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yuuwaku no kajitsu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
前半を読んだ感想は、よくありそうなお話だなぁという感じでした。
妾の子だからと家で冷遇されている主人公・千尋は、連れられていったパーティで取引先の副社長・ウォルターに見初められ、口説かれてお付き合いを始める…というもの。
千尋の家族からの扱いが酷いのですが、それがいかにもお話っぽくて、ちょっと作品に入り込めない気がしました。そもそも他の人の目があるところで「妾の子のくせに」とかなじるだろうか…そういうのって普通人の見てない所でやるもんじゃ…。
近寄ってきたウォルターもあまりに都合よい気がしました。男同士という所もすっ飛ばして、好きになったからと学校まで迎えに来てプレゼントをくれてキスをして…ちょっと普通の視線でみたら怪しい人なんじゃないかという印象が拭えなかった。
後半はウォルターと千尋の姉が婚約すると知って、遊びだったんだとショックを受ける千尋に、ウォルターと千尋の関係に気づいた兄が、千尋に男好きなら身体を売って家族に還元しろと迫るという展開。ショックな展開が続きますが、やっぱり家族の千尋に対する当たりがテンプレートすぎてチープな感じがしてしまい、どうしても共感できませんでした。
千尋のピンチに部屋に唐突に現れたウォルターも本当に唐突というか…。
厳しく書きましたが、でもこの不遇から救われるベタベタなラストの展開は嫌いではありません。何故だろうか…ベタ過ぎると思ってはいるのに。
こういうベタ甘で、先が読めていてもでもそこが好き、という方にはオススメできるBLらしい作品だと思います。
唯一本当に残念だと思うのはウォルターというキャラクターが綺麗なテンプレートのような人間で、全く面白みがないこと。欠点のない作られた台詞ばかり喋っている印象でした。「無条件に千尋を救う」この状態に一切の現実味がなくちょっと納得いきませんでした。
と思うくらいベタなシンデレラストーリーでした。単に『恵まれない子がお金持ちに見染められて~』という意味ではなく、ホントにシンデレラのように家で苛められているという。
作中で千尋(受)に対して繰り返し使われるフレーズは『白雪姫』なんですが、これは『シンデレラ』でしょう、やっぱり。
弓月さんと言えばベタな王道。そのつもりで読んでますから、そこに突っ込む気はないです。さあ、今度の健気受のトラウマは?病弱・虚弱の内容は?と開き直って楽しみましたよ。←ホントに『病気・発作』ネタが多いんですよね。これにもしっかり入ってるし。
なんというか、まさに『ここまでやらなくても』と思うくらいベタベタです。
千尋を襲う不幸、と言ってもほぼすべてが家族からの攻撃なんですが。いや、ホントにここまで曇りのない悪役って逆にそうないんじゃないかとさえ感じましたよ。『妾の子で本妻の娘より美しい』と最初に提示された以上の裏も事情もなく、ひたすら千尋を苛めて虐げるのみ。この家族は、作中ただそれだけのための存在なんですね。
しかし、いくらフィクションとはいえ、これほど陰湿で異常な感情を見せつけられるのは非常に気分が悪いですが、『弓月さんのベタだから!絶対救われるハズだから!』と心の中で呪文のように唱えながら読みました。
こういう精神的な攻撃の応酬が苦手な方にはツライでしょうね。私も好きではないですが、まだ『攻からのさまざまな暴力(裏に屈折した愛情があろうとも!)』よりはまだマシなんです。攻という逃げ道がありますし。
千尋が酷い目に合う分、ウォルター(攻)がまさに王子さまです。お金持ちで格好がよくて優しく寛大で、と欠点がないんですね。私のような穢れた読み手には、完璧すぎてなんとも胡散臭かったです。すみません。
ただ、弓月さんの作品では、メインCPのラブが成就すると、他があっさりスルーされがちなことが多い気がするんです。
この作品の場合なら千尋の家族。ここまでひどい境遇を強調するんなら、それに見合うカタルシスを期待してしまうんですよ。もっとハッキリした報復というか痛い目見せて欲しかった。そこがどうもスッキリしません。
ラブはこの上なく綺麗なおとぎ話として終わってましたが『ちょ・・・、家族はこのまま?それでいいのか!?』と、たとえ千尋がよくても私が見過ごせなかったよ。
トータルでは、結構面白かったです。もう読む前から着地点がわかる『予定調和』の極みで、何も考えずにベタに浸りたいときには最適です。これで悪役に対する報復がきちんとあったら言うことなかったのに。
ただ、弓月さんのカラーがかなり出ていますから、それが合わない方には向かないでしょうね。
千尋は、幼い頃、妾だった母に捨てられ実父の桐江家に引き取られて生活していた。
けれど、実際はぼろぼろの離れで生活され、本妻からは蔑まれ、心無い言葉を投げつけられ、虐げられ生活をする日々。
そんなある日、千尋は父の命により、仕方なく桐江家主催のパーティーに出席した。
そこでも、他人の好奇の目にさらされ、陰に隠れるようにしていた千尋だったが、千尋の整った見た目を日ごろからやっかんでいた姉のさやかに、つまらぬいさかいから、階段から突き飛ばされてしまう。
衝撃を覚悟した千尋だったが、王子様のような美しい青年・ウォルターに助けられる。
そのままウォルターの部屋で優しく手当てを受ける千尋だったが、今まで人に優しくなんてされたことがなく、思いもかけない優しさをかけられ、千尋はウォルターにぼーっとなってしまう。
けれど、他人の目に長時間さらされることにも慣れていない千尋は、せっかく優しくしてくれたウォルターの下から逃げ出すようにして去ってしまう。
ところが、翌日、ウォルターは学校が終わったばかりの千尋を迎えに来てくれて……という話でした。
まさしくシンデレラストーリー。
家族にないがしろにされて育った千尋が、王子様に見つけられて。
「僕の白雪姫」と言われて、大切にされるうちに自身も王子様のことを好きになり、最後は王子様に引き取られるというハッピーエンド。
なんというか、千尋にかけられる声が痛ましくて痛ましくてならないので、そういうのが苦手な人は避けた方がよいと思います。
すっごくベタなシンデレラストーリーなのでそういうのが好きな人にはオススメします。
帯『白雪姫の食べた毒林檎は甘かったのだろうか…。』
ベッタベタなシンデレラストーリーなんですが、弓月さんの場合そのベタさ加減がいいと思うんですな。
大人なスリリングなBLを読みたい方には向いてないけど、これでもかって位にベタベタなお約束な話を読みたい時にはこういうともかくベタさがしっくり来ます。
資産家の家に生まれながら愛人の子供という事で、ボロい離れに住み、他の家族から忌み嫌われている千尋〔受〕
そんな彼がパーティーで資産家のウォルター〔攻〕に見初められて最後は幸せになるというまさにシンデレラストーリーそのもの。
千尋は健気だけど流され体質なのですが、こういう話にはそういう受が似合うと思う。
そしてウォルターはあくまで格好良くそして甘く!
お約束だけど、こういうお約束ストーリーがたまにむしょうに読みたくなります。
そういうときにぴったりな話。
いじめられ→攻と出会う→言い寄られて落ちる→攻を誤解→自殺しようとし→タイミングよく助けられ→そのままHAPPY END
感動のシーンとかはなかったに思える。
受の家族の暴言や暴行が極めて酷いところだけが目立つ。目を覆うほどに。
受の外見描写も最初と真ん中の二回短いものしかなかった。
受視点でしたが、いじめられては耐えるだけ、言い寄られては落ちるだけ、耐えられなくなったら自殺。。。ほぼ全編泣いていた。。。意思があまり見当たらないし、攻も家族の暴行を知りながら最後の最後でしか受を助けなかった。
なんか残念な一冊でした。テーマは悪くなかったはず。。。