眠れない夜の子供

nemurenai yoru no kodomo

眠れない夜の子供
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
12
評価数
4
平均
3.3 / 5
神率
25%
著者
菅野彰 

作家さんの新作発表
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イラスト
石原理 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥560(税抜)  
ISBN
9784403520051

あらすじ

せつなげに遠くを見ていた少年。
何かを言ってやりたくて、ついに伝えることができなかった…。
思いおこせばそれが魚彦の初恋だったかもしれない。
大学も三年になった今、再会した彼・貴史は、不眠に苦しむ大学生になっていたけれども―。
魚彦のもとでなら眠れると、夜ごと訪れる貴史に、魚彦の眠れない夜が始まった…。
書き下ろし「青年も、夜」など、シリーズ三篇を収録したキャンパス・ラヴ・ストーリー。

表題作眠れない夜の子供

嘉悦魚彦 東慶大学国文科三年生 薬局でバイト
東慶大学数理科一年 夏川貴史 不眠症

レビュー投稿数2

後半が好き

好きか嫌いかで言えば断然好きなのですが、トータルで見るとノりきれない箇所もいろいろある作品でした。
主役カップルは子供時代から約10年の時間をおいて再会した二人なんだけど、そのあたりの経緯の描きかたはいまいち上手くない感じ。
二人の絆を示唆するエピソードが足りてなくて、「幼馴染みだった」というありがちながらめちゃくちゃ美味しい関係に、特別感を見いだしにくい。
でも、必要以上にトラウマを説明しない部分は好きでした。そのせいで眠れなくて眠るために攻めの家に通い、そこから再び離れがたい絆を結びあわせていくんだけど。

一話目二話目から五年後に描かれたという三話目が一番好きでした。
勘違いに勘違いを重ねてピンポンダッシュというかキャッチ&リリースというか、勝手にがんがんドツボにハマっていく攻めがアホ可愛かったです。
シリアスにやられると苦手なパターンなんだけど、こういうノリなら好き。

あと大学の友人たちが魅力的――と言いたいところなんですが、やりすぎ感がなきにしもあらず。

2

添い寝フレンド以上

表題作の他、「ブラザー・ユニット」「青年も、夜」が収録されています。「青年も、夜」は前の二篇から5年のブランクをあけて書かれたそう。

大学生の幼馴染みものです。イラストは石原理先生(好き)。22年も前の作品だけれど、青春ものというだけで色褪せない煌めきみたいなものを無意識に見出そうとしてしまうの、性癖かも笑

魚屋の七男・魚彦は、東慶大学国文科の3年生。薬局の二階に間借りしながら薬局のバイトをしていましたが、ある晩訪れた不審な客が幼馴染みの貴史だと気付きます。

同じ大学で再会した魚彦と貴史は、子供の頃と変わらないスタンスのまま関係性を再開。しかし、不眠症に悩む貴史が魚彦を頼って同衾するようになると、貴史は安眠できても今度は魚彦が眠れない。外野からの余計な煽りもあってか、魚彦は貴史を意識し始めて…

その「外野」というのが魚彦と同じ学科に所属する周一とナツメの男女コンビ。特にナツメのおかげでストーリーが展開するため彼女が外せないのは重々承知だけれど、個人的にめちゃめちゃ神経を逆撫でしてくれるキャラなんだなこれが笑。ナツメがデリカシーのカケラもなく、ズカズカと魚彦と貴史に介入してくるたびに、またかよもぉ〜って。
 
『オール・アバウト・ユー』を読んだ時にも感じた、メインカプの"庇護する/される者"、"与える/与えられる者"の葛藤は本作でも気になるテーマでした。彼らがそこにこだわるのは男同士の恋愛とは?っていうBLの聖域に踏み込んでいるからなのかな、と思ってみたり。男女だったらわざわざ立ち止まって考えないような気がして…。

ということで、本作は男同士の多様な関係性が盛りだくさんです。「ブラザー・ユニット」では、男兄弟の微妙な関係性を読ませてくれますし、「青年も、夜」でちょっとしか出てこない加美教授もインパクト大。そもそもナツメの下僕と化した周一は終始控えめながら魚彦のサポート役だし、なんだかんだ魚彦は男たちに愛されまくりです笑(男子校育ちだし)

大人とまでは呼べない若者たちを題材に、恋愛未満な感情を丁寧に追ってくれるようなお話は貴重だなぁと思います。酒盛りに興じつつ真面目に学業に勤しむ姿はいかにも大学生らしく、試験準備や授業中の風景で交わされる会話などもしっかりと描き込まれていて、恋愛ばっかりじゃないところもいい。

基本的にはドタバタコメディ風味なのに、メインカプが幼馴染みからエチ込みの「好き」に飛び込んでいくまでのラブパートは超シリアス。どっちなんだよ〜っていう"ハズシ"のノリが、やっぱり独特な作風ですね。

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