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yume jyanai mitai
線野(受け)視点の本編と、棚澤(攻め)視点の番外編が入ってます。
この話、本編だけだと棚澤の性格がイマイチ分からない(--;)
元妻の浮気、上司との不倫というダブルパンチで、底辺まで堕ちているのはわかりますが……
騙して住所聞き出すし、勝手に居座るし、なんかやな奴という印象だったのですが、どうも違うらしく。
本来は優しくて、頼れるリーダータイプだということが番外編でやっとわかりました(^^;)ゞ。
そして、性格的に厄介なのは千野の方。
うじうじと言うより、カラッと悩むタイプ。
ベランダから外を見ては「死にたい」と思うのですが、実際には死ねないことも自覚している。
こう言うことを淡々と、あっさり日常的に考えてしまうんです。
こういうのが実は一番怖い。
そんな千野が棚澤からの愛情をゆっくりと、でも確実に受け取っていく様子に、思わず涙してしまいました。
こう言う、静かな恋愛が好きです。
番外編で棚澤が「墓」の話をするところとか、さりげない独占欲の現れ何でしょうが、「墓」というチョイスが、静かな浮かれ具合を示しているとうか……しんみり甘いというか……。
とても好きな雰囲気でした。
読み終わって、カラーイラストを見て、またちょっとうるっときてしまいました〃
あとがきで、新婚のカップルと言ってますが、作品中、悩みの描写が多いので、私はベタベタ甘々ラブラブという感じはしませんでした。
どちらかと言うと静かな恋。
どちらも厄介な事情を抱えているので、「底辺の恋」という感じでしょうか。
最後まで「萌え」か「神」で迷っていましたが、雰囲気がとても好きなのと、久しぶりに泣けたので、「神」にします。
渡海奈穂先生の小説はお初で、自分好みな感じがした上にセールになっていたため読んでみました。
結果、とても良作でございました。
大学時代に片想いしていた友人。
5年ぶりに再開した彼は妻の不貞による離婚で荒みに荒んでいて、自分を頼って転がり込んできた...
という始まり方。
ある程度は展開が予想できるなぁと思いながら読み進めていったのですが、全然予想と違いました。
全体的に、登場人物の心理描写が容赦ないんです。
特に主人公の葛藤は鋭敏に描かれ、涙を禁じ得ません。
ご都合よろしく話が展開していかないので読者であるこちらも相応に苦しいのですが、だからこそ得られる素晴らしい読後感。
もっと知られて欲しい作品です。
私は生にバチバチに執着があり、願うならずっと生きていたいと思っているタイプで、今作の受けとは正反対のタイプなのですが、彼の心情がとても丁寧に描かれていて、かなりのめり込んで読んでしまいました。
受けの千野は希死念慮と言いますか、ふとした瞬間にあ、死にたいなと思うタイプでして、目を離したらいつの間にか消えてしまいそうな危うさがあります。
そして大学時代、恋人だった先輩に刺されたこともあり…と言う中々の薄幸な感じ。
だけどなんていうか、それでもちゃんと自立して生活し、死にたいと言う気持ちに苛まれながらも生きていこうとする所に好感が持てました。
大学時代に好きだった片思いの相手が家に転がりこんできて、という始まりなのですが、作中大きな出来事が起きるわけではないのですが、二人の行く末が気になってページを捲る手が止まりませんでした。
後半、攻めの棚澤のある発言にジーンときました。二人でこれから幸せになって欲しいなと心から思える二人でした。
「あ、死にたいな」と思う感覚や、突然空虚な気持ちに襲われて足がすくんでしまうこと、私はあると思います。それがどういった理由とか、こうだからって確定したわけがあるわけではないのですが、飲み込まれるように、ふとした時。
このお話は、そう言った感覚を持ち合わせた、千野(受)と、明るくて頼りがいがあったけれど、とある事情で荒んでしまった棚沢(攻)のお話です。
この話の特徴は、とてもキャラクター設定がこっていて、一人一人が深い事情を持っていて、孤独や悲しみ、痛みや絶望を持っていて、一言では表せないほど複雑であることが特徴的でした。
簡単に内容をまとめると、
千野は大学時代に、明るく優しい棚沢に恋をし、一世一代の思いで想いを告げるのですが、棚沢は同性間で恋愛をしたことがなく、「友達でいよう」と断ってしまいます。
その答えに応じるべく千野は棚沢のことを友達と想うために学校の先輩と付き合い始めるのですが、結局忘れられなくて、別れたいといいます。けれどそれに逆上した先輩は千野をナイフでさしてしまいます。
そのことが原因で千野は家族から縁を切られ、棚沢の前からも姿を消してしまいます。
それから数年経って、ある日千野の家になぜかすさんだ棚沢がやってきます。というのも「結婚した奥さんが実は結婚する前から自分の上司と浮気をしていた」という出来事があったせいでした。
そんな荒んでやさぐれた棚沢にいいように扱われる千野でしたが、やっぱり棚沢のことがまだ好きで、それを受け入れてしまします。
といったお話なのですが、これだけ読むととても重く苦しいお話のように感じますが、決してそんなことはなく、苦しいけれど苦しいなりに素敵な世界観で、人間くささがキャラクターそれぞれにあって、めくる手が止められませんでした。
正直ヤサグレ棚沢は見てて痛々しいですし、そんな八つ当たりしないで!となるほど千野に当り散らすのですが、お話を読み進むにつれてその理由が分かり、胸がときめいてしまいました。このことについては、本編をご覧ください!本当に素敵なワンシーンでした。
読後思ったのは、悲しいことや、辛いこと、苦しいことがあっても、
幸せって絶対やってくるというか、報われる瞬間ってあるんだなっと思いました。
最後に、前にレビューされた方も書かれているのですが、本当に一つ一つの描写や言葉選びや会話が丁寧で、ただ「好き」という感情がこんなにも綺麗で優しいものだと改めて思い直すような作品でした。
お墓というチョイスも素敵でした。
ノンケ×ゲイの、片思いのお話が好きな方には、是非オススメしたい作品です!
素敵な作品ありがとうございました。
胸が苦しかったです!
評価的には神に果てしなく近い萌えということで!!
ただの再会モノ、傷の舐めあい、ぬるま湯じゃないんです。
そして、ほだされのようでもありながら、そうとも言い切れない。
攻めの事情に、受けの事情、そんなものの絡まり具合に実に絶妙なバランスを醸し出し、苦しく胸を締め付けてどちらの心情にも肩入れすることが出来て思わず涙腺まで刺激されてしまいました。
この主人公・千野の大学時代の片想い相手である棚澤が突然彼の家に転がり込んで居候してくるのですが、
それは、妻が上司と不倫をしていてそれにより結婚生活も職も失った自暴自棄な結果であるのですが。
どうして、大学卒業以来交わりのない、ましてや千野の気持ちを知っていた上で彼の家に転がり込んでくるのですから、すごく図太く無神経でイヤな奴という印象を受けるのです。
確かに他の仲好くしている友人でいいでないか?とも思うのですが、こういう場合って、よく事情を知らないでも、甘やかしてくれそうな人の元へ行きたくなるものです。
そう言う点で、大学時代しか知らないであろう千野は、もちろんうってつけで、過去自分を好きだったということを知っていますから、それでも友人でいつづけたのですから千野を頼ってしかるべきだなとは思えたのです。
ものすごくショックは大きく、それが千野が棚澤を慰めた時からのなし崩しの関係に発展していきながら、段々と立ち直っていく姿。
ラストには執着を見せることから、この人はものすごく一生懸命、真剣に人を愛する人なんだということがわかります。
だから妻の不貞にあれだけショックを受ける。
そして、千野の事も色々知ることによって彼へも一生懸命の愛を感じるようになるのだと、
彼の結構傲慢そうでで熱い(暑苦しい?)男ぶりに、それはそれで魅力を感じるのです。
一方、千野の姿ですが、彼のネガティブ思考、単なる同情を誘うものだけではないです。
彼の家庭環境、その思考から不運をひいてきてしまったから積極的になれないのは、一朝一夕に治るものではないし、いつもあきらめを伴う、そして口癖のように「死にたい」と思う感情。
何かすごく解る気がします。
本当に死にたいわけじゃない。
現状を打破できなくて、でもそこから逃れたいというおまじないの呪文のようなものなのですよね、こういう人にとっては、、、
いつもいつも、棚澤はいつか女性の元へ戻っていってしまうんだとあきらめを感じながらも、それでも自分が欲しがられている、彼の満たしていると感じてしまうその姿に切なさをひしひしと感じ取ることが出来ました。
書き下ろしにて、千野の兄が登場します。
思わず兄弟ホモじゃなくてよかったと(何か「不埒なモンタージュ」を連想してしまったので)思わず比較してしまった(汗、、)
そこで、棚澤がお墓の話をするのですよね。
実質のプロポーズ。
執着もあるんだけどやっぱり、この男はまっすぐで一途で熱い男なんだって思いましたよ。
二人の結びつきが、身体がよかったからとかそういうウエイトはほとんど低くて、相手を知ることによって好きになっていく、
そんな部分が丁寧で、とてもとても好感のもてる展開でよかったです。
この二人、バカップルぶりが想像できて、本編ではハラハラしたのがうそみたいに幸せな気持ちになりましたw