茶鬼
angel ring
このシリーズ大好き!!
特に、この本は作者さんもコメントされていますが、色々な可能性や要素を含んでいて、
もちろん、理玖の成長や、彼が本当のファミリーの一員となっていく姿もありますが、色々な将来を予想させて、本当に商業作品の”天使”と”悪魔”の意味が奥深く表現・示唆されているようで、ただの番外編になっていないところがすごいです。
理玖がイタリア語の習得に苦手意識をもって委縮してしまう話、、、何となく昔の自分を思いだして、思わず理玖ガンバレ!って思っちゃいます。
そこに見えるクラウディオのそこはかとない、フェランドへの嫉妬がクスリとさせますよね。
そして、クラウディオのお誕生日祝いパーティーにちなんだお話が続きます。
まず、理玖のボディガード兼友人のテオの困惑には、ちょっとでも理玖によこしまな想いを抱いてしまったら、これはドンの怒りをかって殺されかねませんからね、、、
心にとどめて忠誠に変えるしかないとwwテオ、可哀相だ(笑)
そして、ロベルトの夢・・・理玖が20歳になってその天使の顔のまま、クラウディオを守るために武器を持つという深刻なもの。
夢でよかったのですが・・・
実は、これはこの後のパーティー会場のお話で、暗示するような展開があるのです!
パーティー会場でやはり登場してしまったクラウディオ暗殺の刺客。
理玖は目の前でその犯人を殺害するクラウディオを見てしまった。
それは理玖を狙ったものではなくて、クラウディオを狙ったと知った時。
ロベルトの夢はひょっとしたらあり得ない事でもないと思うのです。
理玖の天然の影に隠れた、マフィアのファミリーになるということ、そしてそのドンの恋人であるからこそ、お互いを守りたいと思う気持ちから来るそうした暗黒の部分、
理玖とクラウディオの甘いシーンは、それを忘れさせるかのように、命があってこその喜びを示すように、それはあるのだと、深刻な部分が潜んでいるのが秀逸だとおもわざるを得ませんね。
ただのアマアマでない!
ラスト、「僕の悪魔」で亡くなってしまった無口で屈強だった男のはずのマウロの在りし日のお話が、隣に越してきた少年との触れ合いの中で語られます。
もう!!!涙を誘われます。
少年も切ないよーーー。
マウロの生き方も切ないよーーー。
秘密の交友が何とも心温まるお話だったのに・・・彼は死んでしまうということはあらかじめ知ってはいるのですが、それだけにすごく切なかった。
でもね、敵であれ味方であれ、生活のある人間である以上、そうした日常ドラマはマウロだけに限らず、誰だってもっているのですよね。
初夏に出た「天使のキス」も同時掲載にしてかなり厚みのある冊子となっているので、満足度も高い本となっています。
このシリーズお好きな方は是非に!とススメたい。
大好きなこのシリーズ。再販を掛けて下さったおかげでやっと読むことが叶いました。
好き過ぎて本編のレビューもまだ書けずにいる始末なのですが・・・
印象としては『僕の悪魔』で亡くなってしまったマウロの生前のお話がメインのような
感じがしました。マウロが本当に良い人過ぎて・・・切ないわ~
成瀬先生がここまでマウロを愛していたことにもちょっと驚きですが。
本編ではそこまで食い込んだ人物ではなかったと思うので。
内容ですがこちらの6編から構成されております。
『天使のキス』・・・イタリア語の勉強でストレスたまり放題の里玖をクラウディオがやさしく包みこむお話。
『テオの困惑』・・・自分より年下だと思っていた里玖が実は年上だと知り、ちょっぴり意識してしまったテオのお話。
『ロベルトの夢』・・・飛行機で居眠りしていたロベルトの夢の中のお話。20歳になった里玖が
銃を平気で使ったりしてます。天使である里玖がずっと純粋でいられるように願うお話。
『里玖のプレゼント』・・・クラウディオへのプレゼントを何しようかテオとフェランドに相談する里玖のお話。
『パーティー』・・・ドンパチもありつつ、その後にクラウディオに散々可愛がられる里玖のお話。
『マウロ』・・・マウロとマウロの隣の部屋に住んでいるリノとそ家族のお話。
『僕の悪魔』、『憂える天使』の番外編同人誌。
本編は、シチリアマフィアのドンであるクラウディオと、日本人で売られてイタリアへ来た里玖のお話です。
その後を書かれた作品となっております。
どうやら再販で幾つかの同人誌をまとめたもののようです。
『天使のキス』
里玖がイタリア語を必死に勉強しているお話。
元来、真面目な里玖なので、皆の会話を聞き取ろうと必死になっています。
イタリア語を意識する前は皆の行動や目線で物事を判断していたものが、言葉を意識した途端そちらに気が行ってしまいまったくわからなくなってしまったわけです。
無理してイタリア語を勉強しなくて良いというクラウディオの優しさに安堵しながらも、それでもイタリア語でクラウディオに愛を囁きたいと思う里玖。
うーん、相変わらず健気なです。
『テオの困惑』
クラウディオの相談役であるアンドレアの息子、テオ視点。
クラウディオ(28歳)の誕生日プレゼントを選びにフィレンツェへ出かけた里玖の護衛の一人として同行するお話。
『ロベルトの夢』
『里玖のプレゼント』
『パーティー』
こちらはクラウディオの誕生日パーティーのお話。
ファミリーの面々が集まり、たくさんの招待客もいる中で起きる、クラウディオの昔の女の騒ぎと暗殺者の来襲。
里玖とキアラ(クラウディオの妹)を守るために、里玖の目の前でその喉をかき切り始末をつけたクラウディオ。
そんな何もかも超越したようなクラウディオが恐れるのは、自分の汚れた手を里玖が恐れることで…
誕生日&仲直り(喧嘩じゃないけれど)えっちはなかなかに濃い目です。
『里玖のプレゼント』でテオらに教わった言葉でクラウディオを煽ってしまい、軽い後悔をする里玖が可愛い(苦笑
『マウロ』
マウロは『僕の悪魔』で命を落とした、クラウディオの部下。
成瀬さんもあとがきに書かれていますが、『僕の悪魔』でマウロの存在はとても大きく、命を落としたことに少なからずショックでした。
彼はマフィアであり、自分が今までしてきたことがどんなに非道かもわかっています。
人々が自分を恐れ遠巻きにしていることも。
そんなマウロと隣に住む少年との触れ合いのお話でした。
先にレビューされているふゆきさま同様、わたしも某ショップで購入致しましたが、やはり後からハマるとお財布が痛みますね。
成瀬さんの他の同人誌は電子で出ている物もありますので、それはそちらで購入致します。
ココナッツ様
時間差でレビューって珍しいかも?!(^^ゞ
そうなんですよね。お財布が~(>_<)
「若と馬鹿犬」の同人誌にも手を出してしまいましたー!
気に入った作家さんが増えると際限なくなってきます。
ちょっと自重しないと^^;
ふゆき
「僕の悪魔」「憂える天使」番外編。本編がとても良かったので、某通販でちょっとお高めだったのですが購入。正規の値段を知らないけどたぶん高い…
里玖、テオ、ロベルトを中心に日常のひとこまのSS。
相変わらず里玖はファミリーみんなにとって天使。その存在がみんなを癒している、その雰囲気がイイです。
あまりにもイタリア語が覚えられないヘタレくんでも幼くても里玖は里玖としていることで良いのです。癒されます。ほんと。
里玖タイプ苦手なのになー^^; 不思議。
抗争で亡くなってしまったマウロのエピは、切ない。泣きました。
マフィアだから仕方ない。そうかもしれない。でも、リノには辛いお別れでしたね。
リノがしっかりした大人に成長をしてくれることを祈るばかりです。
ふゆきさま
コメントありがとうございます、ふゆきさま(*^^*)
レビュー上げる際にふゆきさまがレビューされていたので、その時最後の一文を付け足しました。
怖いですよねー、ハマると同人誌読みたくなりますし。
そして新しい物でないと中古で探さないといけなくて、お財布がー。
「天使のキス」
始まりはフェランド視点。クラウディオに里玖のイタリア語学習の様子を問われたフェランドが、煮詰まっている里玖の息抜きを提案したことで、クラウディオと里玖はマンマ、フェランドと共にガゼッラ家いきつけの農園にオリーブオイルを買いに行く話。どこまでも里玖に優しいクラウディオ。
「テオの困惑」
テオ視点。クラウディオの誕生日パーティー準備のためにフィレンツェ滞在中の里玖が、フェランド、テオと共にBDプレゼントを買いに行く話。ドンは28歳だという話のついでに、里玖が自分より年上の18歳だと知って焦るテオが可笑しい。
「ロベルトの夢」
ロベルト視点。里玖たちと合流するためフィレンツェに向かう飛行機内で、ロベルトが悪夢をみる話。クラウディオの誕生日パーティー当日、ロベルトは、目の前で20歳の里玖がロベルトの持参したクラウディオへのプレゼントであるサブマシンガンを組み立てて殺戮者を銃殺する姿を見るも、それは夢だった。悪夢をみたロベルトは「里玖にとってクラウディオに対する愛は全てを正当化する免罪符であり、地獄へと引きずり下ろす呪縛だ」との思いをもつ。
「里玖のプレゼント」
里玖視点。誕生日プレゼントに海のように青い色のネクタイを買った里玖だが、結局はクラウディオの稼いだ金で購入していることに納得いかず、最適なプレゼントをフェランドに相談する話。フェランドのアドバイスは、誕生日の夜にベッドの中で「僕を好きにして」と言うだけでOKというもので、里玖はその通りに試そうと決心する。
「パーティー」
クラウディオの誕生日パーティー当日の話。フィオレンティーナと共に帰国してきたキアラが、フェランドと初めて顔を合わせる。招待されていない女がクラウディオを口説きにやってきたため、キアラ、フェランド、テオは里玖を台所に連れて行くが(里玖は自分がクラウディオにふさわしくないことを再認識して落ち込む)そこにはクラウディオの命を狙う道化師2人が隠れており、3人は里玖を守ろうと奮闘する。キアラが銃撃しようとした時にクラウディオが現れてナイフで殺害し、いつもと違う殺人者クラウディオの顔を見た里玖は動揺する。クラウディオへの脅えより愛情の方が勝る里玖は、自身の気持ちを示すために血に汚れたクラウディオの掌を大切に洗う。そのままパーティーに戻らない2人。「今日は僕を好きにして」と告げた里玖は、夜明けまで甘い地獄を彷徨うことになる。この時のクラウディオは『いや』と『もっと』の意味を取り違えたまま。
「マウロ」
リノ視点。マウロが住むアパルタメントの隣室に引っ越してきた12歳の少年リノとマウロとの心温まる友情物語。重いトランクを運んでくれたり、赤ん坊のルチオが泣き止まなかった時に面倒を見てくれたりと、さりげなく親切にしてくれるマウロのことが気になっているリノだが、母親にマフィアだから関わるなと釘を刺されているせいで近づくことができない。でも、借金取りに絡まれているところを助けてもらい、サボテンの実をもって御礼を言いにマウロの部屋を訪れた日以降、2人は秘密の友達になる。でも、窒息死しかけたルチオを助けてもらった時にマウロと一緒にいるのをマンマに見つかり、マウロの善行は誤解されたままリノは叱られる。マウロが好きなリノは、自分の気持ちをマウロに伝えて、その後も2人は隠れて友達つき合いを続ける。ある朝、出勤前のマウロと出会ったリノは今夜の約束をするが、約束が守られることはなく、リノはマンマが帰宅した時にテレビのニュースでマウロの死を知る。
この番外編が一番好き。寡黙で怖そうな外見に反して親切で優しいマウロの姿が堪能できる。この話を読んだことによって、本編でのマウロが凄く好きになったし、あっけない最期の様子に命のはかなさを思い知らされて悲しくなった。