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daikokusama no kareinaru jikenbo
新幹線開通と東京オリンピックの前の年、昭和38年を舞台にした作品ということで、おっ、なかなかに面白い時代設定だな~なんてww
丁度戦後復興から高度成長期に差し掛かる真っただなかで、古いものと新しいものが混在する、この時代設定は果たしていかされていたか?
物質的なものというよりは、主人公達のその境遇(特に主人公の)に反映されていたようですね。
それが主人公の性格をとても一本芯の通ったものにしていて、ブレがなかったように思います。
主人公・英彦は華族の家柄ながら軍人だった父を戦争でなくして没落した家の母と妹を守る家長として、かなりシッカリ者のようです。
ただどうにも男に好かれる外見らしくそれでトラブルに巻き込まれて終息しても長続きしない。
彼は全くのノンケなんですよ。
妹の縁談を断りに行った先で巻き込まれたトラブルから、成り行きでそこの三男・凛の住み込み下男となることに。
年齢・氏名を偽って、妹の縁談先の大黒家の息子達の様子を監視しようとしていたのに、英彦が仕えることになった凛は、女好き(フェミニストとも言う)だけど、それを除けばとても良い人で。
大黒家の主人が息子達に与える跡継ぎを決める為に与える”試練”とやらに関わるうちに凛の事が好きになってしまい・・・
この凛という人、基本女性には優しいフェミニストです。
別名女たらしともいうけど、金持ちのボンボンだけなのかと思えば、そのフェミニストを生かした仕事を自分で行っていて、家柄にあぐらはかいてない人みたい。
彼には、男に触れるとじんましんが出るという弱点があるのですが、それはどうしてなのかな?
それが英彦だけは大丈夫だったんで、英彦に触れるかどうか試そうとするんです。
それが、凛が父親から試練を与えられ英彦と共に遂行している時、事故にみまわるという、まさにつり橋効果のあと!
本当、つり橋効果とはよく言ったもので、その危険のさなかに英彦は凛が好きって気がつくんですよw
でも凛の気持ちがわからなくて、嫉妬をしてみたりとか
ちょっと面白いのは後半の試練というのやらは、探偵推理小説風の謎解きになってます。
凛はあれだけ女好きだったのに、英彦に鞍替えしましたv
きっと英彦の見た目もいけるのと、触っても大丈夫なのと、何より賢いところなんでしょうね、気に入ったのって・・・って凛より二歳も年上だしww(英彦は19歳と偽っている)
お話的に色んな要素がコンパクトに、満足する程度には品ぞろえされていて、すごく楽しめます。
ただ、萌えと言う部分でいうとどうかな~?
英彦は真面目すぎて、でもそこがいいんだけど、凛はつかみどころがなくて、、、
ただ、この話父親が与える試練のうち、まだ3つしかクリアしてないんですよ!
凛の出生の秘密も明らかにされてないし、英彦の正体もまだバレてないし、英彦の妹は英彦の幼馴染とどうやら恋人みたいだし、、まだまだこれで完結ではない雰囲気。
作者さん後書きによると、本当は2冊で1本だったというのに、何故か2冊目はpixivで発表しますって!?
何でーー!?って思うんですが。
これ、話しとしてはとっても面白かったのに!!
是非、本にしていただくことを希望したいです。
一人称の小説が苦手な私でも楽しめた。読みづらいところもありますが、話は面白いです。ただ、残念なのは、収録されているのは前半部分らしいんですよね。未回収の伏線とかあるので続きも出して欲しいなあと。