世間知らずインテリ変人×純朴しっかりもの大学生

王様の恋愛美学 ~准教授杉崎桂一郎~

ousama no renai bigaku

王様の恋愛美学 ~准教授杉崎桂一郎~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×217
  • 萌13
  • 中立5
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
17
得点
152
評価数
45
平均
3.5 / 5
神率
17.8%
著者
chi-co 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
陸裕千景子 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
シリーズ
王様の恋愛美学 准教授杉崎桂一郎
発売日
価格
¥562(税抜)  
ISBN
9784592876526

あらすじ

超厳しい性格の「冷血の麗人」杉崎准教授がなんと平凡男子学生・三郎に恋をした!? 初めての恋心にやきもきしまくりの杉崎はさっそく三郎の実家に結婚のご挨拶に…!!
(出版社より)

表題作王様の恋愛美学 ~准教授杉崎桂一郎~

33歳,唯我独尊の大学準教授
19歳,大家族の家事を仕切る長男大学生

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数17

変わり者(天然)×常識人(でも天然)

ものすごく面白かったです!

優秀だが唯我独尊で世間知らずの攻・杉崎と普通っぽいが普通じゃない(と思う)受・田中の話。

とにかく受けも攻めも可愛すぎます。
攻めは33歳の若さで准教授という立派な大人なんですが、手の掛かる子供みたいな一面もありますし、
受けは逆に面倒見が良く、それも当たり前な感じで、下心無しで世話を焼いたりします。
受は一見普通で目立つタイプではないが性格の良さもあって友人は多く、特に仲の良い男友達が三人います。
その男友達も皆良い奴なんです。
自分達の思いを封印しながら、友達として受を応援する…健気な奴らなんです(お互い牽制してたら別の男に取られた、とも言うが)

攻が受に対しての思いを自覚していない時の暴走(友人達に作った稲荷寿司の取り上げ)も、自覚してからの暴走(受の両親への挨拶とか求婚とか)も面白すぎます。

攻も受もすごく良いキャラで、特に受は自分の理想に近いです。
周りのキャラも非常に魅力的でストレス無く読めました。
スピンオフの「食わせ者の純愛論」も勿論読みました。

あとこの話を読んでいると食事シーンが多くお腹が空いてきますので、ダイエット中の人は避けた方が良いかもしれません(笑)

変わり者×常識人の攻→受が好きな人には本当にお勧めできます!

1

う、かわいい

独占欲まるだしの攻め様にすごくキュンキュンします!

受け様はお母さんです!
世話好きで面倒見がよくて外見は
平凡だけど、甲斐甲斐しさがかわいいのです!

陸裕先生の書く人物たちがみんな、かっこいいやらかわいいやらで
先に挿絵を覗き見しそうになりました。

0

本棚殿堂入り!

杉崎先生にどハマりしました!
こういう一途で独占欲が強くて他のものが目に入らない攻めが大好きです。
読んでいるとニヤニヤしてしまうので、早く続きを読みたいのに外では自粛して読みましたw
chi-co先生の作品が大好きで、全部買っていますが、この作品は殿堂入りしました。
数年後、また杉崎先生でニヤニヤするのが楽しみです。

0

独特の世界観が楽しい

今回は大学内でも唯我独尊と有名な準教授と
大家族の家事を仕切っている大学生のお話です。

隠されていた攻様の実態を知った受様が
攻様の妻の座におさまるまで。

受様は家がラーメン店を営み
両親祖父母、下に4人の弟妹がいる上に
出戻った姉と2人の子供という大家族です。

忙しい両親祖父母、姉に代わって
弟妹や甥を見ながら奨学金を受けて
大学に通っているのですが、
ただ今落第の危機に直面していました。

というのも受様が受けている講義の准教授は
講義に5回遅刻したら落第と明言している
厳粛主義者だったのです!!

この准教授こそ攻様になります♪

攻様はスーツをきっちり着こなし
書く文字は整然、提出物の仕様も細かい上に
どんな言葉に一切耳を傾けない
氷の血を持つ男と噂されています。

家族の面倒で続いた5回の遅刻の結果
攻様に呼び出された受様は
気合を入れて研究室に向かいますが

そこで見たものは
信じられないくらい雑然とした汚部屋に
凛然と佇む攻様だったのです。

狭い家ながら
いつも清潔で快適に保っている受様は
この惨状は許容範囲を超えていましたが
まずは攻様と対しなければなりません。

幸いにも攻様は受講態度の良い受様の
遅刻理由を聞いてくれたのですが

5回の遅刻を帳消しにする攻様に
どんな誠意を見せてられるのかと
真顔で迫られてしまいます(笑)

そんな受様が見せた誠意は
空き時間に研究室の掃除をする事!!

1週間でようやく
ちょっと散らかった程度までした受様ですが
掃除はごく普通の作業でしかなく
コレだけで落第免除は申し訳ないと

コンビニ弁当の攻様の為に
食事の差し入れをしてみるのですが…

なんと攻様は
受様の庶民な弁当をとっても気にいり
翌日から受様の示す誠意は
昼食の弁当作りも加わる事になるのです♪

3週間もすると受様は
子供っぽい一面を持つ攻様を
放っておけない気分になってしまいます。

しかし
受様の友人達には攻様が単位を餌に
受様をこき使っている様にしか見えず
研究室に乱入するのですが

友人達との中の良さを見た攻様は
な・ぜ・か・胸の中にモヤモヤが(笑)

そして受様が
彼らに作ってきたお弁当を取り上げたり

女子の差し入れがあるなら
攻様用の弁当は不要と思った受様が
他の准教授に差し出したお弁当まで
取り上げるのですよ!!

それらすべてに攻様は
攻様なりの理由を滔々とのべるのですが
ソレは単なるヤキモチでしょう(笑)

はたさて二人の恋の行方とは?!

見た目が良くて頭も良くて
思考も理路整然としてしっかりしているのに
その思考回路が人よりズレテいる為に
実態は子供の様な攻様と

見た目は平凡でも学業には熱心で
片づけ上手で手料理も美味しくて
面倒見が良い癒し系受様のラブコメです♪

攻様は視界が狭過ぎて天然、
受様は素直すぎて天然なので
思った事や考えた事が態度や言動に
そのまま出ているのですが

ソレが普通の思考回路じゃない為に
笑いのツボを刺激しているというのに
本人達は大まじめだから更に
笑いの発作が大きくなっちゃうのですよ♪

2人がお初Hを体験する最後まで
笑いのツボが刺激され続けた一作で
とっても面白かったです。

今回は天然系攻様と世話焼きな受様カプで一作、
高月まつりさん『秘密のゴミ箱でキスをして』は
いかがでしょう?

2

ふわふわあまい卵焼きが好きです

他の方のレビューを読んで面白そうだな~♪と思って購入しましたが、予想を遥かに超えた杉崎(攻め)の暴走に、大爆笑しました。面白かったです!!
何度、「一体 どうして こうなった?」とツッコミを入れたでしょうか・・・。
杉崎には、周りを巻き込む自己完結型ポジティブさん(最高ランク)の称号を差し上げたいです(笑)最高でした~!

そんな攻めを受け止められる三郎さん(受け)、可愛いし料理は美味しそうだし、何と言う包容力。
挿絵を描かれている陸裕千景子先生の影響もあってか、お弁当が、きんぴらが、ごはんが、たまごが輝いて見えて美味しそうです・・・とてもお腹が減ります。

私も ふわふわの甘い卵焼きが大好きなので、杉崎の語りにうなづき、三郎の作る卵焼きに何度心を奪われたことか・・・!杉崎先生が羨ましいです。
でも杉崎先生を受け止められるのは、三郎だけだと思うので・・・(笑)三郎も、ほわーーーん とした優しい天然系(?)なので、良いコンビだと思いました。

序盤のドタバタほのぼの~な雰囲気から、だんだんと二人の関係が近づいてと思ったら、杉崎先生の暴走で一気に走りきった感じで、テンポ良く楽しく読むことが出来ました。

好きなシーンは、お稲荷さん強奪事件(←友人達から見れば)や、いきなりのご両親へのご挨拶、三郎も俺の事が好きに違いないという謎の自信(これ一番笑いました)など沢山ありますが、一番は
三郎が「おじいさんは杉崎先生のことを可愛がられてたんですね」と言うシーンが、じわ~っと染み込んで来て、とても好きでした。

楽しい部分も大好きですが、ちょっぴり切ないような、それだけではない部分もあるからこそ、話の面白さが増したように思えました!もう二人が夫婦にしか見えません(笑)

2

blacksima

メイプルシロップさま
コメントありがとうございます♪すごく面白い作品でした!是非是非読んでみて下さ~い(^▽^)
爆笑とツッコミの嵐ですよ~(笑)
わたしは、chi-co先生の本を初めて読んだのですが、こんなにコミカルなお話だったとは!
と楽しかったです。他の作品も読んでみたくなりました。

メイプルシロップ

あ!chi-coさんのご本だ!!

これずっと気になってて、近々買おうと思っているのですー!
以前『なりきりマイペット~』のほうでも爆笑させてもらったので、絶対面白いはず(笑)
表紙も本当ふわふわしていて可愛いし、気になるのでもう買ってきます(*´д`*)

キャラが萌えツボで良かった‼

最初のきっかけは、陸裕先生が大好きだったからなんですけど、作品を読んで、初読みながらどっぷりハマってしまい、それからはchi-co先生が好きになりました。
中でもこの作品が1番♡

内容は大学准教授•杉崎×大学生•三郎の年の差もののお話。

三郎が杉崎准教授の講義を、5回遅刻してしまったことから始まります。
三郎が遅刻してしまうには理由があって、両親が商売をしていて、十二人という大家族。そのため、長男の三郎が、家事に育児と働きまわる忙しさゆえでした。
しかし、奨学金をもらって大学に通う身には、単位を落とせません。
そこで、杉崎から部屋の掃除と引き換えにチャンスをもらえることに…。
本人には違うんですけど、そこは他人の目から見ればゴミ部屋でした。実は、杉崎は掃除や片づけが全くできない人だったのです。

マメで世話好きな、家庭的な三郎と接していくうちに、杉崎は癒されていくんです。
『冷血の麗人』と呼ばれた杉崎は、手作り弁当を作ってくれたり甲斐甲斐しい、癒し系の三郎に恋をしてしまいます。
それがなんと初恋だったと(笑)
きっと胃袋を掴まれたんですよね(笑)
読んでいても、卵焼きとか美味しそうに描かれているから、
食い意地の張ってる私も、落とされそうと思いながら読みました(それてしまいすみません)
餌付けされていく展開は、萌えツボなだけに良かったです!

「杉崎准教授」が、ドツボキャラでした。
とにかく、お話の中でも杉崎が、メンイみたいな感じなので…杉崎を好きになれるかなれないかで、この作品の評価は大きく分かれそうだと思います。

私的には大好物だったわけで♡
男前で、仕事の地位も高いできる大人が、私生活ではだらしない自己管理能力が低い男…そこに、みかねた家庭的な癒し系の受が、甲斐甲斐しく世話してしまう的展開が好きなもので(笑)

杉崎の事を、めんどくさい男だなあと思う方もいると思うんですけど…確かに面倒で変な男ですが、融通が効かないというわけでもなく、そこまで変人でもないかなあと…。

かなり発想が極端な点では変なんですけど、学者肌様なので、考え方が生真面目過ぎるんですよね。
でも、その極端さが面白かったんです。
三郎への想いに気がついてからの、突っ走りっぷりが、人柄そのもので、一直線な真面目さにキャラツボ萌えでした♡嫁宣言も笑えます。
そんな所は、変わり者だけれど、誠実さが現れていて好きでした。なんといえども初恋なので(笑)
ウブで純粋さにやられちゃいました♡

三郎もとても好みの受けキャラ‼
極々普通の男の子なんだけれども、周囲から慕われている通り、優しくて可愛いんです。
大家族の長男なのでしっかりしているのもポイント高でした。
どんどん迫ってくる杉崎に対しても、人のいい三郎だから流されちゃうのかと思ったんですけど、周りの意見も聞き入れながら、答えを見付け出す芯のしっかりした所がまた良かったです。

あと友人3人衆、阿佐美、一ノ関、斑目と、杉崎の友人で准教授の溝部も人間味溢れたいいキャラたちばかりだったのもポイント!
三人衆は三郎のことを好きだったんですけど、2人が真剣な事に気がついて、協力する男らしさが良かった♡
男同士のアナルセックス講義を受ける杉崎には大笑いさせて頂きましたけど(笑)

お話が変わるたびにつけられる、表題も楽しく読ませて頂きました。

とても面白い作品なのでオススメです。
この2人のキャラが好き系な方には、絶対ドツボだと♡
続編として「食わせ者の純愛論〜溝部篇〜」も出ているので、一緒に読むと一層楽しめます。こちらも意外カップルで美味しいです‼

2

なかなか面白かったです。

デキる准教授・杉崎。
その授業に5回遅刻したら単位ナシというのに、5回遅刻してしまった田中。
けれど、それにはちゃんとした理由があって。
田中は杉崎にそれを訴え、杉崎は単位を与える代わりに対価として田中の誠意を見せてもらうことにするのだが…。

何が面白いのかってひとえに杉崎のキャラでしょう。
簡単にいえば何事にも論理的な物言いをし論理的に物事を考える人物なんですが。
時としてそれがとんでもない方向へ転がっていったりするんですよね。
田中に対する心情の位置づけに対しても、周りに聞いたりした挙句、「そうか、これが恋心か!」てなことになって、更には「よし、親御さんに挨拶に行くぞ!」と求婚しだす始末。
見た目がデキる人な分、こういうちょっとしたおかしなところが非常にギャップを感じられるというか。
更には恋人とのエッチについても知識がなく、結果として田中の友人らに教えられることになるのですが。
生真面目に男同士の性交渉についてネットで勉強してる様とか真面目な分だけおかしいですよね。
論理的だからなのかどうなのかはわかんないけど、直接的な言葉が多いのも面白かったです。
一方の田中は強引に突き進んでいく杉崎に絆されたようでもあり、最初から自覚症状ナシに恋心を持っていたようにも感じられました。
でも、いくら恋愛事に晩生だからってそこまで友人話しちゃうのってある意味田中もすごいよね。
なかなかいいコンビなんじゃないでしょうか。

個人的には田中の友人3人のうち2人がデキてたらいいのにな~と思いながら読んでたんですが、どうやらみんな田中ファンだったようで…。
この先、その関係性が動いたら面白いなと思ったり(笑)
あと、杉崎の同僚の溝部もいいキャラなので、この人のお話とかあったら読んでみたいかなぁとか思ってたらもう出てるんですね!
しかもお相手は…。
早速探して来なくては。

1

ダメな大人ほど可愛いものはない

ホンッと、ダメな大人って面白い(*´∀`)クスクス
冷酷非道、まさになにものをも受け付けないであろうとされていた通称「R2」
な准教授。遅刻5回で単位無し。
そんな自体に陥った受と~なお話なのであります。
割と全体的にホノボノなテイストで構成されておりまして
准教授という高学歴で、出来る男のレッテルを貼られているハズの攻が実はダメダメw
そんなギャップに萌えました。
あとがきにも、攻が可愛くて仕方がないと有りましたが、
さもありなんであります。
ですが、理屈をこねたり子供みたいだったり。
それが妙に可愛く見えてしまうというのは本当だなと思う部分あり。

ヤキモチ、独占欲。
あまつさえ、唐突なプロポーズ。
ちょっ・・まって!!と思わず言いたくなってしまう
このテンポが好きでした。
最終的に「尻の穴をほぐす潤滑油をくれ」と言っている准教授が見たかったw
何はともあれ、ハッピーエンド。
もうひとつの准教授のお話も、これは俄然読んでみたくなりました

0

評判どおり面白かったです!

あー笑った笑ったwww攻様の台詞や思考がいちいち面白い。
いちゃいちゃが少なめなのにこんなに読後感満足なのは珍しいです。
外見的にはぱっとしない受様に想いを寄せる友人トリオも攻様・杉崎のあまりにも赤裸々な
受様・三郎への愛の告白にライバル化するのを忘れて強力な助っ人になってるし。
何このほんわかした展開はww
気持ちいいくらいの独占欲だし。三郎を嫁にする決意の固いこと・・・
もういっそ嫁になってからのお話も読んでみたいです。
 
卒業と同時に杉崎の姓を名乗るような段取りを組むのが理想的だ

って。この2人結婚したらずっといちゃいちゃしてそうだわ~癒されました。

0

後半がもったいない。

 学生たちの甘えを許さず、冷血の麗人として恐れられる准教授・杉崎。
「5回、1分でも遅刻したら単位なし」
 と事前に申し渡されていた授業に、三郎は5回目の遅刻をしてしまう。
 三郎は十二人家族で生活をしていて、下の弟や妹の面倒を見ていて、その兄弟が風邪を引いたり、ぐずったりして授業に遅れてしまっていたのだった。
 そんな家庭の事情を聞き入れてもらえるはずもなかったけれど、一応は、申し開きをしようとして、杉崎の研究室を初めて訪れ、その光景に驚愕した。
 杉崎の美しい見た目に反して、とんでもなく汚かったのである。
 厳粛で完璧だとばかり思っていた准教授の意外な一面を見た三郎は驚くが、誠意を見せるために、その部屋の掃除を買って出る。
 家でも家事全般を担っている三郎にとって、掃除は大したことではなかったけれど、自分や家族の分を作るついでに、お弁当を持って行ったところ、大感激され、これからもお弁当を持ってきてほしい、と告げられる。
 そして、お弁当を持って行き、研究室に通ううちに、次第に彼がひどい食わず嫌いの上に、謎の思考回路の持ち主であることがわかり、三郎はほっとけないものを感じると同時に、親しみやすさを感じる。
 ところが、次第に杉崎が暴走し始め、ある日三郎は求婚されてしまう。

 そしてそのまま、押し倒されてしまって……

 という感じの話でした。
 とにかく不思議ちゃんで、世間知らずで、思い込んだら一直線なタイプの杉崎を、不思議だなー、かわいいなーって三郎が眺めてたら、あれよあれよというまに押し倒されて、求婚されて……って杉崎のペースに巻き込まれてしまう……という。
 でもこれ、本当に三郎じゃなかったら、怒られてもしょうがないところだと思うんですけどね。
 杉崎は本当、思い込みが激しくて、自分独自の論理で動くので。
 三郎の料理はそんなに安易に誰にでも振る舞っていいものじゃないって勝手に思い込んだら、わざわざ三郎が友達に作ってきて渡しているお弁当を当たり前のように取り上げちゃったりするし。
 三郎は自分の気持ちを知ってるもんだと思い込んだ挙句、それでも通ってきてくれるんだから、三郎も自分のことを好きに違いないと思い込んだ挙句、更に三郎自身に自分の気持ちを伝えることなく、「両親に会いたい」と言い出す始末。
 これ……自分の周りにいたら、かなりうっとうしい人だと思うんですけど。
 三郎は、そんなところも嫌がることなく、優しく接してくれるから、実に大人。

 そんな明後日を向いちゃってるマイペースな上に宇宙人な攻めと、しっかりもので包容力ばっちりな年下受けがお好きな方にはぜひ、オススメしたい話ですが。
 個人的には最後に行けば行くほどツメが甘くなってきちゃったのが残念だなーと思います。
 三郎の友人が、杉崎がパワハラを仕掛けているのじゃないかと思って、杉崎の研究室に押しかけていくんですが、そこで杉崎と話しているうちに、あっさりと意気投合して、本当に男同士ではどうやるのか、という話になってしまう……
 なんか、急すぎるような気がします。
 あれほど、三郎に杉崎が近づきすぎるのを嫌がっていたのに、直接話したらあっさり許しちゃうって、ただの友情だったのかそうじゃないのか、がイマイチよくわからない。
 ここで一言、「先生が本気なら仕方がない」的な描写が一つあったら謎も解けてだいぶすっきりするんですが、それがなかったので、最後まで疑問が残ったまま。
 ちょっともったいなかったなー、と思います。

3

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