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山藍先生の初期の傑作を読破しました。これ完結していないんですね。4巻とても読みたかった!古い作品なのでここまでの気持ちに遡って続編を書くのは難しいでしょうね。3巻でも区切りよく終わってるし、あとがきの段階ではかなり具体的に4巻の構想は決まっていたみたいですが。
内容は先生ならではの官能的部分ははもちろん、刑事ものなので本格サスペンスもあり、日本神話まで遡る古代ロマンあり、長野・戸隠の鬼っ子伝説ファンタジーもあり、近親相姦もあり、そのどれもが交じり合って全ての要素が楽しめる言うなれば山藍紫姫子ワンダーランドって感じのワクワクなお話がハードカバー3冊分みっちりつまっています。
受けの日影ジョージは(漢字難しい)、中性的で儚げな印象の受けが多い山藍作品には珍しく、美しくセクシーではあるけど精神的・肉体的にとても強い人です。ヤクザ達に監禁・凌辱されても泣き寝入りはしない、やられたらやり返す・・・100倍返しだ!って感じの性格です。
他の話だと受けが10代の頃から悪い大人達に調教されてエロい体の妖艶な大人になり・・・という展開が多いですが、ジョージの場合そのような目に合ったのも20代半ばの大人になってからですからね。性的属性は受けでM体質ですが、精神的には攻めの真田の方が、ジョージの下僕という感じです。
山藍作品はBL小説というのとちょっと違って、官能どエロSM小説とでも言おうか、時代が時代なら発禁書とでも言おうか、それでいて内容が絢爛豪華で格調高い文章はもうジャンル名・山藍紫姫子と言うか山藍文学と呼ばせてください。
あ、でも3巻の最後の方はちょっと普通のBLっぽく甘い感じで、攻めと受けが両想いになっていました。受けが攻めに向って「体は他の男にも好きにされても心はお前だけにくれてやる」っていうそんなセリフは一言もないけど雰囲気的にはそんな感じ。やっぱり普通ではない。殺人鬼でもあるんだけど、強気で上から目線のかっこいい受けです。