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『湯けむり殺人事件』とでも名付けたくなるような、そんなお話でした。
主人公は高校生。
修学旅行中、イタズラで入った露天風呂で殺人事件に遭遇する。
刑事と出会い、反発しあいながらも少しずつ仲良くなり、一緒に事件を解決する。で、愛も芽生える。
火曜サスペンス劇場花のOL――じゃなくてBL風味湯けむり殺人事件、まさにそんな感じ。登場するのは美女の裸じゃなくて、痩せっぽっちの高校生美人受けの裸ですがw
うえだ真由さんには珍しい、ドタバタの入ったコミカル展開なお話です。
ただ、ミステリ部分が致命的につまんなかった。
あと、ドタバタちっくなコメディは、うえだ真由さんには向いてないような気がしました。
やっぱしっとりした焦れったい切ない小説が、うえださんには向いてるような気がするんですよねぇ。
よく練られ丁寧に作られたお話だとは思ったんですが、まったく萌えられなかったのが残念です。
うえださんのデビュー2作目のノベルズですね。
私が持ってる中で『いちばん古いうえださん作品』でもあります(デビュー作は新装版で読んだので)。
あとがきで言われてる通り、男子高校生(BL)版『2時間サスペンス(劇場)』です。まさにそのままです。
いや、それはいいんですよ。まあ、すごく好みとは言いませんが面白かったらOKです。
問題はまったく面白くなかったことなんですよね~。
修学旅行中に殺人事件に遭遇した高校生・朋貴(受)と、担当刑事・相馬(攻)のラブストーリー・・・なんですが。
ラブもコメディも事件(ミステリー・サスペンス?)も、全部が半端に感じたんです。
正直なところ、読みながら『これBLじゃなかったの?いつBLになるの?』とイライラしました。←Hのなさ(少なさ)ではなく。ラブがないわけじゃないのに、なぜか『BL』って感じがあまりしなかった。
いっそのこと『2時間サスペンスチックなコメディ』として読んだ方がまだマシなんじゃないかとさえ思ったよ。
ただ、コメディとしては上滑りしてて笑えないし(私は)、事件がまたあまりにもチープ過ぎだからそれにしてもキツイのか。どうしよう。
どうもいまひとつでした。