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私のアフロディーテに、悦楽の苦痛を味わわせてやろう
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
2011年刊、あらすじにピンときて購入。
残念ながら電子書籍では挿絵なし。
謎の攻め×インターポール・美術特捜班所属の受け、作中で語られる幾つかの名画の薀蓄、絵画を盗むという脅迫状といった掴みからして、自分好みのツボが散りばめられていた。
でも、この話怪盗ものじゃなかったのね…
舞台がロンドン、パリから中東の王制国家・ベネダンへ移ると共に、ディラン自身の素性や彼が幾つもの絵画に拘る理由が明らかになる。
心に深い傷を負ったディランの兄、現国王が後半どう関わってくるかが気になったが、とある絵画を巡ってベネダンまで拉致されてしまった安藤の命運も絡んでの二転三転する展開は刺激的だった。
しかし安藤もなぁ、ディランに連れ去られて身体を侵略されての強制自白のシーンには邪な萌え心から『ウホッ、待ってました(*‘∀‘)』ってなったけれど、あまりにも耐性がない敏感さには驚いちゃった。
あっさり堕ちて、守っていたはずの絵画もまんまと盗まれてしまってどうなる事かと思ったぞ。
まぁね、実はお互いが一目惚れだったんだって告白が絶妙なタイミングで出てきたところは面白かったけれどね。
ちなみに、物語の鍵となる絵画『赤いドレスの貴婦人』は作中のみの実在しない名画だそうな。
(そうとは知らずにワタシ、グーグル先生に聞きに行きましたよ…つД`)恥ずかしー)
しかし読了後にはこの絵が尚更、ディラン達の想いを越えて後生大事にすべき重大なものになるのを感じ入るだろう。
惜しいのはページ数が足りない印象で、クライマックス後に二人の恋愛の余韻が味わえなかった事かな。
個人的には僅かな出番ながらも安藤の上司、メサイアの存在がめっちゃ気になる。
更に欲を言えば、メサイアが部下を心配する余りにベネダンに掛け合って…って展開でも他のきっかけでもいいからスピンオフが読みたかった。