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renaishousetsu wa kakenai
奇人・変人な攻め/受けキャラは多いけど、そんなキャラ本人の視点の話で、自分の思考回路を理路整然と説明している話ってなかなか珍しいんじゃないでしょうか?
モデル並みの容姿でゲイの人気小説家・透哉。
その奇怪な言動故に編集からも煙たがられ、愛犬・ゆずしお相手にひとりごとを言うのが日常の彼ですが、彼視点で行動を追っていくと、突飛な行動にもちゃんと意味があるのです。
女性キャラの上手い台詞が浮かばない!ーーーーーーー→死体になりきってみよう!
好きな相手(ノンケ)に下心がないと信じて欲しいーーー→裸で同衾しよう!
こんな感じで、A→Bの結論に行き着くまでの過程が、彼なりの論理で説明してあって。
「なるほど分からん」って感じもあるけど、透哉なりに合理性を考え、また周りのことを最大限思いやった結果、ちょっと斜め上の行動に出てしまうのです。
そして、透哉は過去の辛い失恋体験から、自分の性癖や性格が人に馬鹿にされたり、気持ち悪がられたりすることもある程度分かっていて、なるべく不快感を他人に与えないよう振舞っている一面もあり、遠慮がないようで実はすごく健気でいい人です。
そんな透哉の小説の大ファンで、Vシネに出てくる悪役のような出で立ちの編集・甲斐。
透哉が、好みとは正反対の容姿なのに好きになってしまった人物です。
彼は、自分が透哉に本気で惚れられているとは思ってもおらず、透哉の色んな気遣い・アプローチに対して、時に苛立ち、時に心配してひたすら突っ込みまくる。
キレ突っ込みが過ぎて、キックが炸裂することもあり、漫画だとギャグ場面などで普通に見られるシーンなんだろうけど、小説でまともに書かれると少し引いてしまうところもありました。(実は、透哉に痛みを与えないよう配慮している…というフォローが後で入るんですが、透哉が色々と健気なので少々可哀想に思えてしまって。)
すれ違いに次ぐすれ違いが続き、甲斐が透哉の内面や可愛さに少しづつ気づき、ありのままの透哉を好きだと言うシーンにたどり着いたときはホッとしました。
個人的に甲斐の態度は上から目線に思えて、あまり好きではないものの、不器用で言葉は乱暴だけど甲斐なりに透哉を大事に思っていることが端々に分かるし、
くっついた後の「おこた活用法」はほっこりしていいエピでした。
個人的に脇役で好きだったのは、透哉のぶっ飛んだ相談の聞き役にされている精神科医・田山。キレ突っ込みの甲斐と違い、透哉の思考回路に疲労困憊して力無く諭す感じがツボでした。今後も、透哉の相談(ノロケ)相手として偏頭痛と胃痛に悩ませられる日々を
送るんだろうなー…。憐れすぎるけど、ナイス脇役でしたw
一見、作家と編集者というベタで凡庸な設定をここまで新鮮に描き出してくれるとは感動です。キャラクターも抜群に良いし、何よりも恋に必要不可欠の擦れ違い勘違いを巧く取り入れてるのは感嘆ものでした。真正ゲイでバリタチで美貌と才能の持ち主の神野は、趣味の悪いVシネのヤクザ顔の甲斐に出会い恋に落ちるんです。恋したらタイプなんて関係ない、自分を理解してくれ、その人といると居心地が良いというこれまでにない思いを抱くのはよくある事です。よくある事をストレートに描くのではなく、ノーマルな指向の甲斐に対しての神野の無垢な純粋さ故に距離が出来ます。恋の相談に応じるカウンセラーの先生とのやり取りもまたこの小説の大きな要。会話のやり取りが面白い、この会話が全編に渡り生き生きしてるのも魅力なのでしょう。甲斐も大変に悩みますが振り回されてる様も魅力にハマる様も面白い。そして甲斐のおかげで(受)になった神野がよりパワーアップしてばく進してる様は萌えました。こんなに充実度の濃ゆい作品に出会えて良かったです。
絶賛です!
雨月先生と本間先生のmixed upの面白くて可愛くて切ない本作は、今の自分の1番です!
「答えて姐さん!!」でギャグ作品を問うてたのですが、お答え頂いたタイトルを捜している中の大幸運!巡り合えた事に感謝です!
主人公「神野透哉」は、遠めからは、美貌・金・才に恵まれた売れっ子作家。でもその実態は、奇人変人で、美人好きなバリタチ。
その神野に対するは、超強面で生真面目な「甲斐幸正」。
担当編集者になる前からの神野作品の大ファンで、今も困惑しながらも真摯に神野に向き合っている。
ネタバレ注意
執筆中の神野、クライマックスの決め科白がどうも自分ではないと、
「あああぁぁ・・・」とかれこれ20分も奇声を発しながら、畳に何度も突っ伏している。
そこに、愛犬「ゆずしお」が散歩を催促。
愛犬と目が合い神野が叫ぶ。
「見るな!お前と目を合わせられない程、僕は恥ずかしい!」
羞恥に顔を赤らめ、手で顔を覆いゴロゴロと転げまわる神野。
ふと、冷静になろうと「頭に掛けるもの」を思い浮かべる。
そして口にする。
「えっと、トマトジュースかケチャップ・・」(血糊の代わりだ)
「また・・死体ごっこですか?」(諦)
そこに、無愛想極まりないドスの利いた低い声。
「!」「ゆずしおが喋ったーっ!」(神野・仰天)
そんな訳はない。
※本文ではありません。
もう、最初からダメ・・苦ゝゝ、苦しい!
何度腹筋に力が入ったか、鼻口から吹いたか、声出して笑ったか!
文章が色々と修飾されて長いのだけど、目で追う事がが全然苦にならないし、次はどんな言い回しでくるのか期待してる程。
(特に甲斐が主語の時は怒濤の修飾!)
神野の、この人何言っているの?何処行っちゃうの?的な会話も、くるくる回りながらちゃんと答えになって帰ってくる。
その巧さに思わず二ヤリとするんです。
そして、シリアス部分。
神野は、自分が奇人変人でゲイで、他人から好かれない事を十分承知している。
親からも好きになった友人からも悲しい思いを経験した。
だけど自分を変えられない。だから好かれないのは仕方が無い。
甲斐くんがこんな自分から離れていかないのは、ただ小説の為。
だから、想うだけなら良いよね・・・体現しないから・・・
普通ならこれでもOKなのに、いや~もっと複雑なんです!
混迷しまくりですから!
でも言っちゃダメだよね?
神野を迷わし神野に悩まされる精神科医も、ゆずしおの主人思いの判断も、良い味だしています!
思うに、この小説の面白さの1%も表せていません。ゴメンナサイ。
自分の力が及ばず悔しいです!
なので、是非、手にとってみて下さい!お勧めです!
強面の編集者・甲斐〔攻〕と、天然気質な人気小説家・神野〔受〕
全体的にコミカルタッチで書かれてるんですが、それがもうおもろいの何の!
神野のもはや思考回路の繋がりがどっか壊れてるんじゃないかと思う位の変人っぷりと寄行がつきぬけちゃってます。
BLジャンルにとどまらず小説家が変人に書かれてるって事はよくありますが、神野の場合は変人さがたまらなくおもろいです。
彼はゲイでそれを恥じてはいません、そしてタチで美青年タイプがお好み。
思考はとことんネガティブ。
そんな彼が、なぜか自分の好みとは正反対な甲斐に心魅かれてしまう。
甲斐と神野の会話もおもろいんですが、神野の担当精神科医である田山とのおもいっきりかみ合っていないカウンセリングにも笑いました。
文章の表現自体も笑いツボを得ているというかともかくいちいちおもろいです。
作品ファンでもあった神野の行動に呆れながらも、次第にそれを好ましいと感じ始める甲斐。
最後まで神野がタチ気質なのもこれは将来的にはリバも有りかーーって想像させる楽しい終わり方でした。
あと神野の飼い犬のうずしおちゃんがもっそい可愛いです。
凄くツボを抑えていて展開も上手いコミカル系作品だと思います。
これ読むとツボる人って多いと思いますよ、これは評判になって欲しいなあ。
かなり自分的には押します!!
大好きな本間アキラ先生のイラストに大好きなモフモフわんこ!そして小説家の話!
いちかばちかで買ってみたら大当たりでした(笑)
雨月夜道先生の作品は初めてなんですが,笑いました。
私の笑いのツボを刺激しまくりの作品でした。
予想を裏切る斜め上の言動,二人のやり取りが面白かったです!
脇役の精神科医の先生のやり取りも最高でした。
先生かわいそうなんだけどね(笑)
最後のおこた活用法の話良かったですねー!
雨月夜道先生のデビュー作品なんですね!びっくりしました。
こんなに面白いコメディー小説を書く作家さんなかなかいないですからね!
次も期待して『神』評価です!
実はものすごいネガティブな下地があるのに、ものすごいポジティブな神野が羨ましくなった。
個性的な神野と精神科医の会話に、何度も声を出して笑ってしまった。
コメディとして、かなり面白く読めた。
オススメです♥︎
こちらでオススメして頂いた小説の内の1冊です。
ベストセラー作家でバリタチの神野と、神野が恋した年下でヤクザな風貌が否めない担当作家の甲斐のお話。
一見神野の見た目は中性的な魅力がありますが、中身はオトコマエ。
というのも、据え膳食わずに我慢しまくり(笑)
元々据え膳に仕立て上げたのも神野の力量ですが、それでも我慢出来た彼はエライ(笑)
とにかく面白かったです!
話の流れや会話、モノローグがいちいち良い意味で裏切ってくれる!
するとこちらは「おぉ!」って思うし、途端に思わず笑ってしまいます。
「脳内妄想は許して欲しい」とか突然言われても、相手は困ると思います(笑)
それに、神野はダメダメな変人かと思いきや。
甲斐に対して怒鳴りつける所とか、凄く筋が通っている。
自分の過去の経験から、自分自身で縛りつけてきた過程。
それがあるから、甲斐に対して憤りを感じたのでしょう。神野は全く間違えていない。
神野が彼に怒るという事は、余程の事だったのだと。
甲斐が自分の気持ちに気付き、神野の傍にいきたいと思う流れも好きでした。
あの途端の執着とか死ぬほど好きです(笑)
「神野が甘えてくれない!何も言ってくれない!」なんてモヤモヤする甲斐。
でも神野いわく、「甘えさせてくれてそれに喜ぶのに精一杯」だったとか…
……めっちゃギュンときちゃったんですけどっ!(ハアハア)
甲斐は好きになったら一気に加速しちゃって、自分こそ彼を求めまくっていたんですね。
笑えるし、その上キュンとすることも出来て大満足でした♪
ただ、あの精神科医だけは不憫きわまりないですね(笑)
ぶっ飛んだ話で、すごく面白かったです。
常人では想像もできないようなヘンテコな思考回路の持ち主の受け。
でも、受けのなかではしっかりと辻褄があっていて、読んでくうちにこの思考回路に違和感がなくなっていく。不思議な感覚を味わいました。
プロフィール上の変人設定ってよくあるんだけど、実際の描写はたいして変人じゃないってパターンのお話は多いんですよね。もしくは途中から不自然なほどマトモな人になっちゃうパターンとか。
でもこの受けは違います。最後の最後まで変人思考のまんまです。この貫きっぷりが良かったなァ。
で、この受けに読者以上に振り回されるのが攻め。
噛み合わない。とにかく、何もかもが噛み合わない。
私たち読者は神の視点から見てるから分かるんですが、そんな視点のまったくない攻めはひたすら受けの謎思考回路にアタフタさせられるばかりで。これがもう気の毒やら面白いやら。
いい加減気づけばいいのに、攻めもなかなかに強情で、最後の最後まで噛み合ってないのがこれまた良かったです。
でも、噛み合ってないなりにちゃんとお互いを好きなんだよね。それが違和感なく納得できるストーリー運びは本当にGJでした。
あと、ワクテカが持続し続けた理由のひとつに、受けはタチ専門だったことがありますね。
濡れ場への期待が否応なしに高まるのですよ!
そのわりに濡れ場描写はアッサリだったのはちょっと残念ではありましたが。
ユーモアたっぷりの作品です。
変わり種のBL小説をお探しのかたにオススメ。
売れっ子作家である神野と編集者の甲斐の話なんですが、この神野がとにかく変人。甲斐にどんなひどいことを言われてもプラスに受けとるあのポジティブシンキング…もうぶっとんでます。
だからこそ、ある女性作家と甲斐の仲を誤解した神野が気をきかせて喫茶店から去ろうとしたときに、甲斐に言われた「この状況を嫌がればいい。」というセリフに対して激怒したことが意外でした。たしかに自分に応える気もないくせに嫉妬しろ、と言われたらむかつきますよね。でも、神野は普通の感覚ではないので、怒って当たり前のところで怒っているのがびっくりというか。まぁ過去のトラウマから怒っていたわけですが、たとえ変人でも傷つくことはありますよね。神野は変人で怒らないから、ひどいことを言っても傷つかないと思っていろいろ言われてきたんだと思うとちょっと不憫になりました。
不憫といえば精神科医の田山ですね。神野にふりまわされ、胃に穴があき入院。かわいそうすぎる(笑)
話はちがいますが、この話みたいに受と攻の視点が交互に入れ替わる話が好きです。どっちの気持ちも知りたいので。もっとこういう感じの話があったらいいなぁ。
雨月先生の初めての本とのこと。初めてでこれ?うそーーーーーー?? と驚愕の大爆笑ものでした。
変人奇人がお好きな方、上下をめぐって少々バトルありなんだけど、読者には上下決定済というお話が好きな方、ドタバタではないコメディが好きな方には本当にオススメしたいー と思う一冊。地雷はあんまり思いつきません。本編210Pほど+あとがき+後日談22Pほど で、あまりの変人奇人ぶりに神をつけるのは少し躊躇われたので萌2です。
登場人物は、強面編集者、変人売れっ子ミステリー作家、ちょっと可哀想に思えてくる精神科医、前の担当編集者、飼い犬ゆずしお(表紙の子、しゃべりません)です。
お話はあらすじにある通りで、とにかく、この作家がぶっ飛んでる!正直、よく通報されなかったなと思います。他人事としては笑えますが、自分の身近にいたら、申し訳ないけど対応できる自信はないです、はい。
そんな尋常ではない性格になった理由はちゃんとあって、そこはせつないのですが、とにかくぶっ飛びすぎて、そんなせつなさなんて、微塵も残りません。ひたすら笑って、きゅーんしました。
そして一言もしゃべりませんが、ゆずしおがさりげなく会話に参加する箇所もあり、めちゃくちゃキュートです。中の挿絵10枚のうち1枚ゆずしおが描かれていて、そのシーンは受けもめちゃくちゃ可愛くて、超癒されます♡
挿絵の先生は初めましての先生だったんですが、強面がめちゃ良かったです。1枚色っぽいシーンは強面さんが頑張ってるところなんですが、すんごく色っぽい!強面がお好きな人には一見の価値ありなんではと思うんですけどね・・・
******以下はめっちゃ 内容に触れる感想
実は上下でもめる話ってあまり手に取ったことがなかったので、むっちゃぶっ飛びました。どう考えてもアンタ下でしょ、と何回突っ込んだことか(爆)。唯一気の毒でしょうがなかったのが、尋常ではない作家を担当する精神科医さん。ノンケなのにこのぶっ飛び作家の上下相談等に巻き込まれて、胃潰瘍になってしまうんです。この精神科医さんだけは深く同情するなあ。こんなに通常の会話が成立しない患者さんが担当にいたら、そりゃ病気なるよ(笑)
なにかのトピでこの本を教えていただいたのですが、自分だけではまず手に取らなかったと思います。
教えてくださった皆様に超絶感謝!ああ、面白かった。気分転換に最高です!