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1999年初版本。花本安嗣さんのイラストなので手元に欲しくて。商業デビュー作『帰る場所』が喫茶店を舞台にした家族ドラマがメインのお話だったと思うんだけど、その次作に当たる本作も女性や子供が出てくるお話。ちなみに、『帰る場所』旧版イラストも花本さん。(これを載せるために確認しようと久しぶりにHPを訪れたら削除されていて悲しかった…)
裏の主人公は僚平(受け)の義姉、いずみかもしれない。高校生の僚平が自転車事故を起こした時に助けてくれた社会人の高階。二人は関係を持つようになって、高階がいずみの父が務める会社の人間だった繋がりで、いずみと高階が結婚することになり、僚平は恋を終わらせる。
実はその結婚には裏があって、物理的に離れ離れになっても高階の方は僚平のことをまだ思っている。というのも、僚平はスポーツ特待生で高校に入ったものの、事故の怪我で復帰できなくなり、同時期にいずみの父と再婚した母が事故で亡くなってしまったため、実父の元に戻ることになった僚平は逃げるように高階の元を去ったから。
3年が経ち、大学生の僚平は高校時代から慕われている後輩の大型ワンコ・左右田と体込みのお付き合いをしている。そこへ、栄転してきた高階といずみが息子と三人で僚平と父親の住むマンションへ居候することになり…。
はじめ、高階が僚平に一途で、一緒になれなかったのはワケあってのこと、みたいなのが仄めかされていて、切ないトーンなの。左右田がうっとおしいくらいで。でも、終盤、高階が冷たくて卑劣な男だったってのが見えてきて、左右田の株が急上昇するパターン。椎崎さんて、時々酷い男を描くんだよね。その原型を見たような気がしたよ。
花本さんのイラストはやっぱり大人っぽくて、上品で、あったかくて、ちょっと悲しくて好きだ。