋なんだろうなぁと。
それほど、穂積が好きで大切なんだろうとも思えますが。
ふたりが幸せに星空を眺められる事を祈っております。
全て読み終えて、最初のプロローグにあたる「0」のところを読むと(´;ω;`)ブワッてなってしまいました。
この手の書き方の本はあまり読んだ事がないので、たいへん楽しめました。
kumachi7さま
こんにちは。
橘紅緒さんの独特な雰囲気が好きなsnowblackです。
このあと一言と言いたいいささか中途半端なエンディングも、この作者さんの持ち味かもしれないとも思っております。
おっしゃるように確かにネタバレなしで、この雰囲気に巻き込まれて
最後に霧が晴れるような感覚を味わう読み方を、私もオススメします。
>全て読み終えて、最初のプロローグにあたる「0」のところを読むと(´;ω;`)ブワッてなって
という一文に、深く頷いてしまいました。
文章や雰囲気が好き嫌いの分かれる作者さんだと思いますが、是非未読の方は試してごらんいただきたい作家さん、そして新作を出して欲しい作家さんです。
「R134」以来の小説ですね。
よくも悪くもいつものスタイリッシュな橘さんです。
生活感のない主人公達、彼等の周囲の人々には陽がさんさんと照って時間が確かに流れて行っているのに、主人公にだけはその時間がゆっくりと流れて、まるでフィルターを通したような光と空気感が漂う。
今回は、主人公となる穂積が特に色々ワケアリの為に、それが特徴的に出ていました。
一度読んだだけだと、ちょっとかったるくなってしまうのは、全てがラストに集約されているからなので、もう一度、結末を知った上で読みかえすと、その前の主人公について合点がいくという、
自分にはそんな小説でした。
冒頭は、翻訳の師の付き合いで訪れているカリフォルニアから帰国するシーンから始まり、穂積の恋人・結との出会いの回想。
そして恋人になった時の回想、帰国後の再会の話、そしてラストのネタ明かしの話と、4部構成になっています。
穂積はよく記憶が飛びます。
まるでナルコレプシーなのか?と思うほどに寝てしまったり、起きているのに記憶が飛んだりと、この人は天然なのか?それとも何か病気なのか?
とても不思議キャラで、よくそんなで日常生活が送っていられるなーと思うほどです。
但し、結の事、結に関係することになると、熱を帯びて執着を見せる。
何がそんなに穂積を結に引き寄せるのかと言うと、それは出会いにあったのです。
雨の日に遅刻してきた結が、問い詰める教師に言われた「雨だと死んじゃうのか?」
それはラストにて明らかにされる、穂積の人格形成に及ぼした過去の総てを凝縮するキーワードの言葉だったからです。
穂積が卒業後、母親の仕事のボスの息子の家庭教師を頼まれて出向いたホテルで再会したのが結。
そこで、二人は恋人になるのです。
穂積の結への執着と嫉妬、結の怪我、穂積の意識喪失を含め、全てがラストで明らかになります。
結はしょっちゅう怪我をしているようですが、それも秘密のヒントでした。
トラウマと執着がキーワードの本作。
ほんとうにいつも思うのですが、雰囲気系の作品であるがゆえに、それが謎を含んでいるとじれったいことこのうえない。
最近は、リヲという名義でマンガ原作をされていますが、この小説も雰囲気系マンガのほうが伝わるんじゃないかな?
そんな印象を受けた一冊でした。
橘さんの作品は読み終わってみれば好きなのですが
もうとにかく「長かったーー」と(笑)
ラストにならないとすべては解らない。
たどり着くまでが本当に試練のよう。
もう少し明るい話かと思っていました。
「R134」にも出てくるキャラクターに少し期待したけど
本当にチョイ役。そのうち読めるのでしょうか?
大好きな高星さんのイラストじゃなかったら読めなかったかもと思うくらい
イラストに救われました。本当にすばらしくキレイです!
やっと読み終わったって言うのが正直な感想かなぁ~
あらすじがなかったら前半で挫折しちゃうところです。
ラスト方面になって初めて全てが繋がってくるような
展開のストーリーなんですがそこまではう~んって
思いながら読まなくてならないんですよね。
このお話の受け様は簡単に言ったら心の病ですね。
それも単純なものではないくらい重いです。
自分の心を守るための精神的防衛本能の結果、記憶が無くなったり
思い出せなくなるんですよね。
予備知識無しで読むとこの受け様大丈夫?みたいな状態です。
まぁ、予備知識があると後半の内容が半減しちゃう恐れなんかも
あるかもしれないですが・・・
夢と現実の境が曖昧な状態になる受け様。
そして誰にも関心が無くて興味を持てるものが限られる中で
受け様が初めて関心を思えたのが攻め様、それも赤い紅茶色の髪
そして雨が嫌いだと言う攻め様に酷く心を動かされる。
その理由もラストで繋がります。
この作品は1度読んで終わりじゃない感じの本ですね。
悶々しながら忍耐と共に読んでラストで、ああっ~て感じる。
そして再度初めから読んで見ると受け様の心の動きや
攻め様の態度なんかもすんなりわかるような感じだと思います。
この作品はじっくり構えて読み込んで欲しい1冊ですね。
私は根性なしなので中立評価ですが、深い味わいを求める方には
まさに神的な作品ではないかと思います。