条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
okusama wa kifujin
あらすじ「貴腐人の個人レッスンが始まる!」――始まりません。
製薬会社のMRとして働く白川ゆり(33歳)はBLを愛する貴腐人。
半年前から声優の百合野曜(26歳)と事実婚しています。
曜はイマイチ売れない声優で司会業やナレーションをして、細々と仕事をしています。一方のゆりはバリバリのキャリアウーマン。自分より収入がよく、かつ年上のゆりに劣等感を抱く曜は自分に自信が持てずにいました。そんなある日、昔ヒットしたゲームのリメイク版の主役に曜が抜擢されます。内容も知らないまま、仕事を引き受けた曜ですが…。実はそのゲームは十八禁BLノベルゲームでした!
ヘタレ旦那と男前奥様のラブコメディです。ただ、夫婦のラブはあまりなく、お互いのお仕事がメインのお話でした。
旦那様の曜はBLゲームの声優。妻が貴腐人なのでBLについての知識はありますが、自分が嗜んだことがないので、戸惑いまくりです。それでもBLだからと引いたりせず、ゆりのBLコレクションを聴いて勉強したり研究する描写に好感が持てました。
一方、奥様のゆりはMR(医薬情報担当者)。リアルなお仕事描写でした。
突拍子のない展開はなく、地に足ついた物語。作中作のBLゲームの設定も作りこんであって、作者の方は丁寧にこの小説を書いたなという感想です。
と、ここまでの展開は普通の腐女子小説。中盤から奥様と旦那様に恋の当て馬が登場します。
曜にはBL声優の先輩・赤井。BLゲームの共演者です。ゲームの収録は別録りなので、赤井が収録現場に来る必要はないのに何故かよくやって来ます。そして意味深なことを言う…。どうやら赤井はバイで、曜のことを狙っているらしい…?
ゆりの相手は取引先の病院の医者。ゆりの仕事を高評価して、アプローチをかけてきます。食事までセッティングされ、ゆりは大ピンチに?
揺るぐことはないと思っていた夫婦の絆。しかし事実婚という現状では、いつか関係が崩れるのではないかと思い悩みます。
曜とゆり、二人はそれぞれの胸の内である決断を下します。
コメディとしてもお仕事小説(声優の仕事よりMRの仕事の方が興味深かったです)としても、楽しませてくれる本でした。
残念なのは、物語が中途半端なところで終わっていることです。おそらく2巻目の出版を念頭にしてこのようなラストシーンにしたのでしょうが、1冊の本単体としては反則だし消化不良でした。
この本が出版されてから一年が経過して2巻目が出ていないということは、続巻が出版される可能性は皆無。打ち切り、悲しいです。