牡丹燈篭
tokuyou kidan
椹野先生のデビュー作にして現在まで続く「奇談」シリーズ(講談社X文庫ホワイトハート刊)の番外編同人誌3編をまとめた総集編です。
「西瓜奇談~奇談シリーズ番外編 その1~」
1997年12月25日発行。『八咫烏奇談』の後日談。
熊野の仕事で怪我を負った琴平敏生。天本森たち一行は白浜に宿をとり、夏休みかたがた敏生を静養させることにしました。けれどやんちゃで好奇心旺盛な敏生は「海が見たい」と駄々をこねはじめ……。
「Blimey!~奇談シリーズ番外編 その2~」
1998年5月3日発行。『倫敦奇談』の後日談。
10月のロンドンでの仕事を終えた敏生たち。友人の監察医・龍村泰彦もロンドンを訪れ、天本と龍村は連れだってロンドンの監察医の講演会を聴きに行くことに。二人がいない間、敏生と小一郎だけでロンドンを観光するのですが…。
大英博物館とナショナルギャラリー、実在する場所が舞台のお話です。
「君を見つめている~奇談シリーズ番外編 その3~」
1998年8月15日発行。
3月11日は敏生のお誕生日。誕生日祝いも兼ねて敏生と天本はお出かけします。映画・買い物・外食とお決まりのデートコースですが、敏生は大喜び。天本は無邪気な敏生の笑顔に心が温かくなります。
3編とも発行年月が古く、シリーズ初期のお話。天本さんと敏生がまだ交際する前の物語となっています。お互いを意識するか、しないか曖昧なところ。敏生は恋愛感情らしきものはありませんね。天本さんは敏生のちょっとした動作にドキマキして、慌てて自分の感情を否定するといった様子で可愛いらしいです。
初期の二人ってこんな感じだったんだと昔が懐かしくなる同人誌でした。
おまけ短編「こいちの一日」
おまけ短編その2「ちーさまの一日」
天本森の式・小一郎と組織のエージェント・早川知足視点の一日のお話。特に早川さんの一人称は珍しいのではないでしょうか。
他、漫画「こいともやと能賀朔浬の4コマ劇場」「頑張れお子様‘s」も収録しています。