ココロノイロ

kokoro no iro

ココロノイロ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×22
  • 萌8
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
33
評価数
11
平均
3.1 / 5
神率
0%
著者
栗城偲 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
斑目ヒロ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
価格
¥855(税抜)  
ISBN
9784344821651

あらすじ

幼い頃から、絵を描くことで自らの感情を昇華させてきた高校生の楠天音は、義理の父である弘幸への許されない想いを一枚の絵に塗り込んでいた。だがある日、その絵に興味を持つ同級生・百々眸が現われる。有名芸術家一家に生まれた百々に、絵に隠していたはずの恋心を指摘されて戸惑う天音だったが、いままで誰にも理解されなかった自分の絵をわかってくれる彼のことが次第に気になりはじめ…。
(出版社より)

表題作ココロノイロ

高一生・見た目の華も才能もある美術部員
高一生・義父に片思いしている美術部員

その他の収録作品

  • コイノイロ
  • あとがき

レビュー投稿数5

パッション

最近思うのは、基本的に最初から最後まで
攻が受を好きで仕方ないっていう設定が好きなんだなと思うわけだ。
どんなに受に気持ちがないように見えても
「だって好きなんだもん」自然にそう見える攻が好きです(ノ∀`)
なので、受の絵を貶されて憤る攻のシーンが好きだったりします。
あ、おじいちゃんも好きですw

自分の気持ちを絵にしてきた受。
だれにもきちんと受け止めてもらったことがない
評価されたことがなかったものを、ある出逢いが・・・!?
な今回。出逢いのきっかけっていうのはこういうもので
運命というのはちゃんとうまい具合に回るわけで
攻にももちろんそれはいい意味での変化でもあり。
そんな二人のお話
正直、気持ち的には乗り切れなかったというのが正直なところで
受が泣いていても共感していつもみたく泣けなかったのが残念

1

「青春」…でした。

なんというか「さわやか」というか「ピュア」というか「青春」て感じのお話でした。

誰にも知られてはいけない感情を絵の中に塗り込めてきた天音。
何かあった時は周りにぶつけるのではなく絵の中にぶつけて。
そんな天音がここしばらく抱えていたのは義父となった男への恋情。
母親と再婚する以前から持っていた感情を男にぶつけることなくひっそりと塗り込めていた。
そんな絵の中の感情に眸は気付いて…。

外に出せない感情を抽象画にのせるという独特な表現。
でも、この物語の中ではそれがとても重要な役割をしていて。
この絵があったから、まず眸と出会うことが出来て。
眸にとってはそれが絵を再開するきっかけにもなっていて。
誰にも理解してもらえないだろうと思っていたものに理解者が現れたのはすごく嬉しいことのようでもあるし、突然に心の中を全て見られてしまうというどうしようもなく恥ずかしいことのようでもあって。
天音も最初は眸にこの絵が好きと言ってもらえても驚く方が強くて。
でも、理解者が得られたことはどこか自分が認められたようでもあって。
少しずつそんな眸に心動かされていく部分があって。
そうして、自分の中でも眸を認めつつあったから裏切られたように感じて失望したり。
眸がなんというかなかなかイイ子だった気がします。
自分の気持ちを打ち明けた時、それに対する答えを求めてはいなくて。
ただ自分の気持ちを伝えるだけのような。
その気持ちを天音がどう受け止めるかは気にしていないというか。
本当は当然、両想いになりたいに決まってるんですが、それを見せないというか。
そんなことよりも、天音が天音らしくあることを望んでいるような。
それから、ああ見えて非常にかわいいところも好きです。
斑目さんの絵のせいもあってか、わりとスタイリッシュというかオシャレな感じの人に見えるんですよね、眸って。
けれど、天音が気持ちを打ち明けた時にはドギマギして赤面しちゃったり。
意外とかわいいところが多かったように感じました。

個人的には2話目の方が好きかな。
こちらは恋人同士になってからのちょっとしたギクシャクというか。
絵に感情を塗り込めることばかりしてきたから、言葉が足りなくて。
互いに足りなかった部分もあるんだけども。
「疑わせるような態度をとってごめんなさい。哀しませてごめんなさい」というモノローグが印象的でした。

文中のどこかで絵に感情を塗り込めることは「昇華」ではなく「埋葬」なのだと天音が言っていたと思うのですが、それまでの感情は確かに「埋葬」だったかもしれないけれども、眸とのことを描く時はきっと「昇華」というか幸せなものなのだろうなと思いました。

0

初々しい二人

高校生二人の初々しさに頬が緩みっぱなしでした。
天音が自分の感情を絵に描くことで昇華させてきた、という設定がいろいろな場面で生かされているのが良いですね。
自分の感情をぶつけただけの抽象画を見て天音の恋心を見抜き、その絵を「好き」だと言う百々に天音はどんどんペースを狂わされていきます。
そんな矢先に文化祭の前にちょっとした誤解で天音は百々に自分の絵を否定されたと思い、泣いて百々から逃げてしまいます。ここで天音は初めて絵にできない、昇華することのできない自分の気持ちに戸惑います
ここで義父の弘幸が活躍!天音が義父に告白するとは思っていなかったのでちょっと意外な展開。きちんと義父への気持ちを清算させてから、義父と百々へ対する想いの違いに気づく、というのが良かったです。
告白シーンの天音は可愛すぎる!いや、百々も。顔真っ赤にしてるとか…(悶)
初々しい二人のキスに萌え。

後半は付き合いだした二人のちょっとしたすれ違い話。天音の描いた絵を百々の父と、祖父が見せることに。それを見た父の冷ややかな目と、辛辣な言葉に泣きだす天音。
ちょうどそのページで斑目さんの挿絵があるんですが、それが本当に文章をそのまま表したキャラクターの表情なんです。ここで思わず私も泣いてしまいました。
あと、終盤の表現ですごく好きなところがあります。
感情が絵筆に乗るまで待てなくて溢れる、という表現。感情を絵にぶつけてきた天音の設定を生かした良いシーンだなと思います。

母親に若干もやもやしましたが、あまりそこには触れないでおきます。
これからどう成長していくのかが楽しみな二人です。

0

「好き」の意味には、いろいろあるの。

高校生になったばかりの男の子が、恋い慕う気持ちを知る話。

「好き」の意味には、いろいろあるの。
親愛の好き、
恋愛の好き、
高校生になって、家庭の環境の変化や,百々との出会い等を通じて、天音は、今まではただキャンバスに塗り込めるだけだった自分の感情に、いろいろな面から向き合うようになるのです。

この話、なんとなく雰囲気に流されて、甘酸っぱい感じで気持ちよく読んじゃって、BL的には、高校生の男の子の、初めての恋愛の話としては、なかなかいいなって思った。

たけど、読み終わってから印象に残っているのって、天音の母親が許せないって言うか、これでいいのか!って言う、納得のいかなさというか、、、
天音って、子どもの頃は母が引き入れた男たちの暴力に怯えて、母に食べ物を与えるのも忘れて置き去りにされて、それでも、絵を描くことだけを逃げ場に、息しているのも見つからないように生きてたわけだよね。
それが、天音がようやくみつけた、安心して接することのできる大人の男、中学の美術講師の楠と、この母がくっついちゃうわけだ。
で、この母は、絵に描いたようなふわふわ専業主婦に収まっている。
天音の葛藤を何一つ知ることもなく。
その辺の扱いが詰めが甘いって言うか、納得いかなくて、BLとしての読後のカタルシスがそがれちゃうのが、ちょっと残念。

0

形にできないイロ・色・イロ

小さい頃から想いを口に出せなくて、絵を、というか色を塗り重ねることで表現してきた少年が主人公。
その想いを込めた色の意味を的確に感じ取り、それが自分の求めていたものだと、一途な気持ちを寄せる同学年の才能ある同級生よって、心を開かれていくお話は、その色が見えるようなきれいなお話でした。

主人公・天音がずっと色を塗り込めている絵は、義父となった絵画講師への叶わない恋心。
それを入学式の日、美術室に入ってきた百々(どうど)によって見られ、しかも、その叶わない恋を言い当てられてしまう。
不愉快な奴だと敬遠するのに、天音の絵が好きだと言う。
なのに学園祭に展示する絵の事で百々が言った言葉に、自分が否定されたような気がして、思わず義父に自分の心を打ち明けてしまうのです。

この義父への気持ち、本人が深刻に考えていたものが・・・!?・・・と簡単に覆され、すりかわってしまった展開に何とも驚きなのですが、
天音自体が、若干ネガティブ思考で内向きなので周囲に目が向いてなかったと考えれば、それもありなのか?
また、冒頭でいきなり百々が天音にむかい「~男への気持ち~」と対象が男と言いきっている部分に疑問を感じる。
お前はサイコかよ?とwww
そんな点が若干気になったものの、絵での感情表現という共通項を持った二人の絡みはとても、感情や精神的繋がりを感じて、しっとりと優しいものを感じさせます。
それは百々が、絵で天才的才能を持つ人間という設定だからこそありえるわけで。
彼にしか理解しえないものかもしれませんね。

百々とつきあうようになり、確かに天音は変わっていったと思いますが、まだ未熟でネガティブな感情しかカンバスにぶつけていなかったから、恋をした気持ちをカンバスに表現することに慣れてなくて、スランプに陥ったりする。
そうやって一歩一歩成長していくんだな、と、百々によって成長し、また百々も成長していっているんだと、思えるから、リアルさはないけれど、初々しくて甘い雰囲気が漂います。
この百々のおじいちゃんもいい味出してました。

全体的に、これ、といった大きなインパクトはないのですが、流してしまうとお綺麗物語で終わってしまうのかとも思うのですが、青年期の変わろうとする成長物語と思えば、これも青春物語なんですよね。

0

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