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hanayome no kurohyou juusha
初心な王子様と黒豹に変身できる従者の恋物語。
加納さんの変身もののお話は毎回、設定等なかなかそそられるものが多くつい手に取ってしまいます。
特に今回は帯の文句に惹かれた部分が大きく、その部分についてかなり期待も膨らませていたのですが・・・正直、ちょっと騙された感があってがっかりです。
イリが初心で可愛く、あー守られてなんぼの受けだなーという印象です。
箱入りで可愛い王子様、でもけっこう頑張ってるシーンもあったし役立たずで守られてるだけでもなかったかな。気を抜くとふわっと浮きそうだけど、自分が出来ることをするという地に足がついた活動もしているし。
一方イリに付き従う黒豹のラシールですが、実は元々が人間でして。イリが黒豹姿を気に行ってるから、あえて人間の姿ではなく黒豹として傍にいたのだそうです。
でも、イリに結婚話が持ち上がってはのんびりもしてられません。
黒豹と人間では結婚できませんから。
イリにとってラシールは従者という以外にかなり癒しになっている部分があって、守られることはもちろん寂しいのを慰めてくれたり、一緒に眠ったり、と一緒にいることが当り前のかけがえない存在。
でも、それ以上でもそれ以下にもなりえないのです。
だって、ケモノだから。
いくら一緒にいても人間の言葉を話すわけでもないし、長く一緒にいても動物と人間という差はあるわけで。
状況的に不利!ということで、ラシールはイリは自分のもの!と主張&求愛するために人間の姿になるのでした。
しかもラシールはただの黒豹に変身できる人間ではなく、実は遠く離れた国の王子様でした。
ラシールの住む国で反乱がおき、逃げている最中にまだ小さかったラシールだけが行方不明になり、流れ流れて遠く離れた国に流れ着き、イリに拾われて今に至るということらしく(この部分は中盤に語られます)、それ以来ずっとイリの傍に付き従い守ってきたのでした。
でも、急に黒豹が人間で求愛してきてすんなりいくわけがなく。
何よりも、隣国の姫との結婚話となれば「やめます」と簡単に言えるわけでもない(いや、結構簡単に解決してたかな)ので、それなりに色々ありますが、結局は納まるところに納まるという。
個人的にここががっかりだったのが帯にある仔豹作りとか、目次の『花嫁の黒豹赤ちゃん』というタイトル。
黒豹赤ちゃんが出てきます。
確かに出てきますが、イリがラシールとの間にもうけた黒豹赤ちゃんではなく、ラシールの「黒豹にはなれないが同じ一族の血を受け継ぐ」実の兄弟の子供。
なので厳密に言えば、黒豹に変化出来る血を濃く受け継ぐ者には不思議な力があり、伴侶が男でもイタしていれば子供が出来るかもらしい、ということ。
う~ん、ちょっと騙された気分。
別シリーズでは、仔虎が生まれていたので期待してけど、これじゃ『花嫁と親戚の黒豹赤ちゃん』だねーとがっかりしました。
加納先生の作品はほぼ、あまあまなイメージですが本作品も例外なくあまあまでした(笑)
特に事件が起こるわけでもなく、くっつくまでが一編とその後が一編、同じくらいの長さで入っています。なので、ストーリーを重視しないで軽く読むくらいがいいかと思います☆
雰囲気で言ったら、虎シリーズと変わりません。ただ、私はもふもふ度からいって虎の方が好きだったみたいで、萌え度も虎シリーズの方が大きかった気がします。
糖度はどっこいどっこいですけど(笑)
これは完全にファンタジーなので甘くてもふもふ(猫科)が好きなら癒されたいときにいいと思います。