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優しいキスはいらない 愛されていると錯覚するから
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
とある国の王子様と平凡な日本人のお話。
子連れものというんでしょうか、正確には甥なのですが。
亡くなった姉の代わりに二歳の甥、譲と生活している受け様。
そこへ突然やってきた攻め様はなんととある国の王子様で、自分の兄が譲の父だと主張します。
攻め様は未来の王である譲を自国につれ帰ろうとするのですが受け様は猛反対。
結局は彼に逆らえず、彼の国までついていってしまう受け様……
どこかの国の王子様に見初められて連れてかれるっていう話はよくあると思いますが、こちらでは攻め様が初めから受け様のことを好きだったわけではなく、あくまで甥っこのおまけでついてきてしまったという感じ。
なので、だんだん受け様のことが気になってくる段階が楽しめます。
が、ただこの受け様、結構、いやかなりネガティブな性格でちょっとイラッとしてしまいました…
うだうだした受け様が苦手な方は読むのがつらいかもしれません。
とりあえず、甥っこの譲はとてもかわいかったです。
BLによくある王族に見初められて、というハーレクインっぽい玉の輿ものかと思ったらちがったようです。
どちらかといえば小公女?
シンデレラ?
おとぎばなしチックなんですけど、主人公の受けは運命にながされるまま、とにかく耐えるだけ。このひと、自分で行動したことってあるのかな。
両親を早くに亡くして、親代わりの姉が外国で恋をして、妊娠したけど一人で産むというので、一緒に育てて、その姉が不慮の事故で死んでしまうと、甥を一人で育てるために四苦八苦して、もう限界が来てる状態で、救いの神のように王子様があらわれるんですが、その王子様は冷たくて、・・・・といった流れで始まるので、こういったはなしが好きな自分は、わくわくしながら読んだんですが、ちっとも自分から行動しない。
嫌がらせにも黙って耐えるだけ。
昼間は暇だから雑用を手伝うという発想も理解に苦しむ。
BLなんてあり得ないことだらけなんだけど、この国もありえないような?
リアリティがないならないで、もっとぶっ飛んでいれば、ないないありえないと突っ込みながら楽しむんですが、そういうノリでもなく・・・
よく「どこで攻めが受けを好きになったのかわからなかった」といった書評や感想を見かけると、あなたが読み取れなかっただけなんじゃないの、と冷めた気分になるんですが、これはほんとうにわからなかった。
わたしには残念ながら、この小説の中から読み取る読解力がないようです。
イラストも、いろいろ突っ込みどころが多かった。
甥はかわいいんだけど、スーツの描き方がそれらしくないので、攻めは少しもかっこよくみえなかった。
ぱっと見ると、きれいな表紙だし、設定やおはなしの展開もありふれた王道で、誰でも好きなもの、少なくとも自分は大好きなものだと思うんですが、それにしては残念な印象が・・・・文章も丁寧で、とても読みやすいのに、だからといって内容が薄いというか、だから、それがなんなのと首を傾げたくなるような・・・・
続刊があるので、きっとおもしろいんだろうと期待して、2冊一緒に買ってしまっただけに・・・・・正直、この本がどうこうという前に、自分の鼻のきかなさ、勘のなさに自己嫌悪に陥りそうです。