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挿絵は麻生先生です。小説の挿絵が先生だとあまり外れがない気がします。
文章が読みやすくてキャラにもハマりやすい。もっと新作が読みたいのですが、花丸さんで書かれていたりするのでしょうか。近年は電子版ばかりみたいなのでちょっと寂しいです。本作も電子で読めます。
いきなり「私」の一人称で始まる、介護士×医師のお仕事ラブ。とにかくキャラが立っていて、おバカだけど一所懸命なわんこ攻めがかわいい♡
前半の表題作と、後半の「きんいろ頭の見る夢は」、SSの「先生の好きな色」から構成されています。
うめいクリニックの医師、賀古井は堅物で面白みのない男(でも美人)。提携している訪問介護「ひより生活」に臨時の代理医師として派遣され、タッグを組む予定の介護士、桐島と顔合わせ。金髪で敬語も使えない桐島のチャラさに嫌悪感を抱きます。
桐島は両親からネグレクトされて母親の弟に引き取られて育ち、現在の介護職に就くまではやんちゃして叔父の柑野に心配かけてばかりでした。桐島が仕事以外に熱中しているダンスをきっかけに、賀古井と距離を縮めていきます。
桐島が一方的に賀古井惚れて、賀古井も桐島に恋心を抱いていていくのって、あれっ?BLファンタジー?とも思わないでもないです。
でも勢いというか、賀古井のいい歳なのに仕事一筋な童貞臭さと、桐島の無邪気な一途さから、なんだか違和感なく流されました笑
家族の繋がりが希薄そうな賀古井家ですが、賀古井の弟、英介はゲイで警察官。しょっちゅう連絡を取り合うような仲ではないけれど、賀古井が過去に巻き込まれた事件を心配してまれに連絡をくれる。兄弟で性的指向が一致してるせいで、後々おいしい展開をもたらしてくれます。…英介はどっちなんだろ?受けかな?
設定の割には密度が薄く感じられてしまうのは、読みやすい文章のせいもあるのかな。睡眠薬を手離せない賀古井に強く言えない桐島がすぐに争いを避けようとするシーンとか、桐島と育ての親との関係に賀古井が嫉妬するところとか萌えるし、個人的にはキュンとさせてくれる描写なんですが、もっとぐいっとイケたんじゃない?っていう謎の欲望が読後に襲ってきました笑
流れるように自然なエッチシーンも好きだし、受けも攻めもキャラが好きだったので気持ちよく読み終えましたが、ほんと、萌えどころをはずさない表現力がスバラシイ。
読みやすさは買えます!
展開はきわめてマンガちっくですが、頭をコミックモードに変えればなんということはない。
キャラがあんまり自分のタイプじゃなかったのが致命傷だったぐらいかなー。
金髪でいかにも今時のチャラい介護ヘルパー(攻め)と対照的にガチガチに堅物な医師。
ヘルパーの桐島、もう一つの顔は「凄腕のダンサー」です。
つくづく動作や音楽を文章化するって難しいと実感する作品でした。
桐島がだいたいどういうダンスをやっているか、まではわかりますが、
その迫力や魅力までは実感しにくいレベル。
なんとなく、桐島がシュミでやっている「ダンス」に昭和の香りを感じるのは自分だけ?w
桐島の肉体美とかダンスの迫力なんかがわかれば、
もうちょっと桐島の魅力も感じただろうし、
賀古井の魅かれていくプロセスにも共感しやすかったかなとは思います。
ただ、そうなるとこのボリュームではまとめられなくなるんだろうなぁ。
コミカライズしたら面白いだろうなとも。
前作が自分的にツボだったので、新作を心待ちにしていた作家さんの一人です。
今回も年下ワンコ×年上美人のカップル。
金髪でダンス大好き!なワンコ攻めと受けはトラウマ持ち医師でお硬い美人さん。
『ゴールデ・ビート』『きんいろ頭の見る夢は』加古井目線での語りで物語は進んでいきます。
なので加古井の性格を反映して、文章が硬く生真面目で難しく考えている印象をうけるのですが、それがまたキャラをよく表している。
金髪で言葉遣いも悪くって、チャラチャラしている不良、という桐島への印象や先入観が付き合っていくうちに薄れ、外見ではなく内面に惹かれて行く。
堅苦しい語りの中で桐島の本質を知り、知れば知るほど惹かれ、硬かった態度が軟化していく加古井の心情変化は読んでいて楽しい所です。
それでも本質的な所は変わらないので、軟らかくなったといっても一本芯の入った硬さは取れず、ぶれない生真面目な硬さが抜けなかった。ついでに、頭が良いので簡単な事なのに難しく考え答えを導き出すのにえらく思考をぐるぐるさせる部分は冒頭から最後まで変わらない所でした。
ほぼ初めての恋だからこその戸惑い、恋心からくる嫉妬、ではどうしてそんな嫉妬を覚えるような嫌な気持ちになったのか?原因は?
疑問という伏線から答えが分かったシーンへの流れも上手いなぁと感じる。前作の時もでしたが、伏線回収がスムーズなというか、ココとココは繋がるとはっきり分かる作家さんです。
そして、攻めがやはり色々と成長しようと足掻いているキャラで、変わりたい、変われるように頑張ろうという気持ちが凄く見えるキャラでした。
桐島は桐島で加古井先生好き好き!と外見にあった強引さでもって迫って行く。
でも、凄く押しが強いというのではなく子供の無邪気さでもって手をひっぱりまわしているような印象です。だからといって、凄く子供って訳でもない。桐島の幼少期は結構悲惨で、外見はともかくよく捻くれずに成長したなと思う。
それもこれも、親代わりの紺野のが初めての子育てに戸惑い、迷いながらも桐島を見続けていたおかげなのでしょう。
『先生の好きな色』のみ桐島目線で話が語られます。
キャラの性格が明るく軽いので、文章も軽やか。でも桐島にとっては不幸の連続というコメディ調です。
カッコいい自分を見せたいのに、カッコ悪い自分ばっかりを見せてしまってしゅん・・・・という犬の耳があればもう本当に情けなく耳を垂れさせてることでしょう。
ダンス中ではなく、舞台袖で転んで骨折。それがスタートで何をしても上手く事が運ばない。
ついでに、大好きな加古井先生にはなにやら自分以外に親密な男の影が!?
実はその親密な男は加古井の弟で警察官の英介の恋人でしたというオチ。しかもこのラテン系の堀の深い男前、英介の車を無断で借用し凹ませ、怒った英介に自分もボコられるというオチまで披露してくれる登場シーンが少ないながら気になるキャラです。
足を骨折してから全てが上手くいかない桐島のカッコいい自分を保ちたい男心。
年下攻めはいつもでも年上受けに見栄を張りたいのですね。
初読み作家さんです、麻生ミツ晃さんの表紙買いでしたがこれは正解でした。
帯『先生、一番楽しい夜の遊び知ってる?金髪ダンサー、堅物ドクターに夜遊び指南』
上の帯なんですが医師・賀古井[受]は確かに堅物ドクターですが、桐島[攻]は金髪ですがダンサーではなくあくまでヘルパー。
ただ夜な夜な、ダンスが趣味でクラブ等で見事なダンスを披露てはいます。
生真面目で無趣味な賀古井が介護外来診療で組む事になった男が派手な金髪の一見チャラチャラした男、桐島。
言葉使いもざっくばらんでやたら馴れ馴れしいのだけれど介護先のお年寄り達には人気があり愛されているそんな存在。
賀古井はかつて金髪青年に重要な書類等をひったくられ、退職にまで追い込まれた過去がある為、金髪の男を嫌っています。
そんな賀古井を桐島は無理矢理夜の街へと連れて行き、己が踊っている姿を彼へと見せます。
不覚にも賀古井はそれを格好良いと思ってしまい、ずるずるとそれからも彼に連れて行かれるままに店や練習場に通う事になるのですな。
水と油、全く交わる事のない彼等が強引な桐島のぐいぐいと他人の心に入り込んでくるやり方に免疫のない賀古井が負けたって感じかなー。
賀古井の弟カップル話もちょっときになります。スピンオフ出ないかなあと期待してみたり。
前作を読んだときも思ったのですがキャラも文章もストーリー展開(ダンスやひったくりなどのモチーフの使い方)も好みなのに読み終わるとなんかしっくりこないという…微妙。
特に後半「堅物ツンデレ受は好みだが、どうせ叔父さんと受のキャラが被ってるなら初めから甥×叔父の物語なら良かったのに!」と思った近親スキーは自分だけじゃないハズ。
叔父さんに似たタイプだから好感持ったってのが分かるだけにさあ…。
文章も読みやすいし、基本ハートフルで嫌味がなく読みやすいんだけどなあ。
でも弟君のスピンオフが出たら多分買うだろうw
ってか弟君受だよね?尻に敷いてぺちゃんこにしてそうだけど。