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セクシー王子×健気青年の超エッチラブ!!
久々に六堂さんの作品を読みました。
この作家さんの作品はエロ濃い目というイメージですが、久々に読んだ本作もそのイメージは崩れることなく、でした。
相変わらずで、ご馳走様です!
とある国の王子様と庶民の恋物語ということで、身分差なんかが好きな方にはおすすめです。
と言っても、舞台が日本で超セレブが通う大学が舞台なのでゴテゴテした様式美的な身分差はありませんでした。
その代わりラーシュの品の良さや、親がお金持ちで自分まで金持ちと勘違いしている同級生たちのどうしようもない行動などが引き合いに出され、比較されていた。
物凄くサクサク読めます。
大変読みやすく、話も分りやすいうえに程よく面白かったです。
ラーシュの品は良いが強引な所、流石王子様!と思わせられる話を聞いたうえで自分の良いようにことを運ぶ強かさ。
美治のいじらしい所や、ラーシュの強引さに振り回され「もう!」と怒るのに甘えられると許してしまう、好きだからこその懐の広さなど。
こういうキャラ好きだなーと思わせられる部分は多々ありました。
しかし読後に何か残る、という作品ではなかった。
ただ、特筆すべきことは先にも書きましたがイタすシーンがエロくて、美治が「あんあん」喘いでいたことと、ラーシュが気品溢れるイメージなのに、かなりエロイ人だったこと。
そして挿入がいとも簡単につるんっと入ってしまう、BLファンタジー溢れていたことでしょうか。
そして、これは最大のネタバレになってしまうのですが、ラーシュが話の途中から元王子様という立場になります。
何故、彼が『元』王子になってしまったのか?というのは国で無血クーデターが起こったからなのです。
で、この首謀者こそが・・・・・・・。
ラーシュの一念岩をも通す。
否、ラーシュの恋心岩をも通すか。
ぶっ飛んだ理由で、しかし、そのぶっ飛んだ理由だけでは無くもっともらしい理由もありつつ、はたしてどちらが本音か?という部分に少し呆れるやら、流石BL!と思わせられるやらでした。
選び抜かれた子息や令嬢が集う名門大学に特待生で通う美治。
元々美治は、田舎で祖父母と二人暮らしで生活をしており、決して余裕のある生活ではなかった。
そんな美治が、名門大学に通っているのは、すべて特待生制度のためであった。学費・寮費免除の上に、研修費としてお小遣いまで支給してくれるような学校は他にはなかったのだ。
そのため、自分たちの特権階級を鼻にかけているようなクラスメイトたちのいやみにも負けずに、学校に通い続けていた。
そんな美治が、心を許せる人間が一人だけいた。
それは寮で同室であるラーシュ。
実はラーシュは、ある東欧の国の王子様!
けれど、そんなこと関係ないかのように、美治に接してくれ、優しくしてくれる。
ところが、ラーシュの国でクーデターが勃発し、ラーシュは王子の座から追われてしまう。
心配する美治をよそに、「これからは自由に好きなことができる!」と大喜び。
そしてあろうことか、美治に愛を告げ、押し倒してきた……
という話でした。
最初、美治の生い立ちから始まって、ラーシュとの友情まで辿り着いたところまでは、まぁまぁ、ちょっと重みのあるしっとりとした話なのかなー……と思っていたのですが。
クーデターが起きて、ラーシュが自由に発言できるようになると、一転。
ただの美治が好きで好きでたまらない男が、美治を押し倒してあんあん言わせて、美治も断りたいのに、結局のところラーシュのことを悪く思ってないから断れないただのラブラブいちゃいちゃ話へと変貌を遂げました……。
後はもう、本当に一事が万事その調子で。
ラーシュはどこでも盛るし、美治はそれを拒めないし……で、「あーあ」という感じ。
ラブラブいちゃいちゃ! っていう話が好きな方にはオススメしますが、もう少し紆余曲折があった方が面白い……というような人には、オススメしません。