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yume kara sameta koibito wa
設定が面白かった!に尽きるお話でした。
良は、愛人としてパトロンを渡り歩いているのですが、
「雇い主」である傲慢で、仕事人間な鳴海が、
記憶喪失により、性格が誠実に良のことを見てくれるようになります。
そんな鳴海のことが気になるようになるのですが、
記憶が戻ってしまったら、以前のように自分のことを
何とも思っていない人になってしまうと思い、恐れ・・・
というものでした。
なんか、もうちょこっとあったらな~というのが、感想です。
設定が面白かった分、その設定で終わってしまった感が否めません。
短編が入っているのですが、こちらが鳴海目線になるとかだと
面白さが広がったかもしれません。
と、あまり良い感想ではありませんが、一読の価値はあるかと思います。
記憶喪失と愛人設定が面白そうで読む前から期待しすぎて、後半は若干物足りなさを感じたかな。でも最終的には満足できる終わり方だったので良かったです。
ちなみに記憶が戻ってからの鳴海が一番好きです。不器用ながらも良に気持ちを伝えるのが萌え。
記憶喪失中はやっぱり全くの別人な気がしてしまうので。
良に対しては実はそんなに思い入れがなかったりします(笑)好みの性格かと思ったんですけどね。なんとも気持ちを入れにくいキャラクターだったなあ。
でも鳴海の息子である勇哉くんとのふれ合いは良かったですね。子供に好かれる受けは魅力的です。
結局愛がないと思っていた愛人生活ですが、鳴海はずっと良のことを愛していたんです。それこそ記憶喪失になる前から。罵倒されても平然としている良に実は心をかき乱されていたのでしょうね。
本編後の短編では、相変わらず良の身辺調査をさせる鳴海。仕事仲間にまで嫉妬するのは流石に…(笑)このウザさが可愛い。
恋をする相手は1人なんですが、記憶喪失になることによって相手役の鳴海が全くの別人になるので、このお話は実質攻めが2人いたと考えるのが妥当ではないでしょうか。
記憶喪失になる以前の鳴海は、傲岸不遜で取り付く島もない冷たい男です。
仕事にしか興味がないようで、しかもその仕事でさえも楽しんでやっているわけではない。
良もそんな鳴海を見て寂しい男だと感じています。
良との付き合いも非常に冷え切った、体とお金だけで繋がっている愛人とパトロンというもの。
良も情のあるセックスを恋しく感じ早く手を切りたいと考えています。
ところが記憶喪失になった鳴海はというと、以前とは全くの別人。
優しくて穏やか、それに何より素直です。
良への気持ちも隠すことなく、愛しいと感じたらすぐに口に出します。
同じ男とはいえこうも違うと、もはや攻めは2人ですよね。
記憶喪失中の鳴海の優しさや愛情にほだされ、いつしか同じ気持ちを返すようになっていた良。
この時点でもはや本当の(?)鳴海の存在は無視されています(笑)
むしろ記憶が戻ると捨てられる、と怯えている良からすると消えてほしい存在なわけで…
そう考えると冷たい態度を貫いていた自業自得とはいえ以前の鳴海が可哀想ですね…笑
とはいえこのまま記憶が戻らない状況が続くわけでもなく、もし続いたとしても良自身、いつ戻って捨てられるのかという恐怖が膨らむばかりで気は休まらなかったでしょうし。
これで良かったんでしょうね。
鳴海も記憶喪失中の自分を見習って少しでも素直になればいいと思うのですが、ただいまの一言さえうまく言えない今の鳴海の方が可愛らしくて私は好きだなと思いました。
題名からわかる如く、記憶喪失ものです。
とっても傲慢でオレ様で、愛なんてこれっぽっちも感じていなかった攻めが、記憶を失ったらとても優しくてイイ人になっていて。
そんな彼へのとまどいと、苦悩を感じる受けの姿が、切なさと少しの苦しさを含んで大人のお伽話に仕上がっておりました。
愛することも愛されることも、割り切った縁のない、パトロンを持つ愛人生活を続けてきた良の現在の愛人は大手食品会社の社長の息子で時期社長といわれる鳴海。
いつも険しい顔で、細かく、毒舌ばかりを吐いて、良の名前も呼びもしなければ、まるでただ性欲を吐き出すモノのようにしか扱わない男。
今までのパトロンには、それなりに愛着もあったり、優しくされたり、そういう良好な関係があったのに、鳴海には全くそういう部分がないので、もう愛人契約も解消したいと思っていたところ、突然、鳴海が記憶を失ったので、彼のプライベートを知る良に記憶を取り戻す手伝いとして側にいてほしいと、鳴海の秘書から依頼される。
記憶喪失後の鳴海は、まるで別人のように優しくとまどう良であったのだが・・・
最初の良と、記憶を失った鳴海と接するようになった良は、別人?みたいに見えます。
もちろん、鳴海は記憶を失ったことで別人になったのはわかるのですが。
わりと、日常に飲み込まれるように当たり前のように愛人生活を受け入れ、自分を磨くことはするけれどマイペースで、気ままな感じの良が、鳴海と、鳴海の子供を世話するようになったら、途端に恋する乙女(?)になってしまって!?
本当は愛が欲しくて愛すること、愛されることに飢えていたから、それを満たしてくれる鳴海親子と共に生活することで、本来の良の姿が出てきたのか?と理解すればいいのでしょうか?
鳴海の優しさに、記憶が戻れば今の優しい鳴海はいなくなり、また元の殺伐とした人に戻ってしまうからと、そんな不安を抱えるのは当然でしょうが、それ以前の良の気持ちの描写では、まさかそんな風になるとは?だったのですよね。
本当は優しくされたかった・・・
鳴海も、頭を打撲したのか、それともストレスからか記憶喪失になったようなのですが、それによって現れた人格は、本当は自分がそうありたかったと望む人格だったようです。
大きな事故で、という記憶障害ではないようなので、その戻りは実は緩やかに戻ってきていた。
という設定は、ちょっとよく見る記憶障害とは違う感じかな?と思います。
ただ、どうして鳴海がそこまで冷酷で傲慢な性格になってしまったのか、そんな経緯は語られていないので、ただその身分からのプレッシャーというには余りに理由が弱すぎるような気もしました。
子供が登場して、良をお母さんみたいと言わせる。
良も自分が与えられなかった親からの愛があり、だからそれを鳴海の子供に与えてやりたいと思い、心から優しくなれる。
そして、本当は鳴海を愛したかった。
鳴海も、冷たくあたるんではなくて良を素直に愛してあげたかった。
そんな本音が、記憶障害を通して通い合わせることができたので、この二人はうまくいくという、ごくごく緩めの甘いお話でした。
それにしても、次期社長というのに、秘書はその事実を知っていても鳴海の為に良を呼ぶあたり、どんだけデキた秘書なんだ!とか、、、
鳴海の両親は、鳴海に男の恋人がいて、子供の世話をお願いしているって知っているんだろうか?とか
二人のこの先の障害を考えてしまい、ちょっと不安を感じてみたりww
そんな現実問題は棚上げして、実にファンタジーなちょっぴりスパイスの効いた甘いお話でありました。