月に降る花

月に降る花
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌2
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
2
得点
12
評価数
7
平均
2.3 / 5
神率
0%
著者
草川かおり 

作家さんの新作発表
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イラスト
北畠あけ乃 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
発売日
価格
ISBN
9784062866644

あらすじ

男遊女の悲しき純愛!
苦界(くがい)のさだめに逆らう2人!
「いっしょにいたい」。願いはただそれだけ……

江戸時代後期、遊女屋が立ち並ぶ吉原の奥に遊郭・月花楼があった。月花楼にいるのは、男遊女と言われる見目麗しい男たち。男が男に身をひさぐ場所――。そんな月花楼に、幼くして売られてきた浮雲と夕凪は、まるで兄弟のようにいたわり合って育ってきた。だが、夕凪が初めて客をとる日が決まったときから、浮雲の思いは千々に乱れはじめる――。男遊女の一途な思いは、苦界に生きる宿命を乗り越えられるのか!?

(出版社より)

表題作月に降る花

月花楼の売れっ子男花魁、21歳
浮雲の妹花魁、15~6歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数2

丁寧に書かれた作品

新人作家さんだからか、一文一文、とても丁寧に書かれた作品だなというのが伝わってきました。描写がいちいち綺麗なかんじなので、せつなくて耽美な雰囲気が全体に散っています。切ないBL小説お好きな方にはハマる作品だと思います。

一言で言ってしまえば花魁×花魁の遊郭ものBLですが、お客×花魁の遊郭ものばかり読んでいた私には新鮮でした。お客×花魁ですとだいたい身請けされてハッピーエンドですが、花魁×花魁だとどうする気なんだろうと面白く読めました。
北畠さんの挿絵も良かったです!

また水揚げ(初めて客をとる日のことみたいです)シーンのあとの攻とのやりとりはとても良かったです。そこまで誰かを想える強さ……というのはすごいなと。

あとがきで書かれていましたが攻がちょっとヘタレ気味でハラハラしましたが、がんばるシーンもあって相殺かなと。かっこいいだけじゃない、人間っぽい攻でした。受はとにかくまっすぐで健気で芯のある受で、ひたむきに相手を思う気持ちに胸打たれました。

あと、まわりのキャラクターがかなりたっていて、なかでも姉御っぽい男花魁が出てくるのですが、そのキャラが魅力的でした!そのキャラクターのセリフがかっこよかった!
悪役もいるのですが、悪役の抱えるものも書いてあって、作品に奥行が出たと思います。

続編もあるのかなという終わり方だったので、とりあえず評価は萌で。あとがきに初稿とラストが変更になっていると書かれていたので、それも気になります。もし続編あれば読みたい作品です。

1

耽美調の遊郭モノです

男遊郭モノで作者さんのデビュー作品だそうです。
遊郭という特徴を最大限に生かした、赦されない想いに苦しむ花魁達。
全く、ノーマルものでもありうる設定をまんま男で置き換えて展開しているので、無難といえば無難なのですが、難を言えば、面白みがない。
世界が遊郭だけに、耽美調で進む展開ですが、どんなに文章を凝らしても、その描写や風景があまりすんなりとは入ってきませんでした。
主人公の名前が”浮雲”と”夕凪”そして過去の因縁の花魁に”花宴””輝夜”と自然にちなんだ名前が多いせいか、季節や草木の描写も多く、人物描写にもそういった自然のものを比喩した手法が沢山とられていますが、何か不自然さを感じてしまい、ありきたりの稚拙な感じを与えてしまいます。
今一つ、世界観にどっぷりと浸かることはできなかった、というのが感想です。
但し、この世界観が好きな人にはきっと好きなんだろうな、とは思います。

夕凪を赤ん坊の頃から世話をして、その成長を見守って来た浮雲は、夕凪とは互いに想い合う仲です。
夕凪のいよいよ水揚げの日を迎え、浮雲は気が気でない。
夕凪の美しさは、過去、この遊郭を盛り上げて非業の死を遂げた花宴にそっくりで、皆が夕凪に執着する。
花宴の非業の死に関わった、旦那の桐嶋は夕凪に執着するあまり、そそのかされて、浮雲を身受けすることで二人を引き裂く。
また、過去の過ちを犯すのか?

浮雲、楼主の太一、桐嶋、彼等はみな夕凪に惹かれている。
また同じ花魁の揚羽は太一に惚れており、嫌がらせをする椿鬼は浮雲が好きなようだ。
誰もが叶わぬ想いを抱いて遊郭で生活している。
多分、そんな苦しみと悲しさを作者は押し出したく、それでも花宴と輝夜のような悲恋にはならないで、力強く自分に与えられた運命の中で懸命に生きていこうとする、遊女の姿を描きだしたいのだとは思います。

結末は、決してハッピーエンドとは呼ぶには切ないものではありますが、二人は引き裂かれなかっただけ、まだまし、という結末なのでしょうか。
それにしても、こんな遊郭では楼はつぶれてしまいますよ(汗、)
太一が楼主にしては甘すぎるのです。
あらがえない運命の中にありながら、寄りそう二人。
その雰囲気だけで酔うには、ちょっと、、、
むしろ、彼等の悲しさやはかなさを演出するのには、対比として彼等の楽しかった出来事、思い出、苦労した出来事など、緩急になるようなエピソードの盛り込みが欲しかったと思いました。

それにしても、普通遊郭って、10代の男になる前の少年が中心になるのですが、この話浮雲は21だし、揚羽に至っては・・・!?
ちょっと、トウが立っている年齢設定のような気もします。

作者さんの目指したいもの、世界観は何気に見えてはいますが、自分には消化不足のような気がしました。
厳しい評価でゴメンナサイ!

2

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