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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
シリーズ最終巻。
長きにわたるドタバタ劇もようやく終了です。
最終巻だというのに、いつものラブラブいちゃこらバカップルなノリはどこへやら。
いちゃこらどころか、受はお里に戻って離ればなれです。
ラストに向かう展開も意外な感じで、ここまでマンネリ化してたカップルを引き離したのは、逆に新鮮で良かった。
だからラストの再会のシーンにはじわっときました。
そして漸く読めた亀戸と初雪の馴れ初め編。
こっちはしっとり大人なムードで、青春時代の過ちがテーマでしょうか。
初雪の過去がせつないです……。
受の不幸は蜜の味なので、このくらい不幸満載にしてくれてると、今の幸福っぷりが余計にでも感慨深くて(ほろり)
個人的には鴉の泥沼四角関係とかも読んでみたかったので、番外編でも出してくれないかな。
縁あって手許に何故かシリーズ最終巻が
いきなり来た訳ですが…これは判断に迷う。
多分カバー裏の粗筋にふっと惹かれて
初めて買われた人も同じ様に戸惑うかしらと。
本文で展開されているのはひとかどの
時代小説の世界でございますから。
下手すれば合間合間の甘やかさが重い空気に
塗りつぶされてしまいそうな、そう言う感じさえ
ございます。
ただ、改めて時代小説であると向き直って読み直すと
これがひと味変わって良い読後感になる。
配役に無駄が無いのですね。何処かで必ず皆伏線が
回収されている。
その中で一つ色を添えているのが恋の道行きなのでしょう。
シリーズも7作目でいよいよ完結篇になってしまいましたねぇ~
紅塵と豆ちゃんは未だに新婚ラブラブ蜜月状態な二人なんですが完結篇の今作は
そんな二人が何やら最大の危機に巻き込まれてしまうストーリーなんです。
紅塵は次期公主問題に豆を脅迫材料にされ危険な仕事を請け負う事になるのです。
豆を誰よりも愛しているからの苦渋の選択なのですが、そんな時に豆の故郷でも
不作の為に村が大変な事になっていると言う噂を聞き、医者の尚庵と半人前ながら
薬師として貧しい村に行くことになるのです。
いつもなら過保護な位に心配して豆を自分の手から離す事がない紅塵なのですが
今回はとても危険だと、豆も大人になったからと村への帰郷を許すのです。
豆の村は噂以上の酷い状態で、その上年貢が更に上がるという事で村全体が殺伐と
していて、半人前ながら薬師である豆をこのまま村にとどめる為に村人たちは
村娘と豆を結婚させて村に残るように策略を巡らすのですが、それは紅塵の文を
豆に届けに来た紅塵の部下により未然に防ぐことが出来たのですが
紅塵の文を読んだ豆はそっけない文に何故か不安を覚えるのです。
そして医者の尚庵に後押しされるように1度町に帰るのですがそこで紅塵の危機に
遭遇してしまい、豆も一緒に巻き込まれることになるのです。
今回は豆が子供から本当の意味で大人になって成長している事が実感出来る内容に
なっていました、そして二人の関係もただ甘々だけで終わらない深い絆が結ばれる
素敵なラストで締めくくられている感じがしましたね。
書下ろし部分は娼館幻月楼主の亀戸と初雪のなれそめ編です。
本編で亀戸の知られざる素性がちらっと出てくるのですがその事が読んでると
思い出されるくらいに初雪にたいする執着がかなり壮絶で昼行燈の亀戸の過去が
やっと明かされたようなストーリーです。
かなり深い作品でじ~んときちゃうお話でした。
最終回にふさわしい内容でとても良かったです。