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あらすじだけだと娼館で凌辱される哀れな
受け様を想像してしまったのですが
この娼館は一味違った趣のある娼館でした。
前半を読んでるとこの娼館にいる人形は全て
何処からか拉致されて来て記憶を消されて
快楽にだけ反応する人形として働かされていると
勘違いしてしまいます。
だって、娼館に来るまでの記憶が無く特殊な
タブレットに反応するように作り変えられるって
かなり怖い設定ですよね?
でも、この娼館は人形に選ぶ権利も断る権利もある
変わった娼館で、身請けされる時もプロポーズ
なんですよね。ただし身請け金は必要です。
受けるのも断るのも人形しだいなんです。
そこで、今回の主役の人形の受け様は・・・
そんな好条件の中で一人だけお客を断れない子。
記憶を消される前の影響の為か快楽に嫌悪が・・・
そして、何故か当たるお客が被虐趣味だらけ。
お前は苛められ痛めつけられることに快感を
なんて暗示のごとく言われて毎回傷だらけです。
そんな受け様が密かに気になるお客様が攻め様。
周りからは人形殺しと噂される眼つきの鋭い男。
その攻め様にはこの娼館での悲しい思いがあるのです。
受け様は攻め様に助けられS好みの客からの
誘いを断って攻め様だけを相手にする事に。
でもそれを快く思わない人物たちの企みで
なんども窮地に陥るのですが・・・・
攻め様が過去の愛した人形の事件も絡み、
受け様は意に添わな相手からの求愛を受ける。
それを、阻止しようと攻め様だけでなく
娼館にいる人たちまで受け様を守ろうとします。
後半で分かるのですがこの娼館は人形の幸せの為に
存在する館のようなのです。
明らかにはされていませんが秘められた悲しい秘話が
あるような流れがありました。
読み終わるとそのことも気になりましたね。
もちろん娼館が舞台ですからエロ三昧ですよ。
さすが、blackエロです(笑)
『人形館』や『人形』の設定そのものが、単に(BLACKレーベルだから)H増量にするためのこじつけだとしても、それなら『人形の幸せ』なんてキレイごとは余計に感じました。いや、『幸せ』を考えるのがダメなんじゃなくて、そもそも大元の設定と矛盾してると思ったんです。
『人形の幸せ』と言うなら、そもそもこの『人形館』の形自体が違うんじゃないでしょうか。なぜ『娼館』にする必要があるのかからして不明です。『人形の意思を尊重して』って、選ぶ自由がある程度で、客の相手をするのには変わりませんし。
それに、これって身請け(?)されて人形館を出ても、相手が決まった1人になるだけで、結局『人形』のままなんじゃないのかな?少なくとも『人間』になるとは思えなかったんですよ。
最初の頃の逸夢の苦境にしろ、複数・鬼畜プレイ描写を入れるためのご都合主義にしか見えませんでした。あれを見逃すような程度の館の管理って、いったいなんなのかと。
それならそれで、もういっそ『H特化』にすればいいのに(私の好みではありませんが)、と思ってしまいました。
こういう、根本的な設定に疑問を感じてしまう作品は、どうやっても楽しめませんね。響さん、それなりにいい独自のカラー持ってるのに、それが台無しでもったいないと思いました。