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Ai de Tunagare Itami ni Obore
可愛い表紙とは裏腹に、中身はえろえろ…というよりほぼ、それのみで構成されたお話です。誇張でなく、冒頭の数ページ以外は最後までずっとやりっぱなしです。
ストーリーは、とあるIT企業の社長である和音が、投資会社の社長である怜二の犯罪現場を目撃してしまい、口封じに消されるところを監禁され凌辱・調教されるというもの。これ以外の細かなストーリーはほぼなく、監禁された部屋でひたすら凌辱の繰り返しです。
ですが、痛々しい表現はほとんどなく、途中からは互いに好意が芽生えてくるので、基本的には凌辱といっても甘い感じです。
何だかもったいない、というか、私的に物足りないのは、ストーリー重視でなくえろえろのみのお話ならそれはそれで構わないのですが、せっかく最初から最後までえろのオンパレードなのに文体がさらりとしていてあんまりえろく感じないというか、興奮しないっていうか…もっとねっとり濃いえろにするとか、マニアックなプレイを入れるとか、飽きさせないというか、楽しませるえろというのを書いて欲しかったです。
変わったプレイといえば三角木馬くらい。でもそれもあっさりしてるというか…。
調教されている和音は、次第に自分から怜二を欲しがるようになりますが、体と心を切り離して楽しむことのできない和音は「体が欲しがるということは心も彼を好きだということだ」と結論づけます。
別に、監禁凌辱から始まった相手をあっさり好きになるのがおかしい、とは思わないのですが、犯人に好意を寄せてしまう被害者心理とはどう違うのか、そのへんを差別化してほしかったなーとか思ったり。
最後に友人が和音を助けにくるのですが、頑なに「帰らない!」と言う和音はやはり被害者心理に捕われているようにも見えました。
しかし会社の社長なのに、怜二の元に残るから会社はもういいというのもちょっと身勝手な気もしたし、個人的にどうしても気になってしまうのは怜二が犯罪者だということです。いいの?^^;
イラストは顔は可愛らしいんですが、こういう可愛い絵のかたにたまにあるような、なんていうかえろがぼやかされて描かれているような・・・。
上半身のみとか顔のアップなど、えろシーンがほぼで構成された作品なのにえろいと思える挿絵が一枚もなくて非常に残念でした。
失礼かもしれませんが、もう少しえろを描けるイラストレーターさんのほうがこの作品にあっているように感じました。
こういうストーリーがなくて、ほぼやってるだけ…って作品も好きなのですが…物足りなかったです。
エスエムスキーで痛いモノ好きで、調教も好きでもこれは・・・残念でした。
何て言うんだろう?初の商業文庫ということらしいのですがいかにも頭の中で造られたっていうか(勿論小説自体がそうではありますが)素人の妄想の域を出ていない感じがしてしようがないのです。
ただただセックス描写に費やしているページ。
最初の出会いの見つめ合ったその瞳から、多分何かを感じ取って、攻めは自分の奴隷にしようとし、受けはその囚われた瞳の魅力のとりこになる。
最初は嫌だと思う行為も、監禁され首輪をつけられた状態から逃げようと思うものの、心の底からの願いではなく自分だけが彼を捉えられているという満足感にすりかわっていく。
調教の成果は出てはいるとは思うのですが、最初からの互いの執着ありきの展開です。
本当に調教と呼ぶにはあまりに稚拙なただのエロです。
また登場人物達は会社の社長と言う設定で、こうした話に登場する社長というものが全てしっかりした大人の男である必要はないにせよ、余りに子供子供して大人であることを感じない。
そして巨大企業の支社長である攻めに仕事の責務とかきちんと仕事をしている風は余り感じられない。
彼が冷酷な人間であるという設定を見せるために簡単に人を処分する場面も登場させますが、それが全体にそぐわなくて自ら手を下すという部分に孵って庶民的な感覚を持ってしまうのです。
受けの和音に至っては、まるきり子供返りしてます。本当にオトナだろうか?
時として見せるツンデレな様も全体の流れから妙に違和感が。
口調も、態度も、、イラストが女々しいからそのイメージを引きずってしまうマイナス効果もあるかもしれませんが、、、
調教というシチュと、物語全体の設定が噛み合ってない作品となってしまったような印象を受けます。
厳しい評かとは思いますが、バランスと、シリアス展開に必要な”ごっこ”で終わらせない工夫というものがあれば・・・これから頑張ってほしいです。