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kyuukaime no lesson
あとがきで『Sな攻』と『Mな受』とあったので、相当覚悟して読みましたが(『S攻』が、もうすごくキライなので)、結果的には大丈夫でした。これ『S』かなあ?いや、まったく『Sじゃない』わけではないかもしれませんが、これくらいなら別に平気だな、と。
永倉(攻)はもちろん、和音(受)も大人なんですが、和音は(子どもっぽいというのではなく)とにかく幼馴染みでもある元彼との過去に囚われたままなんですね。そこから抜け出すために遊びでいいからと永倉を誘うんです。
で、とりあえずお試しのように、永倉に対するピアノのレッスン10回コースを引き受けることになったんです。
とにかく1編目は、全体を通してすごく色っぽい印象を受けるんですよ。あからさまなHシーンが多くあるわけでもないのに。なんというか、『しっとりした大人の駆け引き』という感じが漂ってました。
続編では、和音の過去の亡霊のごとき、元彼が絡んできます。元彼は、和音も言ってますがただの子どもなんですね。まったく成長していない。歌う才能があるから、他の(絶対足りていない)部分も許されているわけですが。
和音は結局、いつまでも甘ったれの元彼に頼られて仕事を引き受けてしまうんですが、(元彼は変わらなくても)和音はもう以前とは明らかに違うんですね。
和音が縋る元彼をきっぱり拒絶して、永倉の元に戻ってくるあたりがよかったですね。ああ、和音はやっと過去を振り切れたんだな~と。
特に1編目は、永倉の心情がちょっとわかりにくかったんですよ。いつの間にそんなに和音に入れ込んでたの?という感じで。でも、続編は2人の気持ちがよく描かれていました。
すごく静か~というか、しんみり・しっとりした印象でした。
エリートと過去の恋のしがらみからまだ抜け出せていない美人講師との恋のお話です。
表題作は出会いから新しい恋を見つけるまでの、「仕上げのレッスン」は受けの過去とのお別れのお話。
前半は攻めが受けの10回きりのピアノレッスンを受けることになり、レッスンごとに駆け引きが展開されます。
できる男に似つかわしいちょっとお洒落な感じでお話が進むのですが、私にはちょっと淡白に感じられてしまって、あまり萌え要素はありませんでした。
後半のお話のほうが私は好きでした。
いつも恋愛は自分のペースでリードしてきた攻めが、受けのペースに引きずられてる様子が、受けへの愛情の深さを感じられました。