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koi ni ochita honyakuka
読んでみて、あ〜私はこういう話が本当に好みなんだなぁ、と実感しています。
主人公は、トップモデルの永井啓。
彼が行きつけの喫茶店で雰囲気のある年上男性に一目惚れして、という物語の始まりですが、浮ついた空気はなく、啓ははじめからとことん本気で出会えたことの幸福感を率直に表し、性急に求めず自然に、また運命的に再会できる事を望むのです。
その願いが叶い再び喫茶店で再会し、啓は自分の事を知って信頼して欲しいと仕事仲間に紹介したり。
そんな啓に、その男性・高田は12年前に死んだ恋人を忘れていない事を告げます。
この、2人ともが正直で、お互いに戸惑いながら距離感を詰めていく過程、それでいて心はあまり寄り添わないところ、それでも少しづつ近づこうとしまた受け入れようとする2人、そんな本気の恋愛のリアル度がいい。
モデルで美しく魅力的な啓は、自分の持つ引力や場の流れを使っての強引な関係を良しとしないし、知的な高田はそんな努力している啓を決して軽くあしらったりしない。
それでも若い啓は遂に言葉以上のものを欲してしまう。その時の初めてのベッドシーンのなんと官能的な事よ……。挿入は無し。けれど口もきけなくなるほど感じる啓。高田という男の愛し方というものを身をもって感じるシーンは実に素晴らしい。息を詰めて読みました。
最後まではしない高田にすがりつく。そこで初めて高田の過去の恋の結末を知らされる啓。
高田の過去は重くて、高田のかつての恋人は死んでしまった今でも、高田を強い呪いのような磁力で縛っている。
それでも啓は…諦めない啓は本当に良く頑張ってる。恋に飛び込んでいけないのは、大人で落ち着いた高田の方。
自分こそが囚われた姫だと悟った高田が今度は啓を追いかけて。ラスト近くに旅先まで追ってきた高田と啓が遂に最後まで結ばれます。ここのシーンもただのエロでなく非常に官能的ですが、私はそこよりも啓が読む高田の翻訳による短編小説が印象的でした。失った恋への激しい哀しみがやがて穏やかな祈りに変化していくさま、かの人の呼び声の懐かしさ……
本気の恋愛を読んだ、という満足感。限りなく神寄りの萌x2です。
久し振りの秀作品。
自分が思っている“秀先生のテイスト”に当て嵌まった作品でした^^
表紙の左メガネの方、静謐な空気をまとう翻訳家・高田。
表紙真ん中の、モデルの仕事は順調だが、実は“旬はそろそろ?”と悩む永井。
永井は、行きつけの喫茶店で初めて見る高田の持つ雰囲気が気になり、戸惑いながらも声を掛ける。
若くナンパな風体の永井に、最初は訝しがりながらも、話が進むにつれて親しみも加え、丁寧に答える高田。
そんな高田にもっと近付きたい永井と、明るく素直な永井が好ましい高田は親しくなっていくが・・・
ここから始まった、大人の恋。
初恋の凄惨な過去に引きずられたままの高田と真摯な想いをぶつける永井。
2人の間にある壁と恋の行方を、永井がモデルとしての将来の悩みを混じえて、作者は静かに進行させていきます。
短い間に密になった2人なので、肌を合わせてから、高田の過去を知った永井の戸惑いが辛いところです。
好きな相手も自分を好きだと分かっているのに、心の一部は支配されていて、生きている自分を苛む。
高田の初恋の相手・早熟なユキオのペシミズムが、残された高田を32才まで孤高でいさせた。
ユキオから解放されない事が、1人で逝かせてしまった高田の贖罪のようで、永井も諦めようとした時に、やっと・・・!
モデル仲間のミヤに永井への想いがあった事や、先輩のイチの優しいアドバイスが、全体が重くなり過ぎ無いようなエピソードになっていると思います。
佐々木先生の、目が色っぽいイラストも良いです♪
タイトルですが【閉じた恋の扉を叩いて】の方が小説全体に行き届いたもので、【恋に堕ちた翻訳家】はタイトルとして纏まっているけど?と思いました。
短い小説だけど、少し重め。
大正時代の“心中小説”のよう。
好きなコミカルBL小説を続けたので、良い引き締めになったと思います。
私としては、前半は「趣味じゃない」、後半は「萌×2」くらい。
なので前半読むのに時間がかかってしまった本です。
永井(受け)が高田(攻め)に一目惚れするところから物語が始まるのですが…
一目惚れから高田に声をかけるまで
高田と親しくなるのに近づくところ
高田がなんやかんや言いながら、ちょろっと永井をつまみ食いするところ
あたりまでが、どうにも二人の思考が変で共感出来なくて、宇宙人のお話を読んでるのかと思いなかなか読み進められなかったのです。
一目惚れ相手の家に突然押しかける永井の行動とか、応えられないと言いながら
中途半端にキスしたりする高田の思考が合わなかったんだと思います。
だけど、高田のトラウマが判明するあたりから急激に面白くなっていきました。
高田の半身であったユキオ。彼の思想~死までのお話を読みたいと思ったくらい。
まぁそれだと二人とも死んでBADENDになってしまいそうですけど……
完璧な融合を求めたユキオと、人は違うものなんだと言う永井の対比が興味深い。
最後はちゃんと高田も前に踏み出す事が出来ました。
ここからはもう甘い!!
今までの宇宙人はどこに行ったの!と言いたくなるくらいw
最後はちゃんと甘々で締めてくれてよ満足です、ほんとに。
丸ごと1冊表題作です。
永井(受け)の目線で進んでいきます。永井はモデルなのですが、仕事での悩みや成長もあり、恋愛オンリーではない大人な作品だと思います。
「恋に堕ちた翻訳家」という題名ですが、高田が恋に堕ちたのはいつだったのか…。そこが描写で表されていたら、おお!と思ったのですけれど、振り返っても思い出せません(汗)。
高田が過去と決別して永井に会いに行ったのが、永井が離れてようやく自覚をしたから。自分が永井を好きなんだと納得したからという自己完結というのが、いまいちすっきりしませんでした。ユキオが過去に書いていたものが出てくるわけでもないので、本当に高田自身の気持ちの問題だったのですよね。ベタですが、永井が怪我するとか何かあった方が、自分的には納得しやすかった気がしています。
高田が語る、ユキオとの過去が本当に重いもので、読んでいてキツかったというのもあります。それを振り切るほどのキッカケに、過去に負けないくらいの大きな出来事があったらなぁと思ってしまったのでした。
作中の終盤に登場する、高田が訳した小説と、両思いになった二人の後日談が甘かったので、それでようやく帳尻が合った感じです。
最後のイラスト、キスをする二人なのですが、こういう唇が登場しないという、直接的な描写じゃないイラストが、私はとても好きなので、素敵だなと感じました。
トラウマを持って過去の恋人に思いを残したままの攻めを、年下受けが頑張って振り向かせようとする話です。意固地なくらい堕ちて来ない攻めにイラつかない、気の長い方にお勧めします。