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散りやすい花だからこそ守ってやりたい
itaike na uso
今回は亡き父の入手した絵画の来歴を探る画商と
攻様が訪れたイタリア旧家から逃げた美少年のお話です。
攻様が受様との出会いをきっかけに
再び自分の仕事に真摯に向き合うまで。
攻様の父は日本で唯一
世界と競える画商とまで言われましたが
先日儚くなり、攻様は四代目を継承します。
しかし、
亡くなった父が私的に入手した一枚の絵画が
異色の天才画家の不出世の策であった事から
その真贋を確かめるべく
イタリアまで出向く事になります。
というのもその画家は
閉鎖的な日本画壇を嫌って
影響を多大に受けたイタリアに渡って
そのままかの地で若くして亡くなった上、
彼の才能を愛し庇護したイタリア旧家の当主は
庇護下で描いた作品の全てを所有する程の
コレクターだったのです。
ところが攻様の父は
イタリア滞在中に件の画家の晩年の作品を
画家の内縁の妻から手に入れたらしいのです。
攻様は父の目を疑う訳では有りませんが
どうにも腑に落ちず画家の庇護者から
情報を得ようとしますが
その庇護者は件の画家の作品を入手する為
盗作や贋作にも手を染めているという
黒い噂が絶えない優雅な犯罪者と呼ばれていて
旧友を介して実際に対してみると
紳士の癖があり過ぎる厄介な相手だったのです。
とにかく種をまいて彼の家を辞した攻様は
画家が題材とした公園にて思索にふけりますが
糸口は容易には掴めません。
しかしその場所で攻様は
一人の美少年と運命的な再会を果たします。
この美少年こそ今回の受様です♪
受様は日本語を話しますが
日本人というわりには色素の薄い瞳を持ち
どこかアンバランスな表情の持ち主です。
そもそも受様は
攻様が庇護者の家を訪れた時に
その家の窓から脱走を図っていて
攻様にはなぜこの場にいるのかも判りません。
しかも受様は出会ったばかりの攻様に
自分を日本に連れて行って欲しいと
頼み込んできて?!
受様の真意とは?
そして攻様の父の絵の真贋とは?!
良くも悪くも世俗にまみれた攻様が
純な受様とであって再びピュアな心を取り戻す
柊平さんお得意の年の差ラブになります♪
受様は件の画家と関係のある人物で
画家と庇護者と受様が絡まって
攻様の父が入手した絵画へと
繋がって行くのですが
何となく先が読めそうな展開ながらも
マフィアや軍警察まで登場する
攻様の父の絵画を巡っての
庇護者と攻様との丁々発止に加えて
最初はその駆引きに利用しようとして
受様を身近に置いていた攻様が
受様の絵への情熱に接する事で
父に追いつく事、超える事を目指すあまり
忘れかけていた絵画に対する
情熱取り戻すという
一粒で三度美味しい的な展開で
最後のハッピーエンドまで
ハラハラ一杯で楽しく読めました♪
盛り沢山ぽいですが
結構サラサラ読めて
読後感も良かったですよ。
ヘタレ系攻様×健気な受様との
年の差カプが
ツボな方にはおススメです。
今回は本作同様、
絵画ネタで年の差カプの恋物語で、
柊平さんの既刊『束縛は恋の条件』を
ご紹介作としますね。
う~ん、読み終わって何書こうか困るくらい印象に残らない作品でした。
題材のわりに上澄みだけ掬ってさら~って感じだったんですよね。いろいろエピソードを並べたわりに、たいして掘り下げることもなく、あっさり片付けちゃったのが、もったいないというか、だったらアレコレ広げなきゃいいのに、と思ってしまいました。メインの2人も結構よかったんですが、脇もなかなか味のあるキャラクターを持ってきて、でもそれが活かしきれてない気がしたんですよ。
ただ、柊平さんの最近の作品の中ではまだマシな方です。物足りないけど、すごくつまらないというわけではない。でも足りないんです。何なんだろう、平坦過ぎるからかなあ。
ストーリー展開も、まあこうなるんだろうというのはすぐわかってしまうんですが、先読みできるからどうこうではなく、もう少し何かが!と思ってしまいました。
正直、復帰後の作品は『・・・・これはもう無理』というのが多いんですが、そうではない分、なんだか惜しかった気がします。
そう言えば、表紙はずいぶん肌色なのに、内容はキャラクターもストーリーもピュア~なくらい。
ただ『肌色』とはいえ『H!』という雰囲気ではなく、このイラスト自体はすごく綺麗でいいと思うんですよ。でもよく見ると服着てないんですね。