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頭は覚えてなくても、カラダは覚えてるんじゃないか?
大人の男の人が話す京都弁って、そこはかとなーく、いけずい感じに聞こえちゃったりするけど、無邪気な子供が話す京都弁って、稚いかんじでかわいいよね。
舞台は、下界から隔たった、山の上の古い天文台。
主人公の建築科の大学生・昂は、山登りに夢中になるあまり留年して、教授からの課題で、その天文台で課題をこなしつつ、一夏のただ働きをするはめになります。
そこで観測を仕切っている、アウルと呼ばれる院生。
それは、前日、一晩を共にした相手で、、、。
昂は一人だけ学科が違い、天体観測とは全く関わらず、自分の課題と並行して、デイクルーとして建物の修理やらの雑用をこなしています。
一方アウルは、フクロウの名の通り、夜の天文台での観測中にだけ生きていて、昼間はどこにいるのか、姿を隠してしまっています。
一人だけ異分子である昂が、異分子であるが故に、アウルを本名の佑紀と呼んで、閉じこもっていた夜の世界から解放するのです。
佑紀が垣間見せる本来の姿。
稚い京都弁で悶える様は、萌まっせ。
久能さんが書かれているSFのシリーズものは大ファンなのですが、なぜか現代学生ものは今までツボに入ったことがなく・・・。これも、個人的には少し合わなくて残念。
基本的に元気な攻めと綺麗で芯が強いけどどこか脆い…みたいな組み合わせがお好きなのかなと思います。この作品もそんな組み合わせでした。
設定やストーリー自体はそんなに単調ではないのですが、受けキャラの設定と恋愛ものとしての展開は非常にベタな印象を受けました。いい意味でも悪い意味でも非常にBLぽいです。
主人公・昴は、酔って見知らぬ男性に抱かれそうになっていた綺麗な人を助けて一晩の関係を持ちます。その人が忘れられずにいたら大学で再会、というお話です。
昴の無鉄砲な雰囲気は少年漫画などにしたらカッコイイ感じなんですが、BLだと、なぜ受けに対してここまで真剣になっていて、真剣に怒っているのか、ちょっと熱くなりすぎていて戸惑う気持ちもありました。
受けはアウルと呼ばれる天文学の研究者なのですが、綺麗ではかなく、意地っ張りなのにさみしがりで暗闇や雷が怖く、複雑な生い立ちのせいで人と打ち解けられないというキャラクターです。
「誰でもいいから眠らせてほしい」といってフラフラ男についていってしまったり、強引に触るとびくっと怯える繊細な様子・ほってほけない危なかっしさは、実在はしないであろう、BLのために作られたキャラクターという感じですね。
完全に好みの問題になりますが、私はこの昔の受けはこういうのが多かったなあというタイプにあまり萌えなくなってしまっているようです^^;
おそらく、攻めの昴がアウルを擁護する様子が完全に、力は弱いのに気が強い女子を守ろうとするNL的なポジションに重なって見えてしまうからだと思います。
もう少しアウルに「男」を感じさせる部分があったほうがBLとしては好みでした。
アウルは感情が高ぶると関西弁になるのですが、それが、意地っ張り度が上がって可愛かったです。